2024.11.09 引退ブログ
「優勝前夜」(菊田凌万)
平素よりお世話になっております。
商学部4年の菊田凌万と申します。
豪、紹介ありがとう。
記憶などほとんどありませんが、韓国遠征の裏で行われた韓国飲みin Tokyoの方が絶対楽しかったので遠征中は下田居残りでも1ミリも寂しくなんかなかったです。ただチーム荷物を羽田まで回収しに行ってあげただけです。
宮地に「4年生の中で1番面白くないのは豪くん」と言われたエピソードを鬼丸に先に使われてしまい非常に悔しいです。だけど本当に1番面白くないのは鬼丸です。
下級生の頃から主力として活躍し、現在は主務としても活躍する豪がいなかったらチームは回っていません。本当にありがとう。流石にそろそろじゃんけん大会やりましょう。
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「早慶戦や関東リーグの舞台に立って活躍したい。」
こんな思いを持って日々を過ごしていた。
“頑張る理由は自分の活躍だった。”
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2年生 Iリーグ最終節
年間通して1勝しかしていなかったチームでの最終節。もちろん最後に勝ちたいという思いはあったけど、最終節だからと言って特別気合いが入っていたわけではなく、いつも通りのルーティーンで試合を迎えた。
試合は0-0のまま後半アディショナルタイムへ突入。試合終了間際、私のパスが相手GKにキャッチされ、そのままカウンターで失点。試合は0-1で敗戦。
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、涙は出てこなかった。隣で森田が号泣しているのを見て、「また泣いてんのかよ」と思っていた。
挨拶などを終えて、Iリーグ最終節が終わったことを改めて実感する。1年間を振り返る。そしてシーズン通して1勝しかできなかったという事実が脳裏をよぎる。
なぜか涙が止まらなかった。
この試合に負けたからだろうか。自分のプレーから失点したからだろうか。それとも来年グラマネになったらIリーグに出ることはもうないのかなと思ったからだろうか。
どれも違った。
誰にも言わなかったけど、2年間お世話になった学生コーチの横幕さんに年間1回しか勝たせてあげられなかったことがめちゃくちゃ悔しかったからだった。自分たちのために、自分たちの何倍も組織に時間をかけて、部に捧げている先輩を勝たせてあげられなかったことが何よりも悔しかった。試合に負けて泣いている横幕さんの姿を何度も見てきたからこそ、勝ちたかった。悩んでいる姿を見てきたからこそ、結果で恩返ししたかった。それができなかったことが、やっぱり悔しくてたまらなかった。
この日、初めて”誰かのために頑張る“と決めた。
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今でもあの時のことを思い出すことがある。
“グラマネ決め”
自分が選手を辞めるかもしれない。その可能性があることはずっと前から十分理解していたつもりだった。だからこそ、いつ選手を辞めても悔いがないように、毎日の練習や試合に全力を注いでいた。学年全員で25人程度、そのうち半分がTOPチームに所属し、GKが4人、マネージャーもいた。当然のようにアンダーカテゴリーに所属する自分には多くの票が集まった。
「サッカーを辞めたくない」
そんな思いが溢れる。食事もろくに食べることができず、痩せ細っていった。隣で寝ている石田にバレないよう布団の中で泣いた夜もあった。
グラマネを早く選出しなければならないという危機感や焦りは感じていた。グラマネ決めミーティングがあまり進んでいないことが”やばい状態”であることにも本当は気付いていた。誰かが言わなきゃ話し合いが進まないこともわかっていた。それでも私は目を背け続けた。同期にサッカーを辞めさせることが怖かったから。何よりも自分がサッカーを辞めることから逃げた。
3年生の6月下旬。本来であれば学年としてグラウンドマネージャーを決めなければならない時期をとうに過ぎ、7/7に行われる3年目の早慶戦をもうじき迎えようとしていた。未熟すぎた私たちの学年には、グラマネを出すまでチーム練習参加禁止の試練が与えられ、1週間朝から終電までグラマネ決めミーティングを行った。
3日目くらいだっただろうか。自分が早慶戦や関東リーグで活躍する姿を想像した。本気でそこを目指したいと思った。だけど現実はそうはいかなかった。
正直めちゃくちゃ怖かった。めちゃくちゃ不安だった。そしてそんなこと、誰にも言えなかった。
3年生だけでの学生練習が始まる直前、グラウンドで涙を堪えきれなくなり、道具倉庫の裏に隠れた。それでも耐えられず、近くにいた千葉に一言「練習きついかも」とだけ涙を堪えながら伝え、寮に走って逃げた。布団で泣いていると笹さんや蛯名さんが慰めにきてくれた。何を話したかは覚えていないけど、少し救われた気がする。
この1週間は本当に濃かったと思う。本音で語り合い、多くの同期が涙を流した。ミーティングや対話を通じて、同期から一生忘れられない言葉をたくさんもらった。
ある同期は「お前の分も必ず関東や早慶戦に出てチームを勝たせる」と誓ってくれた。
ある同期は「これからはお前のために頑張る」と伝えてくれた。
ある同期は「本当はもっと一緒にプレーしたい」と涙ながらに訴えてくれた。
ある同期は「一緒に頑張ろう」と隣に立ってくれた。
ある同期と話した時、2人で大泣きした。
私はグラウンドマネージャーになることを決意した。これまで苦楽を共にした同期のために。共に戦うことを誓ってくれた同期のために。自分のサッカー選手としての夢を仲間に託した。
この日、仲間のために頑張ると決めた。
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現在、あの日から約1年半が経とうとしている。我々は去年の4年生が残してくれた関東2部リーグという舞台で優勝争いをしている。
“誰かのために頑張る“
必ずしもそれが正解だとは思わない。だけど、それがなければここまで来れなかったと思う。
ピッチに立つことができるのは11人。控え選手含めて20人。それ以外の103人の部員は、与えられた役割を全うする。
毎試合身体を張って闘う選手たちがいる。
悔しさを押し殺して声を張り上げる応援部員がいる。
寝る間を惜しんで分析してくれるリサーチがいる。
夜遅くまで下田に残って積み込みをしてくれる部員がいる。
選手ファーストで部を支えてくれるマネージャー、トレーナーがいる。
松葉杖をつきながらもできることを全うする部員がいる。
なんとかして自分を変えようともがいている部員がいる。
可能性がある限り、上を目指し続ける4年生がいる。
12得点を挙げてチームを去り、オランダで夢に挑戦しているやつがいる。
ソッカー部に全てを捧げる123人の部員がいる。
だから、“慶應は強い”
このチームは仲間のために全てを捧げる価値がある。
俺はこのチームで「2部優勝」を成し遂げたい。
明日の神奈川大学戦、勝って優勝しよう。そのためには123人全員の力が必要だ。誰一人として欠けてはならない。仲間のために、チームのために力を出し切ろう。
そして全員で若き血を歌おう。
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後輩へ
みんなの顔が見られなくなると思うと寂しいようでギリ嬉しいです。応援はしてます。特にBの選手たちが来年関東リーグの舞台で活躍している姿は結構楽しみです。頑張れ。マネージャー陣は岡﨑が暴走しないように上手くコントロールすること。調子に乗らせないこと。
宮地と風間のランを見ることができるのがあと数回しかないことだけは流石に寂しいです。川名は日課のザンビア続けてください。
下田寮の皆様へ
先輩方
最近は寮生全員で寮食や風呂に行くことはなくなってしまいました。あの日々が恋しいです。深夜に今西さんが廊下で額から血を流して倒れていた時は流石に怖かったです。寮生会待ってます。
後輩たち
亮友 合計7人の先輩がいなくなったら流石に寂しいと思うけど泣かないで
石田 同期だけじゃなくて亮友にもかまってあげて
岡田 ニヤニヤして挨拶してくるな
神志那 お前は挨拶くらいしろ
成貴 電柱壊すなよ
風間 TOPの練習見ながら「俺もTOP上がりてー」とつぶやいていた時は嬉しかったぞ。
寮生のみんなが関東リーグで活躍する日を楽しみにしています。頑張れ。
鬼丸、千葉
2人とご飯食べたり風呂入ったりするのもあと数回だと思うと寂しいです。だけど、2人のおかげでこの寮生活はめちゃくちゃ楽しかったです。本当にありがとう。3人で早慶戦を戦えたのは何気に嬉しかった。あ、誕生日プレゼント待ってます。
同期へ
この代のグラマネになって良かったと心から思います。
特にB1のみんなには感謝しています。最後Iリーグ残留させられたのは間違いなく鬼丸のガッツポーズと4年のおかげです。チャンピオンシップ行きたかったけどそれは後輩に託そう。
ゆうかはそろそろ何も考えずに休んでください。
4年間かけても浦山を立派に育てることができなかったのは学年全員に責任があります。
4年間本当にありがとう。優勝して、最後くらい笑って終わろう。
スタッフ部屋の皆さんへ
空閑 立派なアナリストとして活躍する日が楽しみです。頑張りすぎるなよ。
永田 熱いメッセージ期待してると思うので割愛。
辻野もノーコメント。
眞木、紳 2人がグラマネになる決断してくれて本当に嬉しかった。2人で助け合いながらチーム引っ張っていってください。たまには応援行きます。
豪もさっき紹介したから省略。
一葉 まずはありがとう。一緒にグラマネできて良かった。誰よりもチームのために行動している一葉がいなかったら今のチームは絶対にないと思います。ラスト頑張ろう。そして必ず優勝しよう。
次のブログは茅野優希です。慶應の10番は副将としてソッカーに全てを捧げ、チームを引っ張ってくれました。下級生の頃のモブキャラ感はどこへ行ってしまったのか。少し寂しいです。今年は間違いなく茅野中心のチームだったし、茅野のおかげでチームが強くなったと思います。ありがとう、茅野。部員一熱い彼のブログには何が綴られるのか。期待してます。茅野、よろしく。
《NEXT GAME》
11月10日(日)関東リーグ戦 第21節 vs神奈川大学 @神奈川大学中山キャンパストラック内フィールド 14:00キックオフ