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2023.10.03 引退ブログ

「実は、俺って……」(石川雄大)

平素よりお世話になっております。今年度、卒業ブログのトップバッターを務めさせていただくことになりました、商学部4年の石川雄大です。

例年の流れでいくと、学生スタッフは順番的に最後の方にブログを執筆するのですが、今年は同期からの「お前にしかトップバッターは務まらない」という熱い言葉を受け、トップバッターを務めさせていただきます。

ついに、卒業ブログを書く日がきてしまいました。毎年かっこよすぎる先輩達の卒業ブログを読み、「ああ、こんなにかっこよく文章が書けるものなのか」と思っていたのですが、今年は“思われる側”になりました。ただ、かっこいいことを書こうとすると、どうしてもダサくなってしまうので、飾らず、素直に、自身のソッカー部での4年間の想いを綴らせていただければと思います。ぜひ最後までお付き合いください。

はじめに

私は中学からSFCに通っており、中高とSFCサッカー部で6年間を過ごした。私は、高校最後の選手権の1次予選で敗退し、7月には部活を引退していた。そんな私がなぜソッカー部に入部したのか。それは「サッカーが好きだから」、この一言に尽きる。SFC出身の選手がソッカー部で躍動し、早慶戦に出場し、1万人の前で点を決める。そんなスーパープレイヤーになる事を信じてソッカー部の門を叩いた。

大学1年

入部初日。この日を私は一生忘れることはない。
私がサイドから上げるクロスには全てアウト回転がかかり、ゴールラインを越え、練習にならないのである。ゴール前で待つ名前も知らない先輩たちからは「真剣にやってくれよ」と怒られ、さっきまで一緒に基礎練を笑顔でやってくれていた雄介の顔からは笑顔が消えていた。昨日まで夢見ていたスーパープレイヤーになることは、この日のたった1回の練習で呆気なく散った。
そして、同じタイミングで気付いたこともあった。

「実は、俺って……サッカーが下手くそなんだ。しかも、とてつもなく。」

人生で自分のことをサッカーが上手いと思ったことはなかったが、とてつもなくサッカーが下手とも思ったことがなかった。このような衝撃的な事実にサッカーを始めて14年目でやっと気付いたのだ。この事実に気付いてから数週間は練習に行くのが怖かった。ミスをすれば誰かに怒られ、自分がチームの練習の足を引っ張ってしまう。そのようなことを思いながら日々を過ごしていると、新型コロナウイルス流行の影響で2ヶ月程部での活動ができなくなった。サッカーに苦手意識を持っていたこの時期の私にとって、活動休止の期間は自分を落ち着いて見つめ直すことができる良い機会だった。サッカーが下手なのは理解したが、どのようにして4年間を過ごしていくのか、自分には今何が1番必要なのか、そのようなことを1日中ずっと考えていた。色々と整理ができた頃、やっと活動が再開し、再開後はボールを蹴りたくてうずうずしていたのを覚えている。
そんな中、ソッカー部生活での転換期があった。それは、カッキーこと柿沼さん(R3卒)がIチームに来たことである。サッカーの技術は当然のように高く、同じポジションだったこともあり、色々と吸収することが多かった。そして、私は柿沼さんと出会い、4年間で伸ばすべき武器を見つけることができた。それが「スピード」である。ひょんなことから始まった練習後の50m走勝負で圧倒的な速さを見せつけていた私を見て、柿沼さんが「そのスピードはTOPチームでも通用する」と言ってくれたのを今でも覚えている。技術的には最下層であり、4年後にTOPチームにいるビジョンが見えていなかった当時の私にとって、この言葉は大きな希望だった。

大学2年

依然、サッカーは下手くそである。
ただ、この1年間は多くの成長をした1年だったと言える。こんな風に断言すると、大変お世話になった先輩であるテル(R5卒)から「いや、そんな変わってなかったけどな」というぼやきが聞こえてきそうですが、間違いなく成長しました。
武器を見つけたは良いものの、その使いこなし方は分からず、当然のようにC2チーム(当時の1番下のカテゴリー)で2年目のシーズンが幕を開けた。ただ、このC2チームというカテゴリーは特殊であり、C2+F(フットサル)となっていて、部内のフットサル有志組と一緒にサッカーもフットサルも行うことができた。通常のカテゴリーでは一緒にサッカーをすることができないような有志組との日々の練習では、毎日新しい発見があり、とても楽しかった。特に同期の天風には色々なことを教わった。彼には僕の人生を大きく変えてもらいました。ここで感謝の言葉を伝えさせてください。(ピッチ外では特に)ありがとう。
先輩後輩問わず、毎日のように私の自主練に付き合ってくれて、サッカーがこんなに楽しいと思ったのは人生で初めてだった。ありがたいことに2年目はIリーグにも多く出場させていただき、サッカーもフットサルもどちらも経験できたこの1年間は自分にとってかけがえのない経験だった。

大学3年

相変わらず、サッカーは下手くそである。
大学サッカー生活も折り返し地点、私はCチーム(当時の1番下のカテゴリー)にいた。この1年間はとても難しい1年間だった。Iリーグにはスタメンで出場するも勝てない。とにかく負ける。改善をして次の週に向かうが勝てない。上級生という立場になり、受け身ではなくチームを変えようとするがそれも上手くいかない。そんな日々だったが、胸を張って言えることは、「1日も無駄にしたことはない」ということである。チームはどうやったら勝てるのかを追い求め続け、個人としては「スピード」を活かすにはどうしたらいいのか、常に考え続けた。

サッカーが下手くそな自分は立ち止まっている暇などないのである。

その甲斐あって、私は9月にB2チームに上がった。3年目にして初めてのカテゴリー昇格である。この昇格は本当に嬉しかった。自分の武器を追い求め続け、本当に少しではあるがTOPチームに1つ近づくことができたことが嬉しかった。そして何より、親愛なる竹内と同じカテゴリーで活動できることが本当に嬉しかった。

大学4年

迎えたラストイヤー。昨シーズンはカテゴリー昇格で終え、今シーズンこそはTOPチームに上がると意気込んで臨んだ今シーズン。

所属していたカテゴリーはCチーム。そして、怪我でプレーもできない。

ソッカー部に入部してから1番長い、長期離脱だった。ラストイヤーがこのようなスタートになるとは思っていなかった。そして、怪我をしていた期間に行われた沖縄遠征に帯同することもできなかった。2週間チームが沖縄で成長している間、自分は閑散とした下田でボールを蹴っていた。

ただ、下手くそな自分は止まっている暇などないのである。

沖縄に行くことができなかった選手は別の遠征があったため、そこで活躍して上に上がるためにひたすらボールを蹴り続けた。そして、その遠征の試合を見に来ていた刀野さんが遠征後の練習からBチームに呼んでくださった。ついにTOPチームの1つ下のカテゴリーである。ただ、TOPチームでなければ意味がない。

そう、下手くそな自分は……。

もう言わなくても分かりますよね。とにかく自分の武器を磨き、活かすためにはどうしたら良いのかを追い求めた。そして、4年目にしてやっとTOPチームに呼ばれるようになった。しかし、TOPチームに定着することはできず、4年目の今はBチームが主戦場となっている。

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ソッカー部生活を振り返って、得た教訓が1つある。

“最短距離で足掻き続けろ”

4年間は一瞬で過ぎ去っていく。この短い4年間で何を自分の武器として自分は戦っていくのか、その武器を伸ばすためには何が必要なのか。自分のありたい姿から逆算し、その姿までの最短距離で努力し続けること。

「だって、下手くそな自分に立ち止まっている暇なんてないのだから。」

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後輩へ
きっとここまで読んでくれている後輩で俺より下手くそな後輩はいないでしょうね。皆“お上手”だから。
だからこそ、足掻き続けてほしい。
「ソッカー部じゃなければ…」「怪我がなければ…」「下手くそだから…」このようなものは1つも立ち止まっている理由にならない。絶対にチャンスは転がってくるし、このチャンス感が多いのがソッカー部だと思う。皆が足掻き続けたら全員「スーパープレイヤー」になることができるのだろうなと思っています。
あ、俺がいなくなったらソッカー部のおもしろ担当がいなくなるので大下にバトンタッチしたいと思います。あと、部門活動は皇貴に引き継いでもらいます。頑張ってね。

Bチームへ
難しい試合が続いているけれど、最後まで走り続けよう。みんなで関東に出るために、Iリーグ絶対勝とう。僕はBチームで過ごした日々を1日たりとも忘れた事はありません。今でも感動しすぎて回想するシーンがあります。

「雄大、打てよ」by左貫龍之介
「雄大、決めろよ」by堀溝大貴
「雄大、ちゃんとパス出せよ」by栁瀬文矢

本当にこの感動し……ああ、すみません。回想するシーンを間違えてしまいました。これらは日々の練習にて、愛する後輩たちから飛ばされた数々の怒号でした。先輩にも物怖じせず、素直に気持ちを発信してくれるから、とてもやりやすいです。けど、たまには褒めてくれると先輩嬉しいです。昂大は最近褒めてくれるね。嬉しいよ。
相場、藤平はこれからも俺の背中を追い続けてください。
ひで、たか、P、慶人、ナオ、創太。
絶対に最後まで足掻いてやろう。そして、笑顔で終わろう。

同期へ
本当に大好きです。この一言に尽きます。皆に出会えなかったら、同期が皆でなかったら、ここまでサッカーを続けていなかったと思います。本当にありがとう。あの日以降、同期への愛を語ると涙が出てきてしまいそうになります。絶対に全員で「3部初代王者」を達成しよう。これ以上愛を語ると本当に危ないので、積もる話は2部への切符を獲得するその日までとっておきます。勝とう。

両親へ
まずは22年間、何不自由なく過ごさせてくれて本当にありがとう。
「大学でサッカーを続ける」と言った時、二人の反応は真逆でしたね。父は「頑張れ」と背中を押してくれ、母は「大学でもやるの…」とため息をついていました。ただ、入部した日から今日まで、4時起きの僕に合わせて、母は毎日おにぎりと果物を準備してくれていました。日も昇っていない時間に食べるおにぎりは、毎日の練習を力強く後押ししてくれる不思議なパワーを持っていました。
たくさん甘え、たくさん迷惑を掛けてきましたが、来年からは少しずつ、親孝行とやらに挑戦してみたいと思っています。
ただ、ここからの1ヶ月半がソッカー部人生最大の山場です。あともう少しだけ力を貸してください。できれば試合も見に来てください。絶対に点を決めるので。
改めて、今まで本当にありがとう。“Big Love”だよ。

長く拙い文章にお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
次回のブログは竹内秀太(4年・桐蔭学園高)が担当します。彼がいないと僕のソッカー部での思い出が、半分になってしまうぐらい一緒に日々を過ごしてきました。彼の第一印象はとにかく好印象、サッカーではGKとして高身長を活かし、コウチーニョばりのシュートがきても用心棒のごとくゴールを守ります。そして、この文章を見た彼は僕の韻にくらって「あーーーーい」と言いながら右手が上がっていることでしょう。
そんな彼がこのブログでソッカー部への愛を語るのか、はたまた僕への愛を語るのか。乞うご期待です!

《NEXT GAME》
10月7日(土)関東リーグ戦 第16節 vs 城西大学 @JOSAI SPORTS FIELD 第1G 14:00キックオフ

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