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2025.10.16 引退ブログ

「チャイニーズバンブー2.0」(井村広太)

平素よりお世話になっております。経済学部4年の井村広太と申します。
海聖、紹介ありがとう。彼はBチームでキャプテンを務め、またその傍ら公認会計士を目指し日々勉強に励んでいます。最近はカフェでよく一緒に勉強していますが、公認会計士の本を開いたかと思えば、すぐに目を瞑り眠ってしまいます。今年の12月が心配です。また、ついこの間失恋をしていました。かなりショックを受けていたので、みなさん慰めてやってください。そんな彼とは来年も1年間共にすることになりました。海ちゃん、一緒に楽しもうね。

私にもついに引退ブログを書く順番が回ってきましたが、提出期限を過ぎても終わらないという状況に陥ってしまいました。これは海聖に「締切日過ぎても大丈夫だよ」と唆されたからです。その結果、「明日やろう」を繰り返し、投稿日になってしまいました。そんな自分ですが、今、心から感じていることを率直に綴ってみようと思います。拙い文章ですが最後まで読んでいただけたら幸いです。

私とソッカー部との出会いは、16年前まで遡ります。
慶應義塾幼稚舎に入学し、友達に誘われて慶應サッカースクールに入団したのが始まりでした。下田グラウンドで、当時のソッカー部員にサッカーを教わり、そんな大学生たちが国立のピッチで熱狂の渦に包まれて戦う姿を目の当たりにしました。その時、「いつか自分も早慶戦に出て慶應を勝たせたい」と強く思いました。

それ以来、普通部、塾高とサッカーを続け、常に「早慶戦で慶應を勝たせる」ことを目標に取り組んできました。

実際に、初めてソッカー部と直接的に関わったのは塾高3年の時です。大学のTOPチームのラントレにだけ練習参加し、意識が飛びかけるまで走らされました。「これがソッカー部か」と衝撃を受けたのを今でも覚えています。練習後、周りは「こんなチームに入りたくない」と口々に言っていましたが、自分の気持ちは全く逆で、その厳しさはむしろ魅力に映りました。早朝からの厳しい練習、仲間同士で鼓舞し合う声、そして練習後には学ランのホックまで留め、凛とした姿で登校していく大学生の姿。そんな姿を見て、自分もこの組織の一員となりたい。この環境で、もがき続け、自分がどこまで成長できるのかを確かめたい。そう強く思いました。

塾高ソッカー部を引退してから大学ソッカー部入部までは、想像していたよりもあっという間でした。少し遊んで息を抜こうと思っていた矢先、引退からわずか3日後に大学対塾高の練習試合に呼ばれました。試合後、淺海前監督にご挨拶に伺ったところ、「明日から朝練くる?」と声をかけていただき、頷くことしかできず、翌日の朝6時半にはグラウンドにいました。

そして、ここから始まった4年間は、自分にとって非常に密度の濃い時間でした。

1年目
肩の手術をして半年間リハビリに専念し、復帰と同時にCチームに所属することになりました。当時は、試合に出場できたことで少し自信を持ち、「ここで活躍すれば来年は上にいける」と甘い見通しを立てていました。しかし、このチームではIリーグで年間わずか1勝しか挙げられませんでした。今振り返れば、今では自分の“bro”となった漢が、試合前に口を大きく広げ、「エネルギー補給」と称してハリボーを食べていたので、負けて当然だったかもしれません。そして特に4年生の先輩方には、ピッチ内外で多くのことを教わりました。本当にありがとうございました。

2年目
ほとんどの部員が沖縄遠征に行く中、下田に10人ほど残って練習したのがこの年の始まりでした。この時、初めて「自分はこのまま試合に出られないかもしれない」と思いました。入部以来、全力で取り組んできた結果がこれなのかと痛感し、実力不足を思い知らされました。それでも、宮川さんの指導のもとで大きく変化できた1年でもありました。フットサルでは多くの試合に出場し、関東選抜の川名や隆希とともに第1セットを組みました。サッカーではボランチに転向し、「慶應にガットゥーゾがいる」と言われたのも懐かしい思い出です。少しばかり可能性を感じたものの、その芽を開花させることはできませんでした。

3年目
B2に所属し、思うような成果を上げられず苦しい日々が続きました。そんな中、大下が「チャイニーズバンブー」の話をしてくれました。なかなかに熱い話でした。

4年目
第2・第3中足骨を骨折するという予想外の出来事が待ち受けていました。沖縄合宿から帰ってきて、「今年こそは」という矢先の怪我でした。小学生の頃から思い続けてきた「早慶戦で慶應を勝たせる」という夢が遠のき、自分の目標を見失いかけました。リハビリにもなかなか力が入らず、外からチームを見守るしかない日々が続きました。ようやく5か月ぶりに復帰したものの、再びB2所属。4年目にしても同じカテゴリーにいる自分を不甲斐なく感じました。そして、夢の舞台だった早慶戦は、結局スタンドから見守るだけに終わりました。

読んでいただければ分かる通り、自分の4年間を振り返っても、選手として胸を張れるような実績はありませんでした。幼い頃からの夢であった早慶戦への出場は叶わず、TOPチームも常に遠い存在でした。自分の可能性を信じられなくなる日々の中で、何度もサッカーを辞めたいと思いました。
さらに、体育会組織ならではの文化、早朝4時半の起床、厳しい練習や走り合宿、長時間のミーティングなど、「なぜ自分はこの組織に身を置いているのか」と自問することも多くありました。それでも、「自分ならできる」と自分を奮い立たせ、歯を食いしばって努力を続けてきました。
そんな辛い状況でも、今日までやり抜くことができたのは、二つの原動力があったからだと思っています。

一つ目は、シンプルに「このチームで勝ちたい」という思いでした。
勝利という共通の目標に向かって、自分だけでなくチーム全体で取り組み、お互いを鼓舞し合い、ミーティングを重ね、走り合宿を乗り越え、敗戦を経て、そしてその先に掴んだ勝利の喜びを仲間と分かち合う。多くの困難を乗り越えて手にした勝利は、何にも代えがたいものであり、次の勝利へ向けて努力を続ける力になっていました。

二つ目は、仲間の存在です。
大きな挫折を味わった時も、苦しい時も、いつも近くには自分以上に頑張っている仲間がいました。厳しいラントレの中、隣には必死に走っているあっちゃんとbroがいました。試合で不甲斐ないプレーをした時には、励ましの言葉をくれる仲間がいました。もう辞めたいと思った時も、チームのために尽くし続ける仲間たちの姿を見て、「自分ももっと頑張らなければ」と奮い立たされました。彼らの存在こそが、最後まで走り抜く大きな原動力でした。

「ソッカー部の仲間たちと勝利を分かち合えた経験」、そして「ソッカー部に入ったからこそ出会えた人たち」。これらは自分にとって一生の宝物です。
そんな自分のソッカー部人生も、残りわずかとなりました。
この組織で最後に自分がしたいことは、ただ一つ。少しでも多くの試合に勝ち、「若き血」を響かせ、その喜びをみんなと分かち合うことです。その勝利の一端を少しでも担えるのなら、残りの時間、全力で走り抜きたいと思います。

最後に、これまでお世話になった方々に感謝を述べさせていただきたいと思います。

家族
ソッカー部の4年間に限らず、これまでの人生で自分が経験してきたこと、学んだこと、得られたものは、すべて家族の支えがあったからこそ実現できたものです。本当にありがとうございました。体育会ソッカー部を代表して、早慶戦で活躍する姿を見せられなかったことは、自分の中で大きな後悔として残っています。これからの人生で必ず恩返しを果たしたいと思っています。

社会人スタッフの皆様
4年間、大変お世話になりました。皆様のご指導のおかげで、この4年間で大きく成長することができました。選手としては、試合に出させていただいてもその期待を裏切ってしまうことが何度もありましたが、それでも自分を信頼してくださったことが本当に嬉しかったです。この4年間で培ったものを、次のフィールドでしっかりと発揮し、成長を続けていきたいと思います。

同期
振り返れば、長くも濃い4年間でした。ここでは書ききれないほど多くの思い出がありますが、そのすべてが自分にとってかけがえのない宝物です。3部降格からのスタートでしたが、最後はこの代で全国優勝を果たし、みんなで最高の宴を開きましょう。

後輩
軍団員。試合に出られない時に傷を舐め合うために始まった軍団も、今ではしっかり勢力を拡大してきました。特に初期メンバーのエドサと伊吹は最後の1年なので、悔いのないように頑張ってください。
幼稚舎勢。自分たちがソッカー部を代表して試合に出場することには大きな意味があります。現状全員B2という情けない状況かもしれませんが、みんなが試合に出ることが、ソッカー部の恒久的な強さにつながると信じています。頑張ってください。
そして神志那ともとみち。名前を出してほしいとのことなので、ここで感謝を伝えます。2人ともありがとう。

B2
Iリーグも残り4試合となりました。開幕5連敗の頃を思い返すと、みんなのおかげでチームとして本当に大きく成長したと感じます。最後はしっかり4連勝して、最高の形で締めくくりましょう。

お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。
次の担当は、岡﨑寛大です。彼とは普通部で出会い、塾高で別れ、大学で再会を果たしました。彼のブログは間違いなく長いことでしょう。ぜひ最後まで読んであげてください。

《NEXT GAME》
10月18日(土)関東リーグ戦 第17節 vs 日本体育大学 @慶應義塾大学下田グラウンド 14:00キックオフ

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