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2021.09.17 引退ブログ

「いざ百難に試みむ」(新津裕也)

平素より大変お世話になっております。4年間の内、多くの時間を共に過ごした中江瞭介からバトンを受け取りました、文学部4年の新津裕也です。入学時は真面目でインテリキャラだった彼ですが、今では皆に「ぴょんすけ」と可愛いあだ名で呼ばれる程愛されるようになっています。親友として非常に嬉しいです。そして、最後に彼と関東に出る事が1つの目標です。

さて、個人的に部員ブログは今回が3回目になります。1回目は浪人時代について、2回目はTOP昇格について書きました。正直もうネタがなく困っていますが、今回は私がソッカー部の4年間で感じたことを素直に書きたいと思います。拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。

突然ですが、現役部員達に質問です。
「皆はどんな目的を持って慶應に入学し、ソッカー部に入部しましたか?」
そこにはそれぞれ様々な理由があるかと思います。
私が慶應に入学しソッカー部に入部した理由、それは
「プロサッカー選手になりたかったから」
ただそれだけです。小学校1年生の時にサッカーを始めて以来、プロになることが夢で、ずっとそれを追いかけてきました。その為、これまでの進路は全てプロになる事だけを考えて決めてきました。そして、中学時代に私のビジョンは明確に決まりました。
「文武両道の高校に行って、関東大学リーグ所属の大学に進学し、プロになる」
そう決めてからは、ひたすらサッカーと勉強に打ち込み、最終的に関東リーグ所属の慶應に入学しました。浪人という遅れはありましたが、中学の時に描いたビジョン通りに進み、「ここで試合に出て活躍し、プロになる」と、ワクワクしながらソッカー部の練習に参加しました。

しかし、そこである事に大きな衝撃を受けます。それは、「プロを目指している選手が多くない」という事です。正直、大学でサッカーをやるのはプロになる手段でしかないと思っていましたし、関東リーグ所属の選手は皆プロを目指していると聞いていたので、かなり衝撃を受けました。ましてや、実力はあっても「プロに行かない」という選択をする部員がいるなんて、想像もしていなかったです。

プロ志望以外には、「高校で結果を残せなかったから」・「早慶戦に出たいから」・「人として成長したいから」などの理由で入部を決めた人が多いと思います。最初の2つは分かります。しかし、サッカーをやっているだけでどうして人として成長できるのか、当時の私には全く分かりませんでした。

ですが、今年就職活動を始め、多くのOBの方のお話を聞く中で、その理由が分かりました。
ソッカー部では、140人以上の部員がしのぎを削っていますが、試合に出ることが出来るのはたった20人程度です。そこで活躍する為に各々が試行錯誤し、サッカー選手として必死に個人成長を図ると同時に、試合に出られずともチームが勝つ為に何が出来るのか部員全員が考え行動することがソッカー部の義務です。これは、「個人として成長しつつ、企業の利益に貢献する」ビジネスの世界でも同じだと思います。そしてそんな4年間をソッカー部で過ごした先輩方は、ビジネスの世界でも活躍されていることを知りました。率直に、その姿は幼い頃から憧れたプロサッカー選手と同じくらい格好良く感じました。他の部員は当たり前に感じているかもしれませんが、長野県の田舎町で育った私にとって、そんな方達とは今まで殆ど出会ったことがなかったのです。そこで、私のプロサッカー選手への未練は完全になくなりました。ソッカー部での経験は、サッカー以外でも必ず活きると確信したからです。

結局何が言いたいかというと、入部目的はそれぞれ違えど、全部員の義務である「TOPを目指すこと、チーム貢献」の為に全力を尽くす4年間は、サッカー以上に「人間性の成長」を得られるものだという事です。ここで得られる成長は、この先どんな世界でも活きると思います。そんな4年間を過ごしたい高校生には、大学サッカー(特にソッカー部)をお勧めします。

ここまで偉そうに言っておきながら、私自身、2年生の途中まではチーム貢献など一切考えていませんでした。同期のあべしん(4年・多摩大学目黒高)が、選手を辞めて学生コーチになる決断をしてくれた学年ミーティングをきっかけに、少し変わることが出来ました。フィジカル部門に入り、アップを作るところから真剣にチームの事を考えるようになり、そこからやっと下のチームから抜け出すことが出来たのです。前述の通り、ソッカー部ではトップを目指すだけでなく、チーム貢献も部員の義務です。ただサッカーをやっているだけでは試合には出られません。自分のことしか考えていない選手が、試合でチームの為に走れる訳がない、あと一歩出せる訳がない。何よりも信頼が重要なスポーツがサッカーであり、そんな組織がソッカー部だからです。そこに気付かせてくれたあべしん、フィジカル部門に誘ってくれた清水(4年・Sockers FC Chicago Academy/William Fremd High School)、本当にありがとう。

話は変わりますが、そんな私の今のサッカーでの目標は、「地元長野県から大学サッカーに進む選手の目標になる」ことです。現在、サッカー後進県の長野県から関東リーグでプレーする選手は数える程しかいません。受験などの原因もあるかもしれませんが、一番の理由は「長野県からでは通用しない」と、もはや大学サッカーに挑戦する選手が少ないことだと思います。残り数か月、長野県出身で浪人も経験した私が関東リーグで活躍することで、少しでも大学サッカー(出来ればソッカー部)を志す選手が増えてくれたらと思います。そして、そんな選手の為にも、関東1部の舞台を残すべく、残りの試合は死ぬ気で戦います。今までは自分がプロになることしか考えてこなかった私が、他人の為に頑張れるようになったこともソッカー部での大きな成長だと思います。

ブログのタイトルですが、母校である上田高校の校訓で、簡単に言うと「いくつもの困難から逃げずに立ち向かえ」という意味です。多くの困難に立ち向かい、日本一の兵(ひのもといちのつわもの)と呼ばれた真田幸村の精神を受け継いでいます。ソッカー部生活は、これまでの人生で最も困難が多かったです。これ以上苦しいことはこの先ないだろうと思います。しかし、サッカーも、人間性も間違いなく最も成長した4年間です。この4年間でやっとこの校訓の意味が分かったような気がします。だからこそ、これからもこの精神を忘れず、迷った時にあえて困難な選択ができる人間になりたいと思います。

最後に、この場を借りて感謝を伝えさせて下さい。
・同期へ
色々と書いてきたけど、4年間を共に過ごした同期の皆と、ゴールや勝利で喜びを分かち合うことが一番の原動力です。正直、練習も試合もきつくて、「もう走れない」って何度も思うけど、最後は同期の為に、倒れても走ります。あべしんや酒井(4年・慶應義塾高)をはじめ、俺達が選んだ学生スタッフの為にも、最後まで頑張ろう。

・来年からプロになるはしけん(4年・横浜FCユース/希望ヶ丘高)をはじめ、卒業後もサッカーを続ける同期へ
僕はプロという夢がなかったら間違いなくここにはいなかった。夢が人生を創ってくれた。子供達が憧れるような、素晴らしい選手になってほしい。応援しています。東京で試合がある時はトロピカーナを差し入れで持っていきます。また、山田大敬くん(4年・京都サンガF.C.U-18/立命館宇治高)が旅立つ時は、空港まで見送りに行きます。行き先が楽しみです。

・後輩へ
自分に敬語を使う後輩は全然いないし、最近は1年生にもいじられるようになってしまったけど、実は一緒に飯に行った後輩は殆どいないです。色々と落ち着いたら、是非誘って下さい。

・関わっていただいた方々へ
私は本当に運が良くてここまで来ることが出来ました。兄の頃はサッカーが出来る環境がなかった町に、小1の時にサッカークラブを創っていただいたお陰でサッカーを始める事が出来ました。中学では、大学サッカーを目指すきっかけをいただき、最初はチームで一番下手だった私を3年間で強豪校から声が掛かるレベルまで育ててくれました。高校では、大きな出会いがありました。サッカーでは最高の仲間と監督に出会い、最後の選手権ではアルウィンでゴールをとる事が出来ました。そして大学では、いとぺいさん、戸田さん、テソンさん、テジュンさん、髙橋さん、淺海監督といった、素晴らしい指導者の方々に恵まれ、大学最高峰の舞台でプレー出来ています。皆さん本当にありがとうございました。残り数ヶ月で少しでも恩返し出来るように頑張ります。

・両親へ
本当に自由に育ててもらいました。中学の時、無理を言ってクラブチームに行かせてくれてありがとう。片道2時間以上かかる高校に、新幹線で通わせてくれてありがとう。浪人という選択を受け入れてくれてありがとう。大学で上手くいかなかった時も、応援してくれてありがとう。プロサッカー選手という形で恩返しは出来なかったけど、まずは残りの関東リーグ、そして早慶戦で成長した姿を見せられるように頑張ります。そして、これからは社会人として、少しずつ恩返しをしていきます。

長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。今後共、ソッカー部へのご支援、ご声援の程、宜しくお願い致します。

さて、明日のブログは村上哲が担当します。生粋のいじめっ子です。目が合うと必ずヘッドロックをしてきます。正直かなり嫌です。やめてほしいです。そんな彼とは、毎日のように一緒に電車で帰っているので、実はすごく仲良しです。いつもゲームばかりしてふざけている彼が、最後にどんな想いを伝えてくれるのか、楽しみです。

《NEXT GAME》
9月19日(日)関東リーグ戦 第16節vs順天堂大学
@味の素フィールド西ヶ丘  14:00キックオフ

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