「人生楽勝」(古金谷悠太)

平素より大変お世話になっております。理工学部2年の古金谷悠太です。
まずはこの場を借りて謝罪をさせていただきたいと思います。ゲキサカ、そして日テレの関係者の皆様、散々東大に行くと豪語しておきながら落ちてしまい申し訳ありませんでした。勉強時間が足りず惨敗でした。今はここ慶應のソッカー部にて楽しく過ごしております。部員の方々からのイジリはなかなか減りませんが、入部から1年経ち受験失敗の傷も癒えると共に自分自身について振り返る機会が多くありました。拙い文章ですが最後までお読みいただけると幸いです。

人は何を目標にして生きているのだろうか？
生物学的に言うと答えは子孫を残すことであろう。しかし、人類は他の動物とは比にならない程の知能を得て、文明を花開かせた。その結果人類はスポーツで成功したい、お金持ちになりたい、などという多種多様な人間特有の目標を持つようになった。それらの目標を達成するためには何かしらの競争に勝たないといけないと僕は思う。この世界は競争で溢れていて、人間を含め全ての生物は何かしらの競争をしている。そして、競争に勝ったもののみが生き残っている。競争をして、それに勝つことを目指すのは遺伝子に刻まれているはずだ。言い方は乱暴だが、競争を諦めたら待っているのはつまらない人生だと思う。何もしないのは実につまらない。
先程人の目標について問うたが、僕の人生の目標は正直に言うとまだ定まっていない。もう遅いような気もするがこれから見つけていく。しかし、上記の考えは昔からなんとなく持っていたため、何事でも競争し、勝利することを常に目指してきた。取り組んでいること全てで高みに到達しようとしてきた。幸いなことに自分はあらゆることに恵まれている。家族、友人、コーチなど周りの人に恵まれた。恵まれた身体や頭脳も与えられた。この何もかもが恵まれている中で上を、一番を目指さないのはありえないと感じている。そのため、一番になるためにできることは全てやり、妥協は一切しないようにしている。しかし、現実的には何事でも一番になることは、その他全てを犠牲にしても厳しい。ましてや取り組んでいること全てで一番になることはほぼ不可能である。僕よりサッカーが上手い人、頭が良い人、お金持ちな人、上を見ればキリがない。さらにその人たちはその一つに全てを賭けている。おそらく自分の努力などは全く足りてないだろうし、時間や資源も有限で彼らに追いつくことは想像もつかない。それでも挑戦できる機会がある限りは挑戦し一番を、勝利を目指すべきであると考えている。その過程が自分を成長させ、楽しいことを経験させてくれ、人生を豊かにしてくれるはずだ。

だが、先程も述べたように時間やお金は有限である。勉強、サッカー、ゲーム、その他全てに最大限の努力をするのは不可能だ。そのため、何に重点的に取り組むかを判断する上では、僕はより面白そうなもの、充実させてくれそうなものを選ぶようにしている。要するに「楽しむ」ということを何よりも大切にしている。
僕は人生の転機において何度も判断に迷う時があったが、総合的にみると人生を楽しめているし、良い人生を送れている。僕は笑っていると昔からよく言われるが、それが何よりの証拠だと思う。ニヤニヤしていて気持ち悪いと言ってくる方々がソッカー部にも多くおられるし、笑顔のせいでふざけていると思われ、理不尽に怒られることも多々あった。しかし、これを直そうとは思わない。なぜなら笑顔の時の自分こそ力を発揮できるからだ。緊張している時、プレー中の失敗を引きずっている時、怒っている時などは笑顔が消えてしまう。この時の僕のパフォーマンスは悪い。これはサッカーに限らず、勉強や日常生活でもそうである。また、笑顔がパフォーマンスを上げるということは研究結果からも明らかだ。笑顔でいることはメリットしかない。笑顔でいるためには楽しんでいなければいけない。だからこそ、僕は迷った時に面白そうな方を選んでいる。
今までで一番判断に迷ったのは高校進学の時だった。最終的には中高一貫校を辞めてサッカーをするために別の高校に入学したが、安定の道を捨ててチャレンジすることには大きな不安があった。それでも、サッカーで高みを目指したいという気持ちと、そっちの選択の方が面白そうと判断したためそう決断した。しかし現実は甘くなく、サッカーではなかなか結果が出ず苦しい時のほうが多かった。最終学年になってやっと試合に出られるようになった。サッカーを心から楽しんで日々練習に取り組めたことで競争に勝てたし、チームメイトもサッカーを楽しんでいたからチームとしても結果を残せたと今になって思う。結果的にサッカーでは満足いく結果で終えることができたし、楽しく充実した高校生活だったので良い選択だったと思っている。楽しむことで笑顔が生まれ、笑顔がパフォーマンスを上げてくれたことで良い結果がもたらされた。だからこそ、これからも何事にも楽しんで取り組むことで競争に勝っていき、納得がいく人生を送っていきたい。
「人生、楽しみながら、勝利する」
略して
「人生楽勝」
これをモットーにして笑顔で生きていきたい。

長く拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。今後共ご声援の程、よろしくお願いいたします。

《NEXT GAME》
5月5日(日・祝)関東リーグ戦 第4節 vs 神奈川大学 @慶應義塾大学下田グラウンド　14:00キックオフ