2022.10.21 引退ブログ
「情熱」(齊藤淨)
平素よりお世話になっております。経済学部4年の齊藤淨です。
カトショー、愛のある紹介ありがとう。講義の情報諸々人任せにせず、何事もまずは自分で頑張れるようになれるといいね。
他人に迷惑を掛けない系問題児の彼は、ソッカー部随一のドリブラーであり愛論者です。ボールを持てばキレのあるドリブルで相手を置き去りにし、グラウンドを出ると愛やら価値観やら難しい悩みを考えています。
そんな彼といつか愛談議ができるように精進したいと思います。
カトショーの話はこのくらいにして、そろそろ本題に入りたいと思います。このブログでは、私が4年間どのような思いでサッカーをしてきたかを綴らせていただきたいと思います。長く纏まりのない文章ですが最後まで読んでいただけると幸いです。
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2年生の冬、私はサッカーをやめる覚悟ができていた。
1年生の頃の私は、試合に出られないながらもやる気に満ち溢れていた。6半練が終わると急いでキャンパスへ行き、講義が終わると下田に帰って自主練と筋トレをする日々。1番下のカテゴリーでも、どれだけ下手と言われようとそれを巻き返せるだけの努力をしている自信があった。試合に出るためか、周りを見返すためか、今思えば一体何のために努力していたのかはっきりと思い出せないが、いつかTOPチームに上がって慶應を背負って戦うのだろうと、ぼんやりと思い描きながら毎日をサッカーに捧げていた。あの頃の、毎日サッカーのことだけを考えて、がむしゃらに突き進んでいた時間がどれだけ幸せだったか、今になって身に滲みて感じる。
そんな日々は2年生になっても変わらなかった。コロナ禍で全体練習ができなくても、毎日公園に行ってランメニューをこなし、ボールを蹴る。グラウンドが解放されると40分以上かけて自転車を漕いで下田に通った。全く苦じゃなかった。諸事情あってTOPチームから落ちてきた先輩に守備対応やドリブルを教わり、周りから使わないと馬鹿にされたカットインシュートもひたすら練習した。上手な先輩や、高い志を持つ同期や後輩たちとサッカーをすること、上手くなっていると実感することが楽しくてしょうがなかった。そしてその年は、ありがたいことにIリーグ2試合のスタメン出場と1試合の途中出場を果たすことができた。満足はできなかったが、3年目を戦い抜く良い助走になった。と思っていた。
そんな中、ついにグラウンドマネージャーを決めるミーティングが始まった。始まる前から嫌な予感はしていた。TOPチームから1番遠いカテゴリーでプレーする私に、推薦の票は当然のように集まった。気付いたら候補者は残り6人。そう、巻き返せなかったのだ。2年間という長い時間を与えられて、私は選手として活躍するよりサポートに回った方が良いと判断された。同期との対話で「理想のグラマネ像に近い」「サッカーに対する熱量がある」「お前のためなら頑張れる」など今では支えになっている言葉も、当時はそのほとんどをプラスに捉えることができなかった。全部私にグラマネをさせるための説得文句かのように感じていた。候補者内でもやる意思のある人はおらず、このまま平行線だったらどうなるのだろうと考えるようになった。自分よりも周りを優先しがちな私は、口では絶対にやらないと言いつつも、心のどこかで自分が折れてグラマネにならなければいけないと思うようになった。「誰もやらなかったら自分がやろう」と。この時、私はサッカーをやめる覚悟ができてしまった。
それからはただただ無気力だった。今まで支えてきてくれた仲間や両親にどう伝えれば良いのか、考える度に申し訳ない気持ちになった。サッカーには打ち込み切れず、シーズンオフ中のランメニューもこなしたフリをした。練習しても走ってもサッカーをやめてしまえば意味がない。私が努力してきたこの2年間も意味がない。そう考えると自分が情けなくて悔しくて涙が止まらなかった。私のサッカーへの情熱はここで一度消えてしまった。
そんな状況を変えたのは、忘れもしない、2月1日の学年ミーティングでの秀太の一言だった。「やる気はある。」こんなに短くはなかったかもしれないが、今でも鮮明に覚えている。救われたと思うと同時に、自分の中にもう一度火がついたような感覚になった。一度諦めた選手生命、プレーヤーをやめるという大きな決断をしてくれた秀太のためにも、あと2年全力でプレーすることを誓った。
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決意を新たにした3年目は、1試合を除いて全てのIリーグにスタメン出場させてもらい、選手として大きく飛躍できた年になった。その要因として1番大きかったのは、当時C1を指導していたグラマネの友己くん(R4卒)の存在だ。がむしゃらに頑張るだけの私にサッカーを教えてくれた。プレスのかけ方、裏対応、ボールの動かし方など、一から丁寧に指導し、試合で使い続けてくれた。そんなサッカーの本質的な面白さと、友己くんの冷静な言葉に込められた情熱に触れ、1,2年生の頃のようなギラついた姿勢でサッカーと向き合うことができた。また、同じようにサッカーと向き合う仲間にも恵まれ、C1での1年間は本当の意味でサッカーを楽しめたシーズンになった。
そしてシーズン終盤には、TOPチームの練習や試合にも何度か呼ばれるようになり、「TOPチーム昇格」という目標が、段々とリアリティを増していく手応えを感じた。素直に嬉しかった。1年生の頃から思い描いていた自分はもうそこまで来ている。選手の道を選んでよかった。一度情熱を失ってしまった私でも、4年目の自分に期待せざるを得なかった。
そして迎えた4年目。
残念なことに未だ目標は達成できていない。TOPチームはおろか、1番遠いカテゴリーに逆戻りしている。人生そう上手くはいかない。今シーズンを振り返ると後悔ばかりだ。Iリーグが始まる前のBチームでは、コンディションを自ら下げてしまいB2へ。B2では出場機会に恵まれないながらも自分なりにアピールし続けたが、努力が足りなかった。シンプルに選手として欠点が多かった。山中合宿・金沢遠征を経てCチーム降格を告げられた。Cチームではスタメンを掴み取り、これからというところで、一瞬の気の緩みから怪我をしてしまった。今ではベンチ外からCチームの試合を応援することしかできない。もっと華々しい4年目を想像していたし、正直自分でも期待はずれの1年だったと思う。
ただ、こうも思う。まだ終わってない。サッカーへの情熱はあの時失って以来ずっと持ち続けている。まだ上手くなれるし、試合にだって出られる。未だに1つでも上のカテゴリーに行きたいし、TOPチームに昇格することも可能性は0じゃない。まだ仲間と切磋琢磨しながらサッカーの練習をすることが楽しくてしょうがない。Iリーグはラスト1試合、関東リーグはあと5試合ある。全くもって諦めていない。まずは滑り出しに、明日のフットサルの試合で得点を決めたい。良いアピールになるはず。
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ここまで思い出話のように長々と書いてきてしまいましたが、何を言いたいかというと、サッカーへの情熱はアチアチくらいがちょうど良いということです。こんなこと言われなくても当たり前だと思うかもしれませんが、何かマイナスなことが起きた時や上手くいかない時、サッカーに懸ける思いを保ち続けるのは難しいことです。私の場合、カテゴリー降格と怪我が良い例でした。毎日練習して上達することは楽しいですか?目標に対して全力で努力できていますか?サッカーは楽しいですか?私自身、はいと答えられない日々を過ごした記憶が少なからずあります。あって良いと思います。ただ、その瞬間成長が止まってしまっていることを忘れないでほしいです。もし今、学校が忙しかったり怪我をしていたりしてサッカーが疎かになっている人がいるのなら、サッカーを続ける理由やソッカー部での目標を見つめ直し、サッカーへの情熱、日々のモチベーションを持ち続けてほしいと思っています。
そして最後になりますが、この場をお借りして感謝の思いを綴らせていただこうと思います。
秀太、蓮、横幕、三浦、創太、笹へ
今まで組織のマネジメントをしながら、毎日練習を創ってくれてありがとう。リサーチとして少し近くで見ていた身としては、それ以外にも数々のミーティングや仕事で大忙しなのは分かっているけど、まずは選手としてこんなに成長させてくれたことに本当に感謝しています。自分がグラマネをしていたらと考えると、こんな立派にはできていないと思います。残り少ないですが、選手を全うするので宜しくお願いします。
リサーチファミリーへ
頼りない部門長でごめん。空気読めずにお土産リマインドしたり、最後までやらせてもらえなかったり、今年のリサーチがここまで変革したのは自分の責任だと思っています。新しい体制、分析方法になってもここまでやって来られたのは、みんなの協力があったからです。本当にありがとう。残り5試合頑張っていこう!
後輩へ
いつも気さくに声を掛けてくれてありがとう。
あまり自分から話し掛けたりするのはしないけど、話したことある人みんな大好きです。
特に慶人、誰彼かまわず毒を吐くのはやめましょう。
春哉も、スタッフになったことを良いことに職権濫用しないか不安です。
的井と今西は、いつも非日常な体験談を話してくれて楽しかったです。
あとちょっと付き合って。
同期へ
グラマネにされそうになったみたいな書き方をしてしまったけど、今はそんなこと1ミリも思っていません。あのくそ長いミーティングや対話が、自分の良さを見つける良い機会になりました。時間を作って色々な意見を伝えてくれて本当にありがとう。今では財産です。また落ち込んだ時声を掛けてくれたのも、いつも同期の誰かでした。サイコパスだと囃し立てる時はほんとウザったいですが、そんな仲間思いで優しい令和元年慶應が大好きです。
両親へ
このブログもきっと読んでないと思いますが、今まで18年近く1番近くで見守って支えてくれて本当にありがとう。僕がサッカーを続けられたのは、美味しく健康的な食事の他、沢山のサポートがあったからです。社会人になって恩返しするので、待っててください。
次回のブログはCチームキャプテン、宮澤開(4年・慶應義塾湘南藤沢高等部)が担当します。開と一緒にプレーし始めたのは高校からですが、中学から数えると10年間の付き合いになります。高校時代から顔のデカさを活かしたヘディングを武器に、数々のゴールを生み出し、ピンチを救い、部屋の気温を少しだけ上げてきました。そして現在は、キャプテンとしてCチームを牽引しながら、チーム得点王の座を狙っているとかいないとか。今週末のセットプレーに期待ですね。そんな彼にバトンを繋げることができてとても感慨深いです。真実の多くを語らない彼がどんなブログを書くのかとても楽しみです。乞うご期待!
《NEXT GAME》
10月22日(土)関東リーグ戦 第19節 vs明治学院大学 @非公開 11:00キックオフ