お問い合わせCONTACT
MENU

BLOG

部員ブログ

背景

2024.11.01 引退ブログ

「終着地」(荘司慈英)

平素より大変お世話になっております。
商学部商学科4年の莊司慈英と申します。

香山、紹介ありがとう。
彼とは本当に長い時間を共にし、多くの思い出があります。
起床後すぐの電話や1on1ゼミ、大戸屋での対話。ACL準決勝も一緒に現地観戦しました。
1年生の頃には、白い何かを45Lのゴミ袋に入れ、サンタクロースのように担ぎながら消えていく香山を見たような…。
美容院での出来事は記憶にありませんが、これだけ時間を共にすれば私が笑顔で報告している姿が想像つかなくもありません。さすがに気持ち悪いですね。
また、彼と同じ時間を共にしたことで断言できることが1つだけあります。
香山が大笑いしている時、誰かが必ず傷ついているということ。
ターゲットを見つけ出すスピードと数的有利を作り出す話術に自分同様、苦しめられた同期は少なくないでしょう。
最後の1日まで、生粋の嗅覚でターゲットを見定め、部室を爆笑の渦で包んでほしいと思います。

そんな彼も、様々な葛藤を乗り越え、ボロボロになるまで闘い、結果を出しています。
振り返ると、一緒に公式戦に出た回数はほとんどありません。
残り3節、同じピッチでプレーし、彼の元にボールを届け、心の底から喜び合いたいと思っています。

―――――

サッカーのために起きて、サッカーのために寝る。
自分にとってこの至福の生活が終わりを迎えようとしている。
サッカー人生の集大成をソッカー部という特別な組織で4年過ごし、何を得たのだろうか。
これまでの4年間を振り返りながら、今の自分が思う答えを探したいと思う。

高校2年で主力だったはずの自分は、最終学年になると打って変わってほとんどの時間をベンチで過ごした。
それが要因となり、大学で選手を続けるか指導者を目指すかを迷った。
高校の同期4人が早々に入部を決意する中、私は期限ギリギリまで悩み、最後は卒業旅行先の広島のホテルで決意を固めた。

自分が信じて磨いてきた左足でもう1度勝負したい。

幼少期に中村俊輔の左足に魅了されて以来、毎日のように蹴り込んできた左足は、未来のどんな難局も乗り越えられる。
根拠のない自信と勢いはサッカーを続ける理由として十分だった。
今考えると、よく下級生に問う「ソッカー部でなければいけない理由」なんてほとんどない。
自分の可能性を自分の手で潰すのが怖くて、サッカーをしない生活が考えられなくて辞めない選択をしたのだと思う。

1年目
C1から始まったシーズンはIリーグが始まる頃にはBへ昇格。
夏に行われたアミノバイタルカップで、TOPチームデビューを果たすも、プレーは散々で前半終了と同時に交代を告げられた。
その後の競争では生き残れず、というか厳しい練習や殺伐とした雰囲気から逃げ、生き残ろうと踏ん張りもせず、呆気なくBへ降格。
シーズン終盤には平田さんとの「脛当て事件」を経て、始動当初のC1に逆戻りし1年目が終了した。

決して長い時間ではないものの、橋本健人選手のプレーを間近で観察し、アドバイスを頂いた瞬間や、当時のGMでC1コーチだった友己さんから指導していただいた時間は、その後のソッカー部生活を過ごす中で多くの気付きを与えてくださった。この場をお借りして御礼申し上げます。

2年目
始動MTGでTOPに上がるも関東Lは永遠のメンバー外。
どんなにターンオーバーが実施されても自分の名前が呼ばれることはなかった。
同ポジションの太壱くんの壁は想像以上に高く、最後まで超えることができなかった。
2年連続のアミノバイタルカップ初戦と早慶戦という贅沢な180分を経験し、シーズンは終了。
早慶戦で体感した特別な雰囲気や部員の想いを背負ってプレーする責任は、このシーズンが成功だったと錯覚するほど幸せなものだった。
また、この年は自身の役割を見出された1年でもあった。
友峰さんから指名され、TOPチームのセットプレー分析を担当することになった。
これが現在の自分を形作る全ての始まりだ。
最初は、分析を担当すればセットプレー練に入って自分をアピールできると、必死に取り組んだ。
いつしか既存のリサーチ部門セットプレー班を凌駕し、自分だけが活動していた。(当時のセットプレー班の方々には申し訳なく思っています。)
しかし、そんなリサーチ意欲も削がれるほど一向に巡ってこない出場機会。
選手としての能力が足りていないことを頭では理解しつつも、今度は自分がリサーチ業務を何のために、誰のためにやっているのか分からなくなっていた。
それでも、監督から指名された手前辞められるはずもなく、自身のアピールと選手としての責任をピッチで表現できていない代わりに、せめてピッチ外はという義務感で1年間をやり切った。
周りに必要とされたい、そんな一心で自分の役割を全うしていたのだと思う。
そして、この年の引退ブログで太壱くんが「その左足でまだまだ切り開ける、頑張れ。」と自分宛に綴ってくれた文章は、今でも読み返すほど支えになっています。ありがとうございました。
この年の終わりに、誓った。
残りの2年でこの期待に必ず応えると。
橋本健人、川野太壱と続いた慶應の左利きSBの系譜は、自分の名前とともに後世に引き継ぐと。

3年目
代が上がり、今年こそは主力としてチームに貢献すると、意気込んだ矢先だった。
代替わり直後、1月にBへ降格。3年目の慣れと慢心だった。
肩の脱臼もあってBでも出遅れると、5月開幕のIリーグは最初の数試合をベンチで過ごした。
当時の自分は、TOPに戻って自分の価値を証明する、昨年の誓いを果たす、それ以外は考えられなかった。
毎週金曜日はBの練習を途中で抜け、TOPのリサーチMTGで分析結果を発表する。
相手のキッカーが左利きなら自分が蹴りますと友峰さんに伝え、TOP練にも参加させてもらった。
7:30に下田でMTGをした後、炎天下のIリーグにも出場した。前日の睡眠不足などの影響からか、熱中症で全員の前で意識を失い、後ろへ倒れたりもした。
今年結果を残さなければ、と焦る中、1,2年の時同様チャンスは夏に巡ってきた。
関東L再開後の 9試合は、途中出場も含め全試合に出場させていただいた。
少ないながらもゴールやアシストを記録し、やっと選手として慶應に貢献できていると実感が湧いた。
入れ替え戦に勝利し、昇格を決めたあの瞬間は忘れられない。
たかが9試合だが、試合に出続け何かを成し遂げることはこんなにも嬉しいことなのか、これまでに感じたことのない喜びから、人生で初めて嬉し涙を流した。
来年、1年間ピッチの上で戦い続けた先にどんな景色が待っているのか、考えただけで興奮が止まらなかった。
自分が分析して、ピッチで体現する。そして、セットプレーから同期の得点をアシストする。
そんな夢も見ながら、新シーズンへの高揚とともに舞浜駅を後にした。

―――――

現在、昨年見た夢は自分が分析をしたところで止まり続けている。

これまで同じ時間を過ごし戦ってきた同期はチームの先頭を走り、結果を出している。

片や自分は、セットプレーMTGを通じてチームに貢献できていると信じ込む程度。

これまで、リサーチという役割でチームに貢献していると自分に言い聞かせ、周りにも自分にはリサーチがあると豪語してきた。

あたかもこの組織における正しい部員のように。

香山は、
「部員・仲間に興味を持ち、それぞれの努力・献身を知り、それに報いようと努力し、その過程で部に対する愛を育む」ことこそが、この組織の“正しさ”である
と綴った。

この組織の“正しさ”の中で、自分は果たして何を得たのだろうか。

振り返ると下級生の時から主体的にリサーチ業務を行うものの、心の大半は自分をアピールするツールでしかないと考えていた。
そのくせ前述のようにリサーチを盾に大口を叩いたこともある。

しかし曲がりなりにも、組織に対して自身の時間はかけてきた。

その成果が、4年目にして自身に新たな想いを生んだ。

隣に居る戦友を心の底から応援したい。

字面だけ見ると、なんて安易な想いなのかと自分でも思う。

しかし、当然に聞こえるかもしれないこの想いは、果たしてこの組織に所属する全員が抱くことができる感情なのだろうか。

スポーツ推薦がなく、他大学に比べTOPチームで戦うことはそう難しいことではない。そんな環境だからこそ、納得のいかないメンバー選考も少なくないだろう。
また、“選手全員“に組織への献身や役割を持つことを求めるからこそ、疑問や葛藤が生じ、組織からはみ出る者も少なくない。

そんな中で、入り口は自分のためであったものの、組織に対して、自身の時間をこれほどかと費やしたことで、“正しさ“の終着地として「仲間への愛」という自分なりの成果を得ることができた。

この想いがあれば、自身のプレーに納得がいかず腐ってしまいそうな時でもパソコンを開かせてくれる。
この想いがあれば、メンバーを外れても、チーム付きへと気持ちを切り替えさせてくれる。

健や根津は自分を信頼して飛んでくれる。
香山は広い守備範囲でどんなボールも弾き出してくれる。
雄大と惠風の絶妙なクロスはそろそろ紘生や純太に合うだろう。
茅野はやっとスルーができるようになった。
堀溝はやっと正しいタイミングでロングスローを投げられるようになった。

自分の分析が出場する選手を輝かせる1つの手段になるならば、いくらでも自分の時間を捧げよう。

―――――

4年目
選手として何かを綴れるほど試合に絡めていない。
「なんか寂しいっすね」と無表情の五十嵐からぶっきらぼうな相槌が聞こえるが、返す言葉もない。
今年はというと、関東Lの15分と4年間で3回目のアミノバイタルカップ初戦の65分のみ。それと片手で収まる回数はベンチに入っただろうか。
それ以外は紳から毎週のように黒服を借り、久しぶりにメンバーに入った潤太にGKW-upの手順を教えてあげられるほどチーム付きをしている。

こんな情けないことを書いていると、選手としての貢献を諦め、裏方に徹し、組織を支えたいのかと思われるかもしれない。
そんなことは一切ない。
この組織はサッカーをする場所。選手として、仲間や組織に貢献することが大前提なのである。

残り13日。

どんな未来も切り拓けると信じてきた左足を最後まで信じ、自分の力で仲間を輝かせる。
一方で、これまでのサッカー人生で課題となり続けてきた守備からも逃げるつもりも毛頭ない。
最後の1日まで、強く、速く、そして上手くなることに貪欲でありたい。
昨年抱いた夢は自分の手で叶える。

振り返れば、1年生でデビューを果たし、2年生では早慶戦に出場した。3年ではBと関東Lを経験し、4年ではTOPのメンバー外。
決して誇っていい経験ではない。がしかし、自分にしか伝えられないことがまだまだ沢山あると自負している。
その責任から逃げることなく、自分なりに自分らしく最後まで走り抜きたい。

紘生、豪、香山、藤井、入江、オセロでポイントに飛び込む心の準備をお願いします。

―――――

後輩へ
面倒だな、嫌だなと思うことこそ行動に移してみてください。
選手として、自分の苦手な分野からも逃げず、1つずつ課題が克服されていく過程を楽しんでほしい。必ず自分に返ってきます。
ピッチを出た後も同じです。目の前にある問題は、隣の選手が面倒に思って逃げたものかもしれない。気が付いた仲間がカバーするべきです。
この小さな行動の積み重ねが、組織をより良い方向に導き、最終的に組織や個人の目標達成に繋がります。
惠風へ
同じ湘南・鵠沼住みとして本当に応援しています。引退しても八部ジムに行くのでスタンプ押して下さい。日産スタジアムでの再会を楽しみにしています。
斡汰、一寿は今年1年が無駄じゃなかったと思えるように来年頑張れ。
縦割り班の面々(特に大知と海聖)と柊治、大雅、伊吹も期待しています。
セットプレー班は来年以降、これまでの風習なんてぶち壊して自分たちらしさを全面に頑張れ。太晟、任せます。川名と快はこれまで通り積極的に。
朔はいつもハイライト楽しみに待っていてくれてありがとう、励みになる。

マネージャーのみんなも資料の印刷やラミネートに始まり、ハイライトの共有まで大変お世話になりました。ありがとう。残り3節、よろしくお願いします。

―――――

長く纏まりのない文章でしたが、お読みいただきありがとうございました。

最後になりますが、この場をお借りして感謝を述べさせていただきたいと思います。

これまで指導していただいた全ての皆様、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

社会人スタッフの皆様

友峰さん
自分を信じて起用していただき、ありがとうございました。
選手としても人としても学ぶことが多く、ピッチ内外で大変お世話になりました。
6:30練に向かう始発で青いスーツを着た友峰さんと会いすぎたせいか、誰よりも早く、どこに居るかを感知出来るくらいにはなりました。
藤沢会の開催、楽しみにしています。今後共どうぞよろしくお願いいたします。

中町さん
トリコロールの血が流れていると勝手に自負する自分にとって、中町さんの下でプレーできたことはこの上なく幸せでした。
残り3節、2013年の悪夢を知る者として、必ずリーグ優勝を達成させてみせます。
最後までご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

OB、保護者の皆様
毎週、見づらい点も多々あったと思いますが、ハイライトを視聴していただき、本当にありがとうございました。
LINEグループ【慈英劇場】(入江,根津,内藤,柳町)のお父様方、いつも視聴していただきありがとうございました。最後まで応援よろしくお願いいたします。
村上のお母様、映像提供していただき、ありがとうございます。

鵠洋アーセナルのお父さんコーチの皆さま、卒団後も気にかけていただき嬉しかったです。
鵠沼中の中村先生・木村先生・森井くんをはじめとする学生コーチの皆さま、今の自分があるのはあの3年間のおかげだと思っています。
ありがとうございました。

ガクトレの斎藤岳さん
大学2年の時、巷にあふれるトレーナーの中から岳さんを信じて本当に良かったと思っています。岳さんのおかげで届かなかったボールに届き、追いつけなかった相手を追い抜かすことができました。最終節、日体大のグラウンドで刀さんと会えるのを楽しみにしています。

同期
この学年との出会いは自分にとって、一生物だと思っています。
ピッチ内では切磋琢磨し、同期だからこそ言える指摘も沢山してきました。
4年間で何度かあった全員同カテ練習や、堀溝が森田の成し遂げたいことを当て、友峰さんを黙らせたことは懐かしい思い出です。
練習後のジャンケンで数十万を自販機に突っ込み、部室では大いに笑い合いました。
自分の“ノンデリ発言”もみんなのおかげでギリギリ笑いになったのではないでしょうか。
これからもよろしくお願いします。
最後まで自分たちらしく駆け抜けましょう。

キャンプ部、今年も行きましょう。
来年もお世話になる方々、みんなで助け合いましょう。
千葉、まだ諦めたりしてないよね。ゴールの片側は託します。頑張ろう。
入江、まだ何も終わっていません。引退するまでには左足でパスを出せるようになることを願っています。


小学3,4年生の時に毎週日曜日朝5:00からバルセロナの試合を一緒に観たことくらいしかサッカーの想い出は残念ながらありません。
願わくば、年代が上がってからサッカーについて色々議論したかったと最近よく思います。


いつも自分の1番のファンでいてくれてありがとう。
1分1秒でも長い時間、試合に出て活躍するという今できる最大の親孝行を残り3節で必ずやり遂げたいと思います。
最後まで応援よろしくお願いします。

―――――

さて、次のブログは学生トレーナの勝木耀(4年・慶應義塾高)です。
勝木とは塾高からの戦友で、今年で7年目になります。
大学2年の時に突如として発表された、勝木が思う「優しい同期ランキング」では堂々の2位を獲得しました。理由は忘れましたがとても嬉しかったです。
最近では、村上大先生のご指導や香山の愛のムチがようやく身を結び、後輩との面談で友達が居るか質問できるくらいまでに成長しました。
そんな彼も4年間で様々なカテゴリーを経験し、学生トレーナーにもなりました。
関東Lを経験した選手として、TOP練とB練を梯子し組織に献身する学生スタッフとして、何を綴るのか楽しみです。

《NEXT GAME》
11月3日(日・祝)関東リーグ戦 第20節 vs城西大学 @JOSAI SPORTS FIELD 第1グラウンド 14:00キックオフ

WHAT'S NEW

新着情報