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2023.10.08 引退ブログ

「憧れ」(板倉秀和)

平素より大変お世話になっております。天風からバトンを受け取りました法学部法律学科4年の板倉秀和です。
天風はよく、第一印象が怖いと言われていますが、実は超が付く程の優しいやつです。
普段は、私服で遊びに行けばダサいと言われ、髪を散髪すれば今回どうしたのと言われ、温泉に行くと帰りは家まで送らされます。恐らく、社会人になった時に1人でも問題ないように教育してくれています。優しいね。また、先日の産能戦では、試合直後にLINEをくれ、ゴールパフォーマンスがまだまだだねとぼやいていました。試合を全部見て連絡をくれたと思うと感激です。
まだまだ言いたいことはありますが、そろそろ終わらないと「いたさん。やっちゃってるよ」と聞こえてきそうなのでこの辺にしておきます。

いよいよ、ブログの順番が来たということはソッカー部生活も終わりが近いことを意味します。毎年この時期の卒業ブログが楽しみでしたが、遂に書き手になってしまいました。書くにあたって先輩方のブログを改めて読むと感慨深いものがあり、かっこいい文章に絶望を覚えています。
さらに、先日リリースされた天風のブログでハードルが上がり、本人からも「俺を超えろ」と煽られましたが、案の定期限ギリギリになり、かっこいいことが全く思い浮かばなかったので、素直な思いを書いていきたいと思います。
たか、ハードルを下げるので安心してね。
お手隙の際に読んでいただけたら幸いです。

この組織に所属してからずっと、憧れは4年生でした。

私が入部を決めた理由は、早慶戦に出場したくて、そして関東リーグの舞台に立ちたかったから。
それに偽りはないし、今でもそう思っている。
でも、本当は自分が空っぽな人間でその穴を埋めるためだったのではないかと思う。
高校受験期にサッカーから離れた際、何者でもない自分に嫌気がさした。学校に行き、なんとなく授業を受けて、帰宅する。それ以外は何もない。サッカーを失ったらこんなにも空っぽな人間になるのだと感じた。
同期には、大学でもサッカーをやるよ。などと言っていたが、それ以外の道に進む勇気がなく、ただただ虚勢を張っているだけだった。
きっと私は、何かになりたくて、自分の人生に何かを残したくて、ソッカー部の門を叩いたのだろう。

入部してから運良くすぐにカテゴリーを上げることができたが、その矢先に3ヶ月の怪我離脱。同期以外は、顔も名前もプレーの特徴も分からない状態で、先輩からは「いつまでお客さん気分なんだよ」と言われる始末。一方同期は、1年から試合で活躍し、私との差は広がるばかり。貢献できていたとすれば、練習の設営、ビデオくらい。いてもいなくても変わらない存在。全く情けない期間だった。復帰後は、何もせずに1年が終わることを恐れ、怪我の期間を何とかして取り返そうと必死に食らいつき、開幕戦までにはスタートラインに立てたかなと思う。
1年の10月。コロナの影響でIリーグがこの時期に開幕した。
開幕戦の前日、私はスタメン組で練習をしていたが、当日スタメンを外された。私の代わりにメンバーに入ったのが、4年の大佐古さん(R3卒)だった。今でも鮮明に覚えている。前日練では、クロス、セットプレーを誰よりも体を投げ出して行っていた。当時は、試合に出場しなければ意味がないと思っており、何故次の日に出場するかも分からないのにここまで魂を込めてできるのだろうかと思っていた。しかし、それと同時に1つのプレーに拘りを持っている姿は、純粋にかっこよかった。試合当日もチームのために誰よりも献身的なプレーをして、慶應を勝利に導いていた。引退する最後の日までその姿は変わらなかった。

今振り返って思う。
あっという間に進む1日の大切さを。
試合だけが、全てではないことを。
最後まで上を目指すことが、どんなにかっこいいことか。大切なことは全部背中で示し続けてくれていたと。
空っぽな俺でもこんな4年生になっていたい。本気でそう思った。

4年
代替わり後、初めての監督とのMTG。
「来年の今日、君たちはサッカーをしていない人がほとんどだ。1日1日を大切に、最後まで上を目指してほしい。その姿がかっこいいから、そこにロマンがあるから。」
1年生の時に感じた思いが改めて蘇った。
ただ、そこに私自身の覚悟がなかったと思う。4年生になれば、自然と覚悟ができ、後輩に何か残せるだろうと勘違いしていたからである。

練習を創るところから始まったシーズン。
最上級生として考えること、ピッチ内外で責任の重さを感じるようになった。自分が自分が、と言っていられる学年ではなくなり、よりチーム全体のことを見なければならない。どんなチームにしたいのかを考え、そこから練習を創る。これまで以上にTOPチームが近くなった瞬間でもあった。加えて今年は特に、TOPチームに上がりやすい年。私自身も何度もそのチャンスはあった。関東のメンバーに入ることもできたが、たかが1試合のみ。それ以降は、TOPチームに上がってもパフォーマンスは普通かそれ以下。チャンスはいつも自分の前に転がっているのにそれを掴めない。この時程自分に腹が立った時はない。そしてIリーグが始まるころには、Bチームでキャプテンマークを巻いていた。
周りからは、今年のプロIリーガーは板倉か、と言われ、すぐTOPチームに上がるよと強がるものの、結果が出ず焦るばかり。
さらに4月に右肩亜脱臼をしたと思えば、6月には試合開始2分で左肩脱臼。みんなから引退第1号と囁かれ、自分でもその未来を覚悟していた。復帰しても次外れれば、その日がおそらく引退の日。考えれば考える程、恐怖で思うようなプレーもできなかった。そんな姿を見かねた監督から、お前には覚悟が足りない、キャプテンマークは巻かないほうが良いとご指摘をいただいた。
全くその通りだったと思う。何かのせいにして、現実から目を背け、試合に、チームに、チームメイトに向き合っていなかった。まだ空っぽな人間をしており、私が憧れてきた4年生の姿とはかけ離れているものだった。
ここで覚悟を決めなければ、何も残らない、そう思った。
そこからは自分を見つめ直し、4年間の印象的な試合を見返した。やはり目につくのは、上級生の姿ばかり。少しでもその姿に近づくために、死ぬ気で向き合うしかなかった。先輩たちの背負ってきたものを自分も背負うために。

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現在Iリーグ8位。シーズン前に掲げた目標からは程遠い位置にいて、苦しい期間が続いている。ここ数試合、失点している原因は間違いなく自分にあるし、みんなには申し訳ないと思う。だからしんの、そろそろ点取ってくれ。期待してる。
去年だったら、大事なところでパネンカを決めてくれる4年生がいた。試合前の円陣で奮い立たせてくれた4年生がいた。他にも頼もしい人たちがいて、最後はその背中に甘えていた。
今度は俺らが後輩にその姿を示そう。今年のメンバーも負けてないし、それができると思う。
直井は、前線で体を張ってボールを収めてくれるはず。
慶人は、相手のボラを潰してくるはず。
Pは、ピッチを駆け回って全てのセカンドを回収してくれるはず。
たかは、誰よりも体を張って守ってくれるはず。
石川は、点が入った時くらいコーナーを獲得して喜ぶはず。
創太は、分析でチームに勝利をもたらしてくれるはず。

残留をかけたこの緊張感は4年間でも中々選手として味わうことができない。だからこそ、全力で楽しもう。そして3勝するよ。そろそろ勝たないと創太が180cm、55キロになるので。シーズン終わったらB飯行こう。ヒデ飯連れていけとしか言わない後輩が多いから。

そして、思い返してみると
1年時、桐横にチャンピオンシップで負け。
2年時、関学に負け。
3年時、中央に負け。
実は負け続けてきました。サッカー人生最後ぐらい、笑って終わりたい。そして関東に繋げたい。ラスト関東に出るために必死に足掻いてもがいてやりましょう。

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この組織に所属してからずっと、憧れは4年生でした。
皆にとって私はどんな存在になれているだろうか。
怪我が多い4年だろうか。ただのうるさいおじさんだろうか。
4年生となった今、自分自身が見てきたかっこいい4年生の姿に私は果たしてなれているのだろうか。
自己評価できる問題ではなく、答えはいつまでも分からない。ただ、これだけは言える。サッカーしかなく、空っぽだった人生に少しだけ意味を持たせることができた4年間だった。

そして最後になりますが、私のソッカー部生活は数え切れない程多くの方に支えていただきました。その感謝の気持ちをこの場で述べさせていただきます。

社会人スタッフの皆様
サッカーの厳しさ、その先にある本気の楽しさ、そして組織と本気で向き合うことを教えていただきありがとうございました。まだまだ至らない点も多々あるとは思いますが、残り1ヶ月半、最後まで責任とプライドを持って戦い続けます。

同期へ
この代で本当に良かった。MTGは量で補う学年で色々あったよね。それも全部優勝するためだと思えば、良い思い出でしょう。
積もる話は、引退してから飲みながらでも沢山しましょう。引退したらすぐ手筈整えておきます。最後に一言だけ。石川から繋いできたバトン。数々の歴戦を潜り抜けてきた4人組です。3人がいたからこそ、頑張れた時もあった。本当にありがと。だけどこれだけは言わせてほしい。このブログの順番。言わなくても分かるよね。そうです。成績順です。

後輩へ
これから色んな壁にぶち当たると思う。時にその壁が大きすぎてモチベーションが落ちることも逃げ出したくなることもあるかな。そんな時こそ、ピッチ外に逃げても答えはない。答えは、グラウンドの上だけ。今はいいやとか、まだ下級生だからの言い訳は後々後悔するから。自分はそこだけ後悔してるので。。。それでも本当に辛くなったら連絡してください。
クーパーの相談ならいつでも日程空けます。クーパーズは早川に引き継ぎで。
残り1ヶ月ちょっと。部室での絡みが足りないなと思ったらいつでもフェンス越しで石川と待ってます。ワンピースとキングダムのネタバレはするけど。永澤、引退しても終わらないからね。
おじさんたち。最後までしっかりプレーするところを目に焼き付けとけ。

両親へ
ここまで何不自由なく育ててくれてありがとうございます。幼少期からやりたいといったものは基本的にやらせてくれて、サッカーをここまで続けさせてくれて感謝しかないです。
特に去年は、毎日4時半起きはきつかったと思います。起きなくても良いよと言っても見送りたいから気にしないでと言ってくれて、どんなに嫌いなランが週に3回あろうとも頑張れる理由の1つでした。
試合があれば、点取ったねとか、ロスタイムに失点するのは何事か、とか気にかけてくれて両親の笑顔のために頑張れています。
色々大変な時期ではあるけど、残り1ヶ月半、サッカー人生最後なので見守ってください。
あと、このブログが出ても内容については聞いてきても答えないのでそこだけはご容赦ください。

捻りも何もない文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回のブログは鈴木隆弘(4年・城北高)です。
彼とは学部、ゼミ、共に同じであり、1年の時から全て同じ授業を履修してきました。いつもテストでは僕が助けてあげましたが、板倉の力は借りてないと言っています。悲しいです。また、4年間怪我をしなかったことから鉄人と呼ばれていましたが、先日遂に怪我参加になりました。と思えば、次の日には部分参加に変わり、また次の日には参加に変わっていました。やはり鉄人です。
ブログで感謝があることを期待しつつ、鉄人の理由も明かしてもらいましょう。たか、頼むよ〜。

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10月15日(日)関東リーグ戦 第17節 vs 神奈川大学 @慶應義塾大学下田グラウンド 14:00キックオフ

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