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2021.10.26 引退ブログ

「結果が全て。」(田嶋凜太郎)

平素は大変お世話になっております。日頃より温かいご支援、ご声援の程ありがとうございます。橋本健人よりバトンを受け継ぎました、総合政策学部4年の田嶋凜太郎です。

皆さんご存知のように、はしけんはソッカー部のエースです。先日の早慶戦でも、後半ロスタイムに劇的なゴールを決めて、慶應を10年ぶりの勝利へ導く活躍をしました。来年からはプロサッカー選手として、更なる成長をしてくれると思います。将来は、自分も大好きなアーセナルでプレーしていることでしょう。今後の楽しみの1つです。これだけ素晴らしい選手になったのも彼のとてつもない努力の賜物なのかなと、彼と過ごした年月を振り返って感じます。本当に尊敬します、サッカー面では。はしけん、これだけ良い感じに書いたら満足でしょ?

「結果が全て。」

これが大学に入って6年間で感じた想いです。
私は2016年春に大学に入学し、その年の夏にヨーロッパへサッカーをしに渡りました。プロとして契約を勝ち取り、異国の地で活躍を夢見て日々生活していました。しかし、海外で2年間プレーをするものの思うような成績は出ず、ソッカー部に再び戻ってきました。その後今に至るまで、ソッカー部員として毎日練習に励んできました。2年時には関東2部リーグ優勝、1部リーグへの昇格を経験。3年時にはコロナ禍というこれまでにない環境の中でのリーグ戦を経験。そして現在、関東1部リーグ降格という危機に直面しながら、ほとんど試合に絡むことの出来ていない日々を送っています。

今書いたことが、自分の大学入学後の6年間を簡潔に振り返ったものであり、自分が成し遂げた「結果」です。

私は19歳の時に自分の夢を追いかけ、ヨーロッパへ渡り、プロの世界に足を踏み入れました。そこではとにかく「結果」に拘ってプレーをしていました。何故か。無名の日本人である自分がいきなりチームに入ったところで、現地のチームの雰囲気は一切変わらなかったからです。挨拶はしてくれるし、ちょっとした会話もしてくれるけど、ピッチに立てばそこでのプレーが全て。どんなにコミュニケーションを取っても、結局周りが認めるプレーが出来ないと、それはチームにいないも同然でした。自分がいなくてもチームの雰囲気が良くなる訳でもないし、悪くなる訳でもない。そんな状況がとにかく悔しかった。だから、自分はとことん結果に拘って練習に励むようになりました。攻撃的なポジションで起用されていたこともあり、とにかくゴールを奪うことに感覚を研ぎ澄ましてプレーする。ゴール前でパスを出そうか迷ったら、シュートを打つ。味方に文句を言われようが、ひたすらゴールに近づくための選択を練習や試合を通して行いました。時には監督にもその選択は間違いだったよと言われることもありました。それでも単身で海外へ渡り、周りから信頼を勝ち取るために、1人の選手として認めてもらうために、必死に結果だけに拘ってプレーし続けました。

このやり方が正解だったかは未だに分かりません。もっと出来たかなと思うこともあるし、もう少し力を抜いても良かったかなと反省することもあります。ただこの2年間のプロ生活は、現在の自分を形成する上では欠かせない時間だったということは確信を持って言えます。どれだけ上手い選手でも、試合でチームに貢献出来ないと良い選手にはなれません。自分が完璧だと思うプレーが出来ても、監督や周りがそのプレーを評価してくれないと何も残りません。タバコを吸ってても、試合で得点を奪えれば誰も何も文句を言いません。結局日本でも、世界でも一流として生き残っている選手は、それぞれが常に求められる結果を出し続けていると思います。その世界に飛び込み、踠き苦しんだ時間は、今振り返るととても貴重だったのだと感じています。

結果を追求し、それで得られる過程がどれだけ重要か。そんな当たり前のことを、海外生活では強く感じることが出来ました。

ソッカー部に戻ってきて約3年が経ちます。その3年の間で、スタメンで出た試合は数える程で、ほとんどの時間をベンチで過ごしています。凄く辛いです。サッカーの醍醐味である、自分の想いをプレーで表現して、仲間のために走り、全員で喜びを分かち合うことが出来ないのが凄く悔しいです。チームが勝った時、嬉しい気持ちの奥底からいつも出てくる悔しさが物凄くもどかしいです。練習でミスした時に言い訳をしたくなることなんか沢山あるし、自分が試合に出場出来ていないことを周りの環境のせいにしたい時も山程あります。それでも結果が全てです。結果を追い求めないと深みのある過程も生まれないのです。過程には満足出来ていても、結果が伴ってないと、それは何も成し遂げたことになりません。結果を出すために、ひたすら自分とサッカーに向き合うことがこの組織では重要でした。

こう思えるようになったのも、海外での経験があったからです。昔の自分だったら、過程を尊重し過ぎて、結果を受け容れてなかったでしょう。思い通りにいかない時や自分の頑張りを認めてもらえない時は、チームスポーツをしている以上あると思います。悔しいし、孤独感を感じるかもしれないです。1人では受け止め切れない時もあります。結果を求め続けて努力して、それでも結果が出なくて、また努力しないといけないかもしれません。そんな困難を私はソッカー部で多く経験しました。試合に出られなかったり、自分のミスで負けてしまったり、相手を傷つけるようなことをしてしまったり。思い返せば悔しいことがほとんどです。自分が求めていた結果とは程遠いものです。それでも受け容れないといけません。ただそれらの数え切れない程の悔しい思いがあったからこそ、初めて組織のために戦える人間になれたのかなと思います。最初から過程だけに満足するのではなく、結果を追い求め、その代償として素晴らしい過程が生まれる。結果を出すために真剣に取り組むその過程こそが、後になって自分の強い芯となり、自分のためだけでなく周りのために走れる原動力となるのだと6年間を振り返って気付くことが出来ました。

部員の中には現状に満足出来ていない選手が多くいると思います。自分の能力に乏しさを感じる選手。プレーは悪くないのに試合に出れない選手。試合に出ても思うような結果を残せない選手。皆それぞれの立場で苦しんでいると思います。それで良いんです。時にはバカにされるかもしれないし、怒られることもあるかもしれない。逃げ出したくなることもあると思います。それで良いんです。苦しんで、苦しんで初めて人間として成長出来ます。自分のためだけではなく、周りのために頑張れるようになります。だからこのソッカー部での4年間、とにかく踠き続けてください。結果が出なくても常に上を見続けてください。サッカー選手として成長するために日々を大切にしてください。

私は、「長く、纏まりのない拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。」というフレーズは好きではないので、冒頭に書きませんでした。今自分がここまで書いた文章を振り返って綴ってみました。纏まりもない、拙いものになってしまいました。それでも自分が伝えたいことが少しでも、誰かに響けば良いなと思います。この後は各所に感謝を述べる文章が4年ブログの定番の流れだと思うのですが、皆と同じ感じになるので辞めときます。同期に対するメッセージだけ書いておきます。たかきに書いてくれと頼まれたので仕方なく書きます。

同期じゃないだろ。28歳。おじさん。タンクトップ。#田嶋辞めろ。

多くのガヤがはしけんを中心に聞こえてきます。それでも続けます。

私が初めて同期となったのは海外から戻ってきた2018年の夏でした。海外での挑戦に失敗した屈辱、プロからアマチュアに戻ることに対しての羞恥心、海外で頑張ってこいと背中を押してくれた仲間への申し訳なさなどから、ソッカー部に戻ることに対して後ろ向きな気持ちがありました。あらゆる負の感情を背負い戻ってきた下田のグラウンドで、チームの中で上手くやっていけるか不安もあったと思います。そんな中で同期として自分を受け容れてくれて、最後まで全員で戦えたことは自分にとって感謝しかありません。最初の3日間だけ敬語で話しかけてきたしん、1年生の時から主張強めのそういちろう、普段はおしゃべりなのに出会った当初は目も合わせない程人見知りなやまひろ、俺と同じ二世のかいなど個性的すぎるメンバーに迎えてもらいました。それ以外の仲間とも徐々に距離が近付いていき、いつ仲良くなっていたのかすら覚えていません。同期になって良かったと思える仲間ばかりです。ここに名前が出てこなかったからって拗ねないでね。特に荻とさとし。改めて皆ありがとう。

最後に、
自分自身、何も成し遂げることの出来ていないサッカー人生を送ってしまったなと今振り返って思います。チームとして成績を残すことは出来たけど、個人として結果を残すことは出来ませんでした。悔いがないかと言われたら、後悔することもあります。それでも自分がサッカーを通してあらゆる環境に挑戦して、多くの人々と出会い、悔しい思いをしながらも勝ち取ったほんの一瞬の喜びを経験出来たことは自分の財産です。自分の頑張る姿を見て、感動したと言ってもらえたことが本当に嬉しかったです。自分のためだけでなく、周りのために必死に取り組んで良かったと思います。これから社会に出ても、苦しいことや困難に立ち向かわないといけない時が多くあると思います。逃げたくなる時もあると思います。それでも困難に立ち向かい、苦しみを自分が頑張るための原動力にして進んでいきたいと思います。周りのために走り続け、誰かのHeroになれるように。

次のブログの担当は主務の小山彬です。彼と仲良くなったのもいつか忘れましたが、独特の雰囲気とどんな状況でも受け止めてくれる心の広さは自分にとってオアシスのようです。小学生時代は全日本少年サッカー大会でGKとして活躍、中学時代はクラブユースで優秀選手になるなど素晴らしい実績の持ち主であり、稀に練習で見せるボレーシュートはまさにグランパス仕込みです。
そんな彬ですが、部員が見えないところで誰よりもチームのために働く努力家で、早慶戦などの大きな試合はもちろん、チームの運営が円滑に回っているのは彼のお陰です。自分の頑張りを見せたがらない彬ですが、4年ブログでは是非素直な想いを述べてほしいです!彬、よろしく。

《NEXT GAME》
10月27日(水)関東リーグ戦 第15節 vs 駒澤大学
@非公開  17:00キックオフ

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