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2024.10.08 引退ブログ

「本気の失敗」(森田将太朗)

平素よりお世話になっております。経済学部経済学科4年の森田将太朗です。

がく、紹介ありがとう。
スタバに籠りグランデ2杯飲み干して書き上げた力作、流石です。学年で唯一のユース出身者として、常に高い基準を示し続けてきた姿を心から尊敬しています。
そんなピッチ内外共にプロフェッショナルな我空は、部室の会話でも、強めの口調にサッカー面の悪口を組み込むスタイルで、徹底的にメンタルをへし折ってきます。かつての標的がいなくなってしまった今、その矛先はどこへ向くのでしょう。意外と隙はあるのですが、とても勝てる気はしないので、引退までは勝木で丸く収まって欲しいところです。

毎年、卒業ブログを読むのを楽しみにしていたのにあっという間に自分の番が、、

と書くにはあまりに長い4年目でした。
物理的に。
特にトレ室にいる時間が長かったような気もしますが気のせいでしょう。諸々触れつつ本題に移っていこうと思います。
これまでの3人みたいに目頭が熱くなるブログではないですが、気楽に最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

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さて早速ですが、私には、『宇宙兄弟』という愛読書があります。幼少時代の将来の夢が宇宙飛行士だったことから、この漫画は私にとって人生の教科書でした。今回は、その中の一節を紹介します。

「失敗には価値がある。」

これは主人公がコンペでマシンの試作品を作る時に語った一言です。
いい素材使ってるモノがいいモノとは限らないけど、失敗を知って乗り越えたモノなら、それはいいモノだ。と続けます。
非常に感銘を受けたシーンで、私のソッカー部生活と重なる部分も多いように感じています。
なので、卒業ブログも「失敗」をテーマに綴ってみようと思います。

まず私はこの4年間、とにかく沢山の失敗をしてきました。いくつか振り返ってみます。

・入部翌日に長期パラ行き
・フットサル全国準決勝で相手に先制点をアシスト
・会食禁止期間に先輩とのご飯の写真をストーリーで公開
・片手の親指だけで立ち上がろうとして脱臼
・同点で途中出場、CKで自陣ゴールに決勝点を突き刺す
・同点で途中出場、ファーストタッチの横パスで大カウンターをくらい決勝点を献上
・議題「森田」

まだまだありますし、書くだけでも寒気がする思い出だらけです。特に1番下は今も夢に出てきます。

ではこれらの失敗にどんな価値があったのか。
色々考えてみました。

結論は、一切ない、です。

これらの失敗の結果、Iリーグではチームを降格争いに巻き込み、個人では退部に片足を突っ込んだこともありました。今振り返っても、これらの失敗それぞれが有意義で、価値があるものだったとは到底思えません。
失敗そのものには、価値など微塵もないのです。

一方で、これらの失敗があったからこそ生まれた出会い、は色々ありました。

入部直後にパラに行ったからウェイトを始め、C2フットサルという素晴らしい環境に出会いました。岐阜のホテル裏が、その後の原動力となりました。これらの事象が1つでも欠けていたら、FWで関東に出ることなど万に1つもなかったでしょう。

4/2 関東リーグ開幕戦 vs共栄大学。
紅白戦ドリーム第1号となった私は、序列という概念を吹き飛ばしてメンバーに入りました。満を持して途中出場。応援のボルテージが最高潮になった時打ったヘディングシュートは、ゴールの僅か右に逸れていきました。
景色、音、ボールの軌道、高揚感。
あの瞬間の全てが、鮮明に脳裏に焼き付いています。あれを決めてたらまた違う未来があったかな、と思うこともあれば、決め切れないのが自分らしいな、とも思います。
たった25分、それでも関東の舞台は特別でした。

そう考えたら怪我も捨てたものではないですね。
でも腰だけは、、、
さすがにきつかったかな。
スクワットの重量と試合のパフォーマンスが正比例する脳筋プレーヤーにとって、ウェイト禁止はすなわちアイデンティティの喪失でした。役立ったことといえばアップで笑いを取れるようになったことくらいでしょうか。あまりに不本意ですが。真生、もう二度とオフの朝6時からデッドリフトなんてしないように。成貴もそろそろ、厳しいって。

失礼、本題に戻ります。
失敗といえば、ラストイヤーではとにかくシュートを外しまくりました。4年なのに開幕から8月まで1点も取れない自分に心底腹が立ち、あまりにも不甲斐なく、苦しかった。左貫にケアられ、遂に点を決めたと思ったら夢だった、という日が何度もありました。

だからこそ、専修大学戦でのシーズン初ゴールは特別なものでした。卒業ブログの写真に採用しちゃうくらい特別でした。
アンダーカテゴリーで、4-1で勝ち確の試合終了間際、ごっつぁんで決めたゴールです。
周りからすれば無価値な1点なのに、自分にとってはサッカー人生の中でも一際価値のある1点でした。
ビデオを見返したらタチさんだけはめちゃくちゃ喜んでくれていました。「ごっつぁんだろ森田ぁ!!」と叫びながら。気づいたらドリブルで5人抜いてアンクルブレイクまでかましていた大其には頭が上がりません。

進路も同じです。4年になって繰り返した失敗の一つひとつには意義もくそもないですが、それらを経て結果的に辿り着いた院進という道は、自分に対して誇れる成果です。

要するに何が言いたいかというと、失敗そのものには価値などないですが、失敗を重ね続けた先に得た成果、には間違いなく価値があります。
それがどんなに些細で、誰からも評価されないものでも。
これが、「失敗には価値がある。」ということだと考えています。

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ここでもう少し深掘り。
「失敗には価値がある。」という言葉には続きがあります。
失敗を肯定するだけじゃ甘くね?と上司が尋ねると、主人公はこう答えます。

「本気でやった場合に限るよ。本気の失敗には価値がある。」

失敗を肯定する名言チックなものは世の中に無数にありますが、この一言が追加されたことで妙に腑に落ちた気がしました。

なぜなら、ソッカー部がこれを体現しているからです。
本気で失敗できる環境こそが、体育会やソッカー部の素晴らしさだと考えています。

大学生にもなって、パスコンで足1個分ずらしただけで、ランのタイムに1秒入らなかっただけで、先輩後輩関係なく怒号が飛んでくるような集団が他にあるでしょうか?
走っていたら知らないうちに気を失うまで追い込めるチームが他にあるでしょうか?
あ、これは由祐だけか。
こんなことソッカー部では当たり前かもしれませんが、社会人になったらもうこんな環境はないのでしょう。勿論、死にかけながら前プレすることも、アイスバスで抜け殻になることもないです。
東北遠征の最終日、声を枯らしているパラ組を尻目に縦ザンビアを走りながら、こんなことを考えていました。

目の前のワンプレーに人生を懸けるくらい本気になること。
そして、失敗を恥ずかしげもなく本気で悔しがり、愚直に、泥臭く次に繋げること。
ここで初めて、重ねた失敗に意味が生まれてくると考えています。そうやって手にした成果には、何にも変え難い価値があると思っています。

そして、これを当たり前のようにできる人間が集まっているからこそ、ソッカー部は魅力的に映るのだと思います。
そんな部員が本気で憧れ、人生を懸けて競争するからこそ、早慶戦や関東という舞台は観る人を惹きつけるのだと思います。
昂大や、つい最近もIリーグのメンバーに入れなくて泣いている後輩を見て改めてそう感じました。

そして現在、所属するB1チームはチャンピオンシップ争いから一転、降格の危機に瀕しています。
優勝という成果は誰の目から見ても価値があるもので、それに比べたら、残留なんて達成して当たり前の目標かも知れません。
だとしたらなぜ、日体戦の勝利があんなに嬉しかったのでしょう。
6試合に渡って積み重ねた失敗や悔しさの先で、ようやく手にした成果だから、ではないでしょうか。

改めて、壮絶なシーズンでしたね。
ラスト1試合です。
日体戦で感じた手応えを、残留に繋げよう。
私たちにしか価値がわからないようなちっぽけな成果かも知れない。でも、あなた達が来年以降のTOPを担っていく上で間違いなく必要なものです。
残留を決めて、最後みんなでTOPを目指しましょう。

「本気の失敗」

今後の私の人生のキーワードはこれです。
社会に出たら、サッカーのように爆発的に感情を昂らせることは少なくなるのでしょう。
それでも、本気の失敗を繰り返しながら、その先にある、自身にとって価値のあるものを追い求めていきたいと考えています。

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最後に、ここまで失敗を肯定するような文章を書いてきましたが、失敗をした数の分だけ他人に迷惑をかけ、その度に誰かに助けてもらいました。
こうして今卒業ブログを書くことができているのも、助けてくれた人達のおかげです。最後に感謝を伝えて、ブログの締めとさせていただきます。

両親
やっと父にフィジカルで勝てるようになったと喜んでたら、人間力で大敗していることに気づきました。無限に産み出されるハンバーグと帰りの車は未だにトラウマですが、その中で常に母の優しさに助けられてきました。どんなに部活で打ちのめされて帰宅しても、何事もなかったかのように2人でTVerを見て笑っている時間に救われていたように思います。15年間ありがとう。社会人として成長し親孝行していけたらと思ってますが、まずはあと2年居候させてもらいますので宜しくお願いします。

メディカル陣
石田さん、渉、弥生には長くお世話になりました。肩で引退とかいうプロ野球選手みたいな引き際だけはご免なので、最後宜しくお願いします。

指導者の方々
淺海前監督、中町監督を始めとした指導者の方々に心より御礼申し上げます。友峰さんに言われた「お前もうボンバイエじゃねえな。」は一生忘れません。
四戸さん、宮川コーチ、横幕さん、創太さん、あまりにもムラが激しく、扱いづらい選手だったかと思います。本当にありがとうございました。
そして直近では刀野コーチ。この2年間で、結果でしか評価されないことの厳しさとロマンを嫌というほど教えてくださいました。私がやっとの思いでスタートになった瞬間、覚醒して得点を量産してくる金鶴には散々苦しめられましたが、ボンバイエとして名を刻めたのもまたこれのおかげです。最後、タチさんが経験したことのないような確変を起こしてみせますので、賭けてください。

同期
この4年間で1番感謝を伝えなければいけない存在です。主将は妖精と命名してくれ、Dtierの仲間達は部室で笑顔と共に迎えてくれました。副将には高校時代からピッチ上で強く要求されてきましたが、今年は室内に変わりました。塾高組は常に背中を追い続けてきました。一葉には熱で休んだ日も支えられました。凌万は重責を終え、ナルトを周回するだけのニートに戻ることでしょう。今年こそ勇気を持ってチェンジのボタンを押そう。特に4年時は本当に全員に迷惑をかけ、そして全員のおかげでここまで来ることができました。本当にありがとう。最後までクラバウターマンとして責務を全うします。

最後にもう1回B1
信じてついてきてください。
全てを懸けます。
だよね、くり。キャプテンマーク巻いて終わりじゃないよ。日体戦では、あの勝木がビルドアップで覚醒し、壮は相変わらずぐちゃっとコーナーを決め、千葉の低弾道ロブと、鬼丸の早すぎるガッツポーズに救われました。最後は俺が決めます。
最後くらい、すかしてる1年生が感情を爆発させる瞬間を見ておきたいですね。あと瞬足の柊治と腹筋の割れた宮地。これは無理か。
とにかく、全員で東海を叩こう。オフ明け早朝からタバタを走っている私たちに、超えられない壁などないはずです。
その後は、清皇が2回目のBBQ開催を楽しみにしてくれてるそうです。ウルトラマンの次は何になってくれるのでしょうか。

勝って、笑って終わりましょう。

さて、次の担当はウラフォイこと浦山昂大郎です。チーム練習後に自主練で1644を走り、左SBなのに右サイドからのカットインシュートを練習し、エニタイムで自重を極める生粋の努力家ですが、そのプライベートは未だ謎に包まれています。どうやら昨日は浅草にいたとか。本人の要望により、この紹介文も100%差し替えてお届けしてます。普段多くを語らない浦山が、卒業ブログでどんな想いを綴るのか。同期としても、いちソッカー部員としても非常に楽しみです。浦山よろしく!

《NEXT GAME》
10月13日(日)関東リーグ戦 第17節 vs立教大学 @立教大学富士見総合グラウンド 14:00キックオフ

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