2026.03.30 部員ブログ
「電撃復帰」(田中斗湧)
日頃より多大なるご支援・サポートを賜り誠にありがとうございます。法学部政治学科新2年田中斗湧です。
ちょうど1年前の今日、今年で6年目の付き合いとなる遠山(新2年・専修大学松戸高)と共に、初めてソッカー部の練習に参加させていただきました。激しい練習内容と幾分の緊張もあって練習参加後には足が痙攣して動けなくなり、下田グラウンドから本来1時間半程で帰宅できるはずの地元千葉までの道程を約3時間かけて帰ったことが今では懐かしく思える程になっています。
まさか私が本年5番目の部員ブログに選ばれるとは予想だにしておらず 、また尊敬している大和(新2年・宇都宮短期大学附属高)のブログを読んだ直後に執筆することに対しても大いなるプレッシャーを感じています。本ブログでは、私が明治大学への進学を機に一度は競技としてのサッカー選手を退き、一般の大学生として生活していたのにもかかわらず 、なぜ再度サッカー選手としてのキャリアを再開するに至ったのか。その経緯に触れつつ、私がサッカーに取り組む上で大切にしている考えにも触れることで、少しでも私の人物像を皆様にもご理解いただける機会になるよう、綴ってみます。拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
現役復帰
なぜ私は、また毎日のようにサッカーボールを必死に追いかけているのだろうか。
私は、サッカーを楽しむことを最も重視し、古武術や絵画等の要素すらも練習に取り入れる個性的なコンセプトを謳う専修大学松戸高校において、3年間ひたすらサッカーに明け暮れていた。高3になってから漸くトップチームのスタメンでも起用してもらえるようになり、練習の積み重ねによるチーム及び自身の成長に手応えを感じながら、幼少期より憧れていた高校サッカー選手権で活躍する姿を夢見ていた。
しかし、実際の選手権予選では、ボールが水溜まりで止まる程のドシャ降りの雨によって、チームが目指してきた華麗なパスサッカーも自身が得意とするプレーも全く披露できぬまま敗戦してしまった。雨がなければ勝てたかもしれない、いやそれも実力だ、何か不完全燃焼感を抱きながら私の高校サッカー生活はあっけなく終わってしまったのである。
もし私の実力でも通用するレベルの大学に進学できたらならばサッカー部に入部したいと思い、選手権予選終了後から猛勉強を開始した。でも、目指していた大学への進学は叶わなかった。一般受験ではサッカー部への入部が不可能な明治大学と知りながら、なんとなく流れに任せて同校進学を決めてしまった自分がいた。ただ、それは競技としてのサッカー人生を自ら断念することを意味していた。
明大に進学して暫くの間はサッカーとはほぼ無縁の大学生活を送っていた。かつて地元では随一のサッカー小僧と言われ、チームメイトからは「お前が大学までサッカーを続けなかったら誰が続けるの」と言われる程サッカーが好きだったはずなのに、いざ大学に入学してみると、競技としてのサッカーとは無縁だった。それでも最初の数ヶ月は大学生活の新鮮な日々に楽しさを覚えていた。しかし、そんな大学生活に慣れた途端、なにか物足りない感覚に襲われるようになった。あの時の不完全燃焼感に酷似したものだ。学校に通うにしても友達と遊ぶにしても何か物足りない。どんなに面白いことがあっても友達と笑い合ったとしても、その直後には物足りない感情に蝕まれ続けてしまうのである。その虚無感の正体は、本気になって夢中になるものがないことへの辛さ、恐怖ではないかと結論づけ、初めて襲われる感覚を打破するために英語勉強や筋トレ、アルバイトに時間を割いたが、その感覚は一向に解消されなかった。
ある日の大学の講義中のことだった。YouTubeのポップアップに関東大学サッカーリーグ戦 慶應義塾大学対早稲田大学の試合が表示された。自分が今まで見たことのないような熱量でぶつかり合う選手、縦に速い面白いプレースタイル、それを必死に鼓舞する応援、慶應のサッカーが非常に新鮮で魅力的だった。その時虚無に陥っていた自分に足りてなかったのはやはり本気でぶつかり合うサッカーなのだと気付いた。ソッカー部が早慶戦、関東リーグを死に物狂いで戦っている姿を見て大きな憧れを持つようになった。いつの日かこのような舞台でもう一度本気でサッカーをしたい、高い意識で切磋琢磨する集団の中でプロ志望の選手たちに対して私が4年後どこまで戦えるようになるのかを確かめたいと思い、明大1年の11月に慶應義塾への進学を決断した。大学の講義や定期テストと受験勉強の両立は非常に難しかったが、なんとか合格を掴むことができた。現在ソッカー部の一員として、再度サッカーに本気で向き合える日々と整備された環境で取り組めることに私は幸せを噛みしめている。
この経験は、一見無駄な1年と考える人もいるかもしれないが、私自身の人生を見つめ直す良い機会となった。この1年は物事に本気で取り組めることがいかに幸せなことか実感できるきっかけとなった。本気になることができない怖さを知っているからこそ、現在指導してくださっている刀野さんがしばしば仰る「本気でやらないならサークルや同好会でやってくれ、ここは100年続く体育会のソッカー部だ」という言葉の重みを深く受け止めてサッカーできているのかもしれない。
「王侯将相いずくんぞ種あらんや」
これは小さい時からサッカーや受験勉強で私が他人と戦う上で大事にしてきた中国の陳勝の言葉である。高い地位にある人々は、生まれつき特別な血筋を持っているわけではない、誰でも努力次第で天下をとれるという意味だ。私は、幼少期から背が小さく後転も逆上がりもできない程に運動神経も悪く、周りのソッカー部員のように小さい頃から下部組織に所属していたようなサッカーエリートでもない。地元の弱小少年団でこの言葉を信じて努力をしてきた平凡な経歴の持ち主だ。そんな私が関東リーグの強豪校相手と戦い、目標を達成していくにはこの言葉にあるようにもっとがむしゃらにならなければならない。私を支え続けてくれるこの言葉を胸に刻み、わざわざこのソッカー部に入るためだけに慶應義塾に来た価値を示すためにも、ひたむきに取り組み続けるような残りの3年間にしていきたい。
昨年4月にソッカー部に入部してからの 1年間を振り返ると、夏までのB2の試合では出場した全試合で敗戦を喫し、夏からB1でプレーさせていただけるようになってからもIリーグで多少ゴールに絡めた程度でチームに勝利をもたらすような圧倒的な活躍はまだできていない。自分が入部前に憧れた舞台に立つには今年から更なる結果を残さなければならない。
そのためにサッカーに本気で打ち込める今を大切にして努力を結果に結び付けたいと思う。
私が大切にしてきた積み重ねの成果とわざわざ慶應義塾に来た覚悟をいつも支えてくださる指導者の方々や家族、地元や高校の友人、明大を離れても依然応援してくれている友人たちにも見せることができるように今シーズンを戦い抜きます。
拙い文章でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今後共、ソッカー部へのご支援とご声援の程、よろしくお願いいたします。
《NEXT GAME》
4月5日(日) 関東リーグ戦 第1節 vs 専修大学 @専修大学生田北グラウンド 14:00キックオフ

