2024.07.01 部員ブログ
「興奮」(鈴木義仁)
平素より大変お世話になっております。法学部政治学科1年の鈴木義仁です。
中学生までを埼玉県の大宮区で育ち、高校3年間を新潟で過ごした私は、同期や先輩方からの田舎者扱いに日々苦しんでおります。しかし、大宮は全国住みたい街ランキング堂々の2位であり、新潟は……お米が美味しい素晴らしい場所です。
そんな大都会で生活してきた私は、「なんで慶應に来たの?」と聞かれることが非常に多いため、今回は私がソッカー部に入部した経緯について綴りたいと思います。
「高卒プロになれなかったらサッカーをやめる」
これは高校進学時に、私が両親、そして私自身と誓った約束である。大宮アルディージャU15からユースへの昇格が叶わなかった際、この先普通にサッカーをしていたら、プロ選手として活躍することは到底不可能であると感じた。
本気でその夢を実現するのであれば、他の何かを犠牲にする必要がある。
甘え、将来への保険、プライド、その全てを捨て、サッカー選手としてこの3年間に賭けよう、そう決意し帝京長岡高校へと進んだ。
そうして迎えた1年目だが、その決意と約束に、私は思いもよらず苦しめられた。3年間という短い間でプロになるには、周りよりも格段に秀でる必要がある。仲間は全員ライバルであり、蹴落としてでも自分が結果を残さなければいけない。1分1秒、休んでいる暇などない。
そのような切羽詰まった思いで毎日を過ごしていた私は、サッカーが楽しいと思う日などほとんどなかっただろう。「プロ」という目標に固執するあまり、大好きだったサッカーをすることが、逃れられない義務のようになっていたのだ。
当然その状況で上手くいくわけがなく、最終的には怪我で5ヶ月もサッカーから離れるという仕舞いだ。
その後の2年間を語るとブログが非常に長くなるため割愛させていただくが、結局、私は自身と結んだ約束を果たすことができなかった。プロはおろか、TOPチームで公式戦に出場したのは数える程しかない。3年の夏前からはBチームでのプレーを余儀なくされ、選手権の舞台に立つこともできなかった。人間的にとてつもなく多くのことを学べたが、サッカー選手としては惨敗と言えるだろう。
プロになることが非現実的となり、サッカーをやめよう、そう考えていた時。私には1つの感情が芽生えた。
「これで俺のサッカー人生終わり?」である。
プロになれなくても、燃え尽きたと言えるくらいの3年間を過ごすつもりだった。実際に、多くの困難を乗り越え努力してきた自負が少なからずはある。しかし、やり切ったかと言われると、結果・過程共に、自信を持ってイエスとは言えない自分がいた。幼少期からの十数年をサッカーに捧げてきて、その結末が本当にこれで良いのか、という想いが込み上げる。
ただ、プロだけに固執し何かに追われるような思いでサッカーをするのは絶対に嫌だ。とはいえ、プロを目指さないでやるサッカーにはなんの価値があるのか、そんな様々な思考が飛び交うなかで、私は「サッカー」という存在とこの先どのように向き合い、付き合っていくのかを考えた。
結論、私はサッカーを本気で続けるという道を選択した。そしてその決め手となった1番の理由は、私がサッカーで「興奮」したいからだ。
サッカーで興奮するとはどういうことか。
緊張感のある大舞台で、試合は拮抗した状況。スタンドからは仲間の声援が聞こえ、多くの観客がいる。無限に走ることができ、ボールは誰にも取られる気がしない。勝つか負けるか分からないその状況が最高に楽しく、鳥肌が立ちながら全力でプレーする。そして、最後には勝利し、仲間と大声を出して喜ぶ。
その瞬間が大好きであり、そんな試合に勝った時の興奮、それは他の何にも変えられないのだ。
高校3年間の私にはその興奮が足りなかった。だから終わった時に物足りなさを感じていたのだ。私はこの最高の瞬間を1回でも多く味わうために、最高に興奮する舞台に立つためにこのソッカー部に入った。
プロ?将来のため?そんなことは今の私にとってどうでもいい。ただ何にも囚われずにサッカーを楽しむことこそ、今の私が求めていることであり、必要なことなのだ。
しかし、本当の意味でサッカーを楽しむためには、絶対にブレない真の強さ・上手さが必要であり、それに比べたら私はまだまだ未熟で弱い。私はその弱さを確かな強さへと変換し、自身が求める「興奮」する舞台に立てるよう、日々努めていきたいと思う。
最後に、ソッカー部にはピッチ内、そしてピッチ外においても私を高いレベルで刺激してくれる仲間が多くおり、これこそが私が望んでいた環境だと、非常に感激しております。この場を借りて感謝申し上げます。
長く拙い文章でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。今後共、ソッカー部へのご支援とご声援の程、よろしくお願いいたします。
《NEXT GAME》
7月14日(日)関東リーグ戦 第10節 vs 法政大学 @慶應義塾大学下田グラウンド 18:00キックオフ