お問い合わせCONTACT
MENU

BLOG

部員ブログ

背景

2018.10.19 引退ブログ

雪に耐えて梅花麗し(北川直樹)

北川平素より大変お世話になっております。志木高から唯一の同期である河原からバトンを受け継ぎました、経済学部4年の北川直樹です。
河原とは入部当初、厳しい練習に圧倒されながらも「ひとまず今週いっぱいは頑張ろう」と、自分の大学4年間をどこに捧げ、より濃いものにしようか、悩みながら励まし合いながら、帰途についていた事をとても懐かしく思います。
さて、今回が最後のブログという事で、自分の大学4年間を振り返りつつ、今思う事を素直に綴ろうと思います。長文にはなりますが、最後までお付き合い頂けますと幸いです。

4年間を振り返ると多くの思い出が蘇ってきます。陸上部なのかと勘違いするほど走らされた入部当初、初めての公式戦、深夜まで分析作業に取り組んだリサ部屋での日々、何時間もやった毎日ミーティング、そしてサッカーの奥深さを知れたラストイヤー。
多くの方々との出会いにも恵まれ、とても刺激的な4年間を過ごす事が出来ました。
私が1年生であった当時、引退される4年生が「ソッカー部はサッカーだけでなく、ひとりの人間として大きく成長できる場所なんだ」と何気ない会話の中で仰っていましたが、今になりようやくその意味を理解する事が出来た気がします。
こうした経験を通して、達成感や充実感を感じる事があった反面、その何倍もの悔しい事がありました。

グラウンドが使えず、ゴール裏での練習を余儀なくされた事。
紅白戦を横目に何本も走る一周走。
劣等感を抱く事は多くありましたが、そうした経験があったからこそ、初めて出場したIリーグはとても感慨深いものでした。

また、選手としてだけでなく、リサーチとしても多くの悔しさと、そして興奮、感動を味わう事が出来ました。
リサーチ就任当初、夜遅くまで先輩方と議論を重ねて行う対戦相手の分析は、費やす時間の割にチームにとって有益となっていないと感じました。自分達を信用し、熱心に作成した資料を読み、聞いてくれる選手もいれば、そうでない選手もいたからです。
何故、ここまでして作り上げる分析に聞く耳を傾けてくれないのだろう。
当時はそう感じ、悪いのは聞く耳を持たないトップの選手の方だと、いつしか本質を忘れ、作業を淡々とこなすようになる事もありました。
しかし昨年、チームの降格を目の当たりにした時、この考えは間違っている事に気付き、大きな後悔に襲われました。
聞く耳を持たないトップの選手が悪いのではなく、聞かせてくれと思われるような分析を行えていない私達に責任があるのです。
そうした後悔から、リサーチ班こそ慶應の強みだと言われる様、人見さんや冨田監督、SFCの教授である永野さんのご協力のもと、データ分析を手がけるデータスタジアム株式会社から「分析とはなにか」という事から、プレゼンの伝え方に至るまで、半年間講義を受け、少しずつではありますがリサーチも変化、今では自信を持ってチームに有益となる分析を届ける事が出来ている自負があります。
先日の早慶定期戦、アミノ杯での早慶戦では、関東1部リーグを戦う早稲田大学の前期全11試合を何度も何度も見返しては、早稲田の狙いを分析しました。結果こそ勝利を収める事は出来なかったものの、「これで負ける気がしない、最高の発表だった」と多くの選手から言ってもらえた事は凄く嬉しかったですし、実際に分析した事が現象として多く表れる試合には、選手としてプレーする喜びとはまた違う、これまで味わった事のない興奮を感じる事が出来ました。迷惑をおかけする事も多くありましたが、自分達の主体性を買っていただいた人見さん、冨田監督、永野教授、そして何でも相談に乗ってくださったリサ部屋の先輩方、同期、そして頼りある後輩にはとても感謝しております。

こうして振り返ってみると、文章には書ききれない程の素晴らしい出会い、経験をする事が出来ました。選手として、本気でサッカーの出来るラストイヤーである今年には、私がサッカーを始めるきっかけとなった日韓W杯で、4試合にフル出場し日本の初の決勝トーナメント進出に大きく貢献された戸田和幸監督の指導を受ける事が出来ました。

「思考を止めるな。常に頭を働かせ続けろ」

これは初めて指導を受けた日に、戸田さんが仰っていた言葉です。当初、勝手なイメージから、練習は対人メニューが多く激しいものだろうと予想していた私でしたが、実際は正反対のものでした。

練習時間の何倍もの時間を費やし考え抜かれたトレーニングメニュー。
練習や試合を通じて浮かび上がった個々の課題を、動画と共にメールでアドバイスを送る徹底ぶり。

例を挙げればキリがなく、解説業もされる中で、一体どこにそんな時間があるのかと思うほど、半端ではない熱量を注いでいただきました。
14年間のサッカー人生で、この監督の為に勝ちたいと、ここまで思えた事はありません。
だからこそ、身体的にも技術的にも優れる相手の多いIリーグ1部の舞台で、思考を巡らし、チームとして意図的にボールを保持しながら狙った事をピッチで表現出来た事、そして勝利を収める事の出来た流通経済大学との一戦では、とても大きな喜びを感じる事が出来ました。
しかし、残念な事にチームは今、残留か降格かの瀬戸際に位置しています。
どれだけ素晴らしい1年を過ごせたと思っていても、結果が全てと言えばそれまでです。
内容では勝っているように思えても、結果がついてこない、そんな悔しい思いはたくさん経験しました。
だからこそ、残り2戦、勝って残留を決める事が出来たのならば、その時の喜びは計り知れないものでしょう。
最後の最後で怪我を負い、プレーする事が出来ない事は大変悔しいですが、自分に出来ることを最大限行い、必ずや残留を掴み取って喜びを分かち合いたいと思います。

最後に、ソッカー部は今、大きな変革期にあるように思います。
私が入部した年には100人ちょっとであった部員数も、今では174人になりました。
長く部員から恐れられてきた粗相制度もなくなり、ミーティングの回数もかなり減ったと思います。
正直、部員数がこれだけ多くなる中で、目に見えたルールがなくなる事は、チームを良い方向にマネジメントしていく上で、難しい選択だと思います。
ただ、大切なのはチームが強くなる為に考え抜いて実践していくことです。
数々の偉大な先輩方が残していった伝統は多くありますが、ただそれをそのまま引き継ぐのであれば、時代に取り残されてしまいます。
まさに、「思考を止めるな。頭を働かせ続けろ」です。

リサーチの方法だって同じです。今年大きな変化を遂げることが出来ましたが、受け継いでいくべき良い伝統もあれば、変化させていくべき事もあると思います。その際はどんどん「こうあるべきだ」と思う方向へ挑戦していって下さい。

拙い文章となりましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次は、ラストイヤーを共に過ごす事の多かった山村桂介です。一見クールに見えて、内に秘める思いが熱いヤマ、どんなブログを書いてくれるのか、ご期待ください。

《NEXT GAME》
10月21日(日) 関東リーグ戦 第17節 vs関東学院大学
@青山学院大学グラウンド 14:00キックオフ

WHAT'S NEW

新着情報