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2024.11.07 引退ブログ

「責任と覚悟」(鬼丸瞳斗)

平素より大変お世話になっております。
商学部商学科の鬼丸瞳斗と申します。

勝木、紹介ありがとう。勝木との思い出はこれといってありません。今シーズン長い間バックラインを組み、お互い足りないものを補い合いました。対人で抜かれた時には、カバーしてくれて、ブロックを敷いている時には、縦切りー!の甲高い声で指示してくれました。ビルドアップでは1から10まで言う通りにしてくれてありがとう。あそこまで聞き入れる姿勢はサッカー選手としていかがなものかと思いますが、聖徳太子並みの傾聴力、さすがです。これぐらいですね、思い出は。

本題に入りたいと思います。
いざこの引退ブログを書くとなると何を書くべきかとても迷いましたが、自分がソッカー部の4年間で感じたこと、学んだことなどを素直に書いていきたいと思います。
拙い文章ではありますが、最後まで読んでいただけますと幸いです。

―――

「やるなら本気で」

自分の掲げているモットーです。これまで選手生命を脅かすほどの大きな怪我をしたこともなく、サッカーをしてきました。高3のコロナを機に、この日常がいつ終わるか誰も分からない。せっかくやるんだったら本気でやろう。いつ終わっても後悔がないように、本気で取り組もう。そう思うようになりました。

このモットーは大したことじゃないかもしれません。ただ、この慶應義塾体育会ソッカー部の門を叩くには十分すぎる理由でした。

―――

ここからはこの4年間のソッカー部で学んだことを3つ書かせていただきます。

【環境は自分の捉え方次第】

フットサルの監督だった四戸さんがよく仰っていました。毎日家に帰るまでの道のりで、今日これができるようになった、逆にできなかったことを振り返るように。そしてグラウンドに来るまでの道のりで、今日これができるようになろうと必ず1個以上決めてから練習に臨むこと。意識的に課題に取り組み、無意識にできるようになったら次の課題に取り組むこと。

こんなことは当たり前のことだと思います。この当たり前のことを日々どれだけ継続的にできるかが1年後、2年後、3年後の成長曲線が変わってくると実感しました。

1年生の4月。実家から通っていた私は日吉に7時過ぎに到着し、履きなれない革靴でグラウンドまでダッシュし、6時半からの練習に50分ほど遅れて参加していました。
入部が決まって数日後、いつものように遅れて練習に参加した際に、「今日からフットサルに参加して。」と4つのカテゴリーのうち、1番下のカテゴリーへの異動を告げられました。

この日の練習は負の感情でいっぱいでした。大学でも自分の力は通用すると思い、天狗になっていた私にとって、受け入れ難いことでした。
サッカーをするため、サッカーで上を目指すために入部してきたのにも関わらず、当時遠回りだと思っていたフットサルを始めることは、苦しく、辛いものでした。
1回り、2回りも小さいボール。サッカーとは馴染みのない動き。体育館で室内シューズを履き、狭いピッチ内で5vs5。
前向きに、真剣に取り組もうと思っていましたが、実際にはそのように取り組めていませんでした。

「そんなんなら、春日部に帰れ」と入寮してから1週間ほどたったある日、先輩に言われました。他人にベクトルを向け、大した努力をしていない私に苛立ったのだと思います。この言葉を機に、情けない自分を見つめ直すことができました。

それからは四戸さんの言葉を大切にし、宮川さんから教えていただいたフットサルのサッカーへの活かし方、TOPにいたにも関わらずフットサルを志願し集まった先輩方や横幕さんからのアドバイスなど、様々な意見を自分の力に変えていきました。

この経験から学んだことは、環境はいつでも自分の捉え方次第で良いものにも悪いものにでもなるということです。
フットサルという環境は一見遠回りに見えるかもしれませんが、私がステップアップするには1番の近道でした。ボールが小さいからこそ感覚が研ぎ澄まされる。人数が少ないからこそ、一つひとつのプレーに責任がより伴う。
前向きに捉えるようになってから、新しい発見ばかりであり、充実していました。

【武器を磨くこと】

2年生の4月。B2で始まりました。1個下も入ってきて、カテゴリー内での序列は一番下でした。VLで勝負しようと思っていながらもこれといった武器を持っていなかった私にとって、特徴、技術がある選手たちが多くいることは、序列を変えるビジョンが全く見えなく苦しい状況でした。何が私の良いところなのか、持ち味なのか全く分からず、メンバーボードを見て序列が上がった、下がったに一喜一憂していました。

4月下旬、クロス対応の練習時にいつものようにVLに入ろうとしたら、秀太君と創太君に「鬼丸、SBに入って」と言われました。
ん?え?なんで?とすごく困惑しながら練習したことを覚えています。練習後2人と話に行きましたが、あまり腑に落ちませんでした。
ただこのままでは試合で使えなく、カテゴリーを落とされてしまうと感じていた私は、生き残れるチャンスがあるならと思い、転向を決断しました。

新たな挑戦が始まりました。もちろん簡単な道のりではありません。
Iリーグ開幕戦、途中交代で出場するも、あわや失点に絡みそうになり、そこから2試合連続出場なし。
この間考え続けました。今出てる選手になくて、私にあるものはなんなのか。
出した答えはキック。中でも局面を変えるキックを重点的に磨きました。
それからは攻撃の起点となったり、セットプレーでアシストのアシストをしたりと、徐々に自分のプレーを確立することができました。

しかし、ただ武器を磨けばいいわけではありません。
3年生では、Iリーグ18試合中5試合スタメン、私が出た試合で勝ったのは1試合のみ。
ベンチ外が続いた時、なんであいつが出て、おれが出れないんだと他人にベクトルが向く精神状態だった私は、Bの監督である刀野さんと喧嘩してしまう始末。
まったくどうしようもない人間でした。
出れない理由は、守備の強度と対人守備、背後対応。
自分の課題、弱点は決して長所にはならない。
ただある一定の基準に達しなければ、いくら武器を持っていてもここぞというときに使える選手にはならない、そう強く痛感した1年間でした。

【チームを背負う責任と覚悟から逃げてはいけない】

最終学年。4年生として、学生スタッフとしての振る舞いがどういうものなのか、模索し続けた1年間だったと思います。

2月、学年ミーティングで学生スタッフとして何かチームのために行動しているのかと問われてしまいました。
組織を引っ張っていく身、学年を引っ張っていく身として決して言われてはいけない言葉でした。
ミーティング数日前から薄々感じていました。
何か組織のためにできているのだろうかと。
ミーティングで諭されるまで、自分の中で変えよう、行動しようとしなかった、学生スタッフとして失格でした。

5月、B1で始まったIリーグ。キャプテンを務めさせていただいた。
開幕から3試合で1分2敗。
毎週の振り返りで課題としてあがるのが、4年のリーダーシップ。毎週同じ課題があがるなら振り返りをやる意味がないし、改善できないなら3年に主導権を与えた方がいいと同期に言わせてしまった。
キャプテンとして、試合中負けている時の振る舞い、練習中の振る舞い、足りないものだらけだということに気付かせてもらいました。

それから、リーダーシップとはなんだろうかと考えることをやめました。

紘生の全体を見て周りを引っ張る振る舞いや茅野の全力で熱い振る舞いを含めて、私ができること、チームに足りないと感じたこと全てを出し切る日々を続けました。
それがキャプテンとして、4年としての振る舞いだと信じました。

8月22日Iリーグ早稲田戦。25日に早慶戦が控える中、チームとしても個人としても必ず勝たなければならない相手でした。
結果は1-2負け。
自分のところで失点し、チームを勝たせられなく、不甲斐なくて仕方がなく、泣いてしまった。

試合後、TOP昇格を言い渡され、早慶戦のメンバー入りをしました。たくさんの人から言葉をもらいました。
前日には悔しいはずの後輩からは、楽しんでくださいというメッセージ。
半年以上も前から早慶戦に動いているマネージャーからは、名前を呼ばれた時感動しました、応援していますというメッセージ。
当日には同期から頑張れよという言葉。
そして、キックオフの何時間も前から準備をしてくれるグラマネ、マネージャー、トレーナー。
前日の夜中遅くまで準備をしてくれた人たち。

いろんな人の姿を目に焼き付けました。

私が学生スタッフになってから一度たりとも忘れてはいない。大勢の人が支えてくれて、普段の練習や試合が当たり前のように行えていることを改めて強く認識した日でした。

9月末、B1に降格しました。理由は明白、慶應にIリーグ1部を残すことです。
残り2節のなかで迎えた日体戦。勝たなければ残留が厳しくなる状況。
この状況下で楽しもう、絶対に勝てる、という想いと、負けたら、、、という想いが正直半々でした。

ただ、この黄色のユニフォームとキャプテンマークを身に纏っている限り、闘い、走り、目の前の相手に決して負けてはいけない。と教わってきました。

歩けないほどの膝の怪我を負っても、数日後に復帰し、チームのために闘う4年生。
監督から様々な要求にこたえ、チームを引っ張り、鼓舞する4年生。
選手をやめてまでも、チームのために熱く、ひたむきに行動する4年生。

いろんな責任と覚悟を持った4年生の姿を見てきました。

だからこそ確固たる「勝つ」という意志をもってこの試合に臨むことができ、勝利を収めることができたのだと思います。

最終節は負けたものの、慶應にIリーグ1部を残すことができました。

―――

この4年間はサッカー選手として、人として大きく成長させてもらった4年間でした。
高校生まで、自分のためだけにサッカーをやってきた私にとって、誰かのために、チームのためにという原動力をもてたのは、ソッカー部という組織があったからでした。

チームのために身を捧げているグラウンドマネージャー。ピッチ内外で慶應を背負う主務、副務。選手のコンディション管理やサポートをするトレーナー。夜遅くまで業務を行うマネージャー。何十試合の試合映像を分析し勝利のために奮闘するアナリスト、リサーチ。など、たくさんの人がこの環境を作ってくれている、支えてくれていることを身に染みて感じました。
そんな人たちがいたからこそ、辛い時、苦しい時でも前を向くことができたと思います。ありがとう。

―――

振り返ってみると後悔がないとは言えません。課題に対してもっとこう取り組んでおけばよかった。もっと情報を取りに行けばよかった。いくら全力で取り組んだ、後悔がないと言っても、もっとできることはあったんじゃないかと考えてしまいます。

これで終わりではありません。関東2部優勝という目標が残っています。再びTOPに昇格することができましたが、関東のピッチには立ててはいません。

残りの日数は僅かですが、日々を死に物狂いで取り組み、振り返ったときにする後悔が少なくなるように、後悔がないように、駆け抜けていきたいと思います。

―――

長く纏まりのない文章だったと思いますが、読んでいただき、ありがとうございました。

ここからは、これまで関わってくださった方々への感謝の想いと応援メッセージで締めさせていただきたいと思います。

まずこの場をお借りして、これまでご指導いただいた方々、支えてくださった方々、全ての皆様方に御礼申し上げます。ありがとうございました。

社会人スタッフの皆様
4年間大変お世話になりました。私がサッカー選手として、人として成長することができたのは、社会人スタッフの皆様によるご指導のおかげです。
特に刀野さん。2年間熱いご指導ありがとうございました。刀野さんの元でサッカーをして、1人の人間として大切なことを学ばせてもらいました。試合に勝った後、刀野さんと喜び合った瞬間はかけがえのないものでした。関東のピッチに立ち、喜び合えるように全力を尽くしたいと思います。

先輩方
練習後の自主練習や私に向けてのアドバイスを聞きに行ったとき、嫌な顔1つせず付き合っていただき、ありがとうございました。特に1個上の先輩方には大変お世話になりました。Zoomで夜に一緒にヨガをした先輩。朝早くの凍ったグラウンドで自主練してから派遣バイトした先輩。車でツッコミを手厚く指導してくれた先輩。など、きりがありませんが、多くの先輩に支えられて成長することができました。ありがとうございました。
特に寮の先輩方。コ―ロー、えびちゃん、慶人くん、今西くん。たくさんお世話になりました。個性的な人たちのおかげで、私の悩みや不安がばかばかしく思えることが多々あり、救われてきました。ほんとうにありがとうございました。寮生会楽しみにしてます。

同期
最初、あれなんかちょっと違うなと思いながら、4年間が過ぎてしまいました。
部室での会話についていけるように、残り頑張っていきたいと思います。
根津は私が笑っているとこが好きみたいなので、部室が静まり返る言葉を発した時にでも笑ってあげようと思います。
また、私に対して、時に厳しく、時に愛のあるいじりをしてくれてありがとう。特にこの1年間、私に足りないもの、殻を破らないといけないことを要求してくれたおかげで、成長することができたと思います。特に一葉、紘生、茅野ありがとう。
皆で優勝を掴み取ろう。

千葉
4年間本当にありがとう。
数え切れないほどの苦楽を共有してきたからこそ、千葉との4年間は私にとって財産です。
感謝しています。残り僅かだけど、意地を見せよう。

凌万
4年間本当にありがとう。
早慶戦で私が呼ばれたとき、ニッコニコした顔で「頑張れよ。」とハイタッチしてくれた瞬間は嬉しかった。試合に勝った時に見せる照れくさそうな笑顔が好きなので、その笑顔が見れるように頑張りたいと思います。

中学・高校の同級生
たくさん誘いを断ってしまってごめんなさい。けどそのあとに、応援している。とか、頑張れ。とか、何気ないメッセージが私の原動力、励みになっていました。本当にありがとう。

家族
引退した後に、改めて感謝を述べさせてください。
1番のサポーターである家族が私の心の支えでした。感謝しきれません、ありがとう。

後輩
伝えたいことは上に書かせていただきました。文才がなく、伝わらなかったら申し訳ないです。
1日、1日を大切に、継続的に取り組んで、頑張ってください。応援しています。
左貫、来年は特に心配していません。選手として、学生スタッフとしてあるべき姿を追い求めて頑張ってください。
紳、ニコニコしながら握手してくるとき、いつもパワーを貰ってます。ありがとう。
眞木、来年絞り切った体で組織を引っ張ってください。応援しています。
辻野、お金返してください。
智也、体調管理には十分気を付けて、頑張ってください。
空閑、自分の良さを存分に発揮してください。空閑なら学年、組織を引っ張っていける存在になれると思います。応援しています。
斡汰、応援しています。気を張りすぎず頑張ってください。

寮の後輩
共に長い時間を過ごすからこそ見えてくる互いの姿があると思います。
時に励ましあい、時に競い合い、頑張ってください。
亮友、3人いなくなって寂しいと思いますが、あげたカレンダーでも見て元気出して頑張ってね。応援しています。
石田、自分を信じて頑張ってください。応援しています。

次のブログは内藤豪です。
鋼の肉体を持つ豪は、これまで全く怪我に屈してきませんでしたが、最近ずっと膝にテーピングしています。歳には抗えないみたいです。
1年生から関東リーグに出場し、ピッチ外では多忙な主務を担う、誰もが憧れる存在。だと思っていたのですが、2年生の宮地君からは「4年生の中で1番面白くないのは豪くん」と言われていたそうです。そんな豪が面白いブログを書くのか、はたまた内に秘めた熱いパッションをさらけ出したブログを書くのか、楽しみで仕方ありません。

《NEXT GAME》
11月10日(日)関東リーグ戦 第21節 vs神奈川大学 @神奈川大学中山キャンパストラック内フィールド 14:00キックオフ

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