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2025.10.21 引退ブログ

「ありたい姿」(岡田朋希)

平素よりお世話になっております。
商学部4年の岡田朋希です。

しみちゃん
まずは復帰おめでとう。
彼の地元である兵庫県三田市ウッディタウントークで盛り上がれる唯一の関東人として、彼のノスタルジーをケアしてきました。
そんな彼は今シーズン、怪我に苦しみ、リハビリ生活は壮絶だったと思います。
彼の1日は、ロクハンからはじまり、練習後はトレ室に籠り(夏だけ)、肉体美を手に入れ(海で脱ぐため)、週末も持ち場で得点感覚を研ぎ澄ませてきていました。
先日の慶應杯での、彼のキープからこぼれ球を左貫が押し込むという見事なポストプレーや、練習試合で見せた極上のヘディングトラップを見た時は感動しました。
残留に向けて、これまでの鬱憤を晴らす一撃をお願いします。

 

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『人生において重要ではないものの中で、最も重要なサッカーを楽しんで』

高校サッカーを引退する際、当時の監督が仰った言葉です。

人生におけるサッカーの位置付けは人それぞれだと思います。
中町監督は『サッカーは漢を磨くツールだ』とも仰います。
サッカーを生業として生きていく人や、大学入学と共にサッカーから退き、留学やビジネスの世界で生きていく人もいます。
私自身、高校まではプロサッカー選手を目指していたので、ソッカー部への入部は
『プロサッカー選手を目指さずにサッカーをする』という初めての決断でした。
だからこそ、その決断に何かしらの意味を持たせるべきだと考えていました。
私が大学でもサッカーを追求したのはなぜか。

『限りある経験から学び尽くし、前に進むこと』

大好きなサッカーを通して、このような経験を追い求めたい。
家族による多方面での支援、4年間という時間。
これらのものと引き換えに、私は『限りある経験から学び尽くす』4年間を過ごしたいと考えました。
そしてその先で、

サッカー選手として悔いが残った高校時代の借りを返すこと。

こうした考えのもと、憧れの黄色のユニホームに袖を通す覚悟を決めました。

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『限りある経験から学び尽くし、前に進むこと』

曲がりなりにも追求し続け、やっとの思いで少しは形にすることができたのではないかと思います。
そんな4年間を多くの方々への感謝の気持ちを込めて振り返り、今後の人生の糧としたい。
そんな思いで書きましたので、いくばくばかりかのお時間をいただき、目を通していただければ幸いです。

1年目
4つのカテゴリーのうち、3軍(B2)からのスタートでした。
『ウルグアイ』『A1A5』といった新入部員には解読不能な暗号のような指示の数々。
さらに、90分の大半はボールが頭上を飛び交うため、試合が終わる頃にはまさかの首が筋肉痛。
そんなカルチャーショックに、思わず腰を抜かすこともありました。
しかしありがたいことに、杉さん・秀太くん・創太くんのもとで、シーズンを通して起用していただきました。
1年生ながら、雄大くんには要求のような文句を言ってしまったり、直属の先輩である夏輝くんを削りにいってしまったり、鬼丸先輩の端正なルックスにピッタリなあだ名を付けてしまったりしてしまいました。
生意気なこともたくさん言い、多くの無礼をお許しいただきました。
今思っても、尊敬する先輩方に恵まれていたと思います。ありがとうございます。
上級生を差し置いて試合に出していただくことのありがたみ、責任を1年生ながらに感じることができていたように思います。

やがてシーズンも最終盤に差し掛かり、不覚にも『フェーズ』
(※試合序盤と終盤にリスクを排除するためになるべくボールはクリアすること。)
が板に付いてきた頃、初めてTOPチームに昇格させていただきました。
待望のチャンスを目前に迎えた初回のTOP練では、柄にもなく全力クリアを披露。
友峰さんに『岡田のクリア、初めて見たよ!!』と笑顔で拍手された時は、さすがに何とも言えない気持ちになりましたが、それ程までに掴み取りたいチャンスでした。

ただ、本心はと言うと、多くの戦術的な『決まりごと』や、ピッチを出てもなお、ソッカー部員らしく振る舞うための『規律』、こうした『誰かが決めたあるべき姿』というしがらみのようなものに囚われることに、少なからず違和感を抱いていました。

そんな『誰かが決めたあるべき姿』に自分を押し込めようと、試行錯誤を重ねた1年目でした。けれど、残ったのは、まるで他の誰かのサッカー人生を生きているような、これまでに感じたことのない感覚でした。

2年目

1年目から拭いきれずにいた『誰かが決めたあるべき姿』に倣う違和感に対して、私が取ったアクションは『自分はこうしたい』という理想を打ち出すことでした。

今思うと、非常に身勝手で、身の程知らずだと感じますが、それもまた、私にとって意義ある学びに繋がりました。

この年、記憶に残っている出来事があります。

とある練習試合でのこと。

試合が終盤に差し掛かると、チームは例の如く『フェーズ』を開始しました。

しかし、その日の私は、自身のパフォーマンスに不満を感じていました。
残り時間も僅かな状況で、少しでもミスを取り返そうと、ボールを奪っては、

『フェーズなんていい。丁寧に繋ごう。』と。

チームメイトにもボールをクリアしないことを要求しました。

すると、主審を務めていた笹くんに

『やるべきことをやれ』『頭を揃えろ』と叱責を受けました。

この時、私は規律や決まりごとといった、しがらみや束縛から自由を求め、逃れようとしたのです。

試合後、冷静になった私が感じたことは、
ピッチ上でサッカー選手としても活躍できず、
ピッチを離れても『ただのソッカー部員』であることに対する無力感でした。

当時の私は、組織のあるべき姿を徹底的にこなせる模範的なソルジャーでもなく、
自らが抱く理想を体現し、違いを生み出せる程の強さも持ち合わせていませんでした。

その瞬間、私は自分を見失いました。
2年目は、1年目の気付きを踏まえ、『組織のあるべき姿』よりも『自分がどうしたいか』を大切にしてみました。
しかし、これもまた上手くはいかず、徐々に組織の中で確かな価値を発揮していく仲間を横目に、無力感を通り越して、疎外感すら感じました。

3年目

ソッカー部において『自分がどうありたいのか』

序盤で記したように、

『限りある経験から学び尽くし、前に進むこと』
その先で、『高校での借りを返す成果を上げる。』

気付けば、その原点から大きく逸れてしまっていたのだと思います。

そんな私に立ち返るきっかけをくれたのは、GMの2人の言葉でした。

鮮明に記憶しています。
練習試合の後、戸塚から下田に戻り、GM候補者とミーティングをした際、彼らはこう言いました。

『お前にはピッチ内で力になってほしい。』

彼らにとっては何気ない一言だったかもしれません。
でも、私はその瞬間、
『限りある経験から学び尽くし、前に進む』というありたい姿を追い求める資格と責任が残されている。
そして、『その成長を彼らのため、チームのために成果に変えて、還元したい。』

心からそう思いました。

やがてリーグ戦が開幕し、初戦からメンバーに登録していただきました。
第3節の早稲田大学戦で関東リーグ初出場を果たし、
後のアミノバイタルカップの城西大学戦では、サッカー人生史上最大の打ち合いを制し、
結果的には、11年ぶりの全国大会出場に繋がりました。

こうした一つひとつの経験から、選手として、人間として、
『限られた経験から学び尽くし、前に進む。』
ようやく、その過程が成果として形を成し、確かな実りとなって現れ始めました。
思い描いてきた『ありたい姿』に、ほんの少し手が届いた瞬間でした。

4年目

と記しましたが、昨シーズンの法政大学戦を最後に関東リーグのピッチに立っていません。
今シーズンに限っては、リーグ戦のメンバー入りは0試合。
目標の一つだった早慶戦には、ベンチ入りできたものの、出場は叶いませんでした。

高校時代の借りを返すどころか、借りを増やすばかり。
この現実にはサッカー選手である以上、受け入れ、向き合い、必ず覆すつもりです。

ただ、あの時以来、自分の『ありたい姿』を見失ったことはありません。

そうでなければ、ピッチ上でしのぎを削る仲間、あらゆる犠牲を払い、支えてくれるGM・スタッフ陣、家族、そして自分自身に顔向けできません。

アミノバイタルカップ、駒澤大学戦。
もちろん選手として残せた微々たる成果に大きな喜びを感じましたが、
試合後の取材で、私の口から発せられた言葉の節々から成長を実感できたこと。
それが、何よりも記憶に残っています。

『自らのスコアなんて頭になかった。声を枯らして応援してくれる仲間のためを思って戦い、勝利の瞬間に彼らが湧き立つ姿を見た時、胸が熱くなった』

これまでの私は、自分のためならどこまでも頑張ることができました。
サッカーも勉強も、自分に必要だと思ったものを手に入れるために、妥協を許すことはありませんでした。

そんな私が、『他の誰かが喜び、他の誰かのために』と心から思い、力に変えられるようになったのは、ソッカー部で積み上げてきたあらゆる経験から学び尽くし、サッカー選手として、人間として、前に進むことを追い求めてきたからこそだと思います。
その結果、思いがけず、成長を実感する数多の成果・経験に巡り合うことができました。

これこそ、まさに自分が追い求めてきた『ありたい姿』であり、
同時に、ソッカー部という組織における『あるべき姿』でもあると、ようやく腑に落ちました。

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明日にも引退するかのような文章になってしまいましたが。
チームは現在、降格の危機に瀕しています。
今こそ、4年間で学び尽くしてきた数々の経験をリーグ残留・インカレ出場・そしてその先の全国制覇という成果に繋げたい。
少しでも長く、この仲間と追い求めたいと思います。

最後になりますが、

この4年間で『何を経験したか』『どんな成果を得たか』にとどまらず、
『あらゆる経験をどのように過ごし、結果から何を感じ、何を学んだのか』にも目を向ける。

こうした人生の指針とも言えるものを、自分が大好きなサッカーを通じて、選手としての価値を高めると同時に、ソッカー部に身を置いたことで、手に入れることができました。

これ程にも充実し、実りのある4年間を送ることができたのは、ひとえに多くの方々の支えがあったからこそだと、強く感じています。

この場をお借りして、感謝の言葉をお伝えさせてください。

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家族
引退したら改めて伝えますが。
今の私があるのは、決して当たり前ではない家族のサポートがあったからこそです。
大舞台で活躍する姿を見せることができなかったのは、心残りですが、これまでの人生を通して得てきたものを色々な形に変えて、恩返ししていきます。
楽しみにしていてください。
いつも本当にありがとう。健康だけには気をつけて。

蒼生
やると決めた道に対して突き進む圧倒的な熱量と頭の良さは唯一無二だと思います。
だからこそ、自分の情熱に向かって、上手く人を頼りながら、進んでください。

中町監督
就任初日に、『お前勿体ないな』と声をかけていただいて以来、今なお、勿体ない振る舞いが随所に見られる私ですが、中町監督のもとで過ごせたことで、選手としても人間としても成長することができたと思います。

テソンさん
テソンさんが頻りに仰る『君たちが評価されるべきはこのピッチ内だ』という言葉があったからこそ、選手としての本質的な価値に向き合い続けることができました。

刀野さん
銀ベンチでお話していただいたこと。TOPに昇格してもなお気にかけてくださったことに感謝しています。
刀野さんの思いやり、優しさに救われる瞬間は本当に多くありました。

宮川さん
宮川さんのもとで過ごした時間はそう多くはありませんでしたが、宮川さんとの出会い、
一挙手一投足から学び尽くした時間は、それだけでソッカー部に所属して良かったと思える程貴重なものでした。

尊敬する先輩方
本当はお世話になった先輩方に直接お伝えしたいのですが、偉大な先輩方の背中から様々なものを感じ取ることができました。これからもその背中を追いかけたいと思います。

同期
私にとって1番の財産はみんなとの出会いであり、思い出です。
引退しても、どんなことでも語り合い、笑い合える最高の仲間でい続けられたらと思います。これからもよろしく。

後輩たち
私が遺せるものは、ピッチにすべて置いていきます。
なんてかっこいいことは言えませんが、みんなの心に響くような必死な姿とくだらない絡みで、思い出を残せたらと思います。

もう、遠征先でデザートを奪い合うことができないのは残念です。
ね。蟹・朔・川名。
大雅に髪を切ってもらうことも、カンタ師匠に追い込んでもらうことも、啓太・瀬戸・金井・柳瀬を追い込むことができなくなるのも、小野・山中・計盛から後輩にするような挨拶をされることも、優羽のワルそうな笑顔が見れなくなるのも寂しいです。

翔大、潤紀、梅、悠馬、盛貴、(モトミチ)
久我山の後輩たち、応援してます。

他にも様々な場面で、たくさんの人に支えていただき、ここまでくることができたと思います。

折に触れて、直接感謝の気持ちをお伝えできればと思います。

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次は群馬の星こと、村井くんです。
彼には、商学部をまとめあげる我らのブレインとして、商学部の心臓こと辻野君と共に、常に先頭車両に乗車され、多くの商学部生を卒業に導いてこられました。
商学部を代表して、ありがとう。
特に、線形代数のマンツーマン講義の際にはお世話になりました。
連日、図書館に立て篭り、家に帰っても分からない箇所はLINEで丁寧に解説してもらいました。そんな心優しく、頭の良い彼は、ゼミでもブレインとして活躍しているそうで。
噂によると、ソッカー部では見せない一面もゼミでは見せているみたいです。
諸事情により、ここではあまり言えません。残念です。
でも、部室でならいくらでも言います。今度、ゼミを覗きにいく予定です。
人一倍の責任感を持つ彼が、今何を綴るのか。
群馬県民の皆さん。内田ゼミの皆さん。全国の村井ファンの皆さん。必読です。

《NEXT GAME》
10月25日(土)関東リーグ戦 第18節 vs 桐蔭横浜大学 @桐蔭学園多目的グラウンド 17:00キックオフ

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