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2017.11.01 引退ブログ

常に変化し続けよ(渡辺夏彦)

平素は大変お世話になっております。総合政策学部4年の渡辺夏彦です。
公私共に、キレのあるドリブルから相手の懐に入り込むプレーを得意とする竹渕からバトンを受け取りました。竹渕のことは弟の様に慕っています。

実は入学してからこれまで一度もブログを書いたことが無く、このまま書かずに卒業出来るかと思っていましたが、遂にブログを書く日が来てしまいました。筆不精であまり得意ではないですが、この言葉を僕自身に言い聞かせ、そして後輩に伝えるべく、精一杯の思いを込めて書きました。

常に変化し続けよ。

変化することを恐れてはいけない。過去に執着するな。
ソッカー部には「こうしなきゃいけないからこうする」「今まで先輩がそうしてきたからそうする」「これは昔からのルールなんだ」という言葉が充満している様な気がします。
これは危険です。そこに思考と判断が伴っていないからです。
“なぜ”こうしなければいけないのか、”なぜ”先輩方がそうしてきたのか、これがどんな意味を持ったルールなのかを考えるところから始めなければなりません。
それがあって初めて、今しなければならないことを決断するべきなのです。
時にはそれが、過去に積み上げてきたことから変わるかもしれません。
ただ、その決断が考えに考え抜いたものなのであれば、今を生きている僕らが、恐れずに変えるべきなのです。

そしてソッカー部の先輩方もこれまでそうしてきたのだと思います。
慶應の伝統を守る。今一度この意味を理解せねばなりません。
これは先輩が行ってきたことと、ただ同じ行動することではありません。
過去に学び、今必要なことを考え、未来を見据えて行動することです。
これこそが先輩方の作り上げてきた伝統であり、僕ら現役がやらねばならぬことなのです。

先日、三田ソッカー倶楽部がソッカー部創立50周年に製本(1978年発行)した「ソッカー部50年〜風呼んで翔ける荒鷲よ〜」を熟読しました。そこにはソッカー部が設立してからの歴史が生々しく記されていました。
このブログを読んでいる方は当然ご周知のことだと思いますが、天皇杯最多優勝記録を保持しているのは慶應ソッカー部(慶應BRB)です。そして当時日本サッカー界を牽引したのも慶應ソッカー部だと思います。
これを聞くと、多くの人が「実業団チームが出てくる前の”昔話”でしょ」と思うでしょう。もちろんそうかもしれません。しかし、363ページに及ぶこの冊子を読めば、それ以上にソッカー部の「パイオニアスピリット」に惚れ惚れし、ソッカー部が日本サッカーを先導したと言われる所以を理解出来るかと思います。
ここでは一つだけ、松丸貞一さんが書かれたエピソードを要約(一部引用)したいと思います。

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昭和2年、(大学公認の体育会)ソッカー部初代主将に浜田諭吉氏が就任した。
当時の日本にはサッカーに戦術の概念などほとんどない。そんな中、オットー・ネルツ(ドイツ代表初代監督)の著書”フスバル”に目をつけた浜田氏が、これを日本で最初に翻訳した。
学習と練習の時間以外は昼も夜も使徒の冷たい情熱を持ってドイツ語と格闘した。
ソッカー部の戦術、技術、訓練(練習)の理論的基礎はほとんどネルツの書に詰まっているといっても過言ではない。そして当然、この翻訳書が日本サッカー界の進歩に大きく貢献したことは言うまでもない。
蘭学事 始の杉田玄白とでもいうべきであろう。
===

当時恐らく日本で誰も目を付けなかったドイツ語の本に、浜田さんはソッカー部の未来を見出しました。
その翻訳書がソッカー部のバイブルとなり、数年後に形式化され、ソッカー部は日本のトップとなっていったのです。
このパイオニアスピリットこそが、慶應の”伝統”を象徴しているのではないかと僕は思います。

時代を先読みし、主体性を持って”今”を生きる。

これが僕ら現役部員には欠けていると思います。
恵まれた環境に勘違いをしているのかもしれません。
現状維持は衰退です。しかし、現状維持は楽です。
一方、何かを変えようとすれば、膨大なエネルギーと労力が伴います。

これだけ偉そうなことを言っていますが、僕自身がこのことに最近やっと気が付いたのです。
だからこそ、このことを今一度自分に言い聞かせ、そして、後輩に伝えたいのです。
慶應義塾は常に社会の先駆者となる人材を生み出してきました。
僕もそうなりたいし、後輩にもそうであってほしい。

現状に満足するな。ステレオタイプに縛られるな。
未来を捉え、常に変化し続けよ。

今僕らは3節を残して降格圏にいます。この苦しい状態を如何に乗り越えるか。
先輩方もこうした苦しい状況を掻い潜って歴史を作ってきました。
残り3週間で出来ることは限られています。
今すべきは、部員が、特に4年がこの状況に真っ向から挑むことだと思います。
「誰かがやってくれるだろう」が「自分がやってやろう」に変わり、全員が主体性を持って行動すれば、必ず奇跡は起こると信じています。
怖いものなど何もありません。
僕はやります。やってやります。そして”僕ら”にはそれが出来ます。

バトンは矢坂天成くんに渡します。「矢坂くんってクールでかっこいいよね!」って女の子はよく言いますが、あれはクールを装っているだけですからね。あざといので気を付けた方がいいですよ!

《NEXT GAME》
11月4日(土) 関東リーグ戦 第20節 vs明治大学
@三ツ沢公園陸上競技場 11:30キックオフ

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