2023.04.01 部員ブログ
「逆襲の荒鷲」(山本献)
2022年12月3日。ブリオベッカ浦安競技場。
残り2分、自身が与えたCKからの失点。
あの瞬間は瞳の奥に鮮明に刻まれている。
関東リーグ3部への降格を意味するホイッスルが吹かれ、2年連続の降格が決定した。
その時、込み上げる涙が溢れる前に映ったのは、後輩たちが泣き崩れる姿だった。
上級生として、後輩たちにここまでの想いを背負わせてしまっていたのだと自覚し、申し訳なさと情けなさで心がいっぱいになった。
2年時に、1部から2部への降格を経験した際、先輩方に掛けられた言葉
「慶應を勝たせる選手になれ。」
これを実現するために1年間闘ってきた「つもり」だった。
しかし、個人としてもチームとしても結果を出すことができず、2年生の時から何も変わっていなかった。
何故あの時もう一歩寄せなかったのだろう。
俺がもっとリーダーシップを取れていれば。
もう一度、あのピッチに戻ることができれば。
後悔を挙げればキリがない。
これまで自分が積み重ねてきた3年間の「過去」はいくら嘆いても戻って来ることはない。
結果を覆すこともできない。
「未来」の結果だって、誰一人として予見することはできない。
昨シーズン前期、上手く波に乗り、1部昇格に向けて順調に勝ち点を重ねている時、降格することは誰も知らなかったように。
だからこそ、俺はこの1年、「今」に拘り抜きたい。
後悔したくないなら「今」できることをやる。
変えられない過去があるなら、「今」この瞬間から次に進む。
自身にとっては大学サッカー最後のシーズンであり、チームにとっては復活の狼煙を上げる最初のシーズン。
重要極まりないこのシーズンで、俺は主将として、また100年近く続く組織の最上級生として、後輩たちに何を残せるだろうか。
考え続けた結果、最後には同期で定めた3つの行動指針、
「先頭を走る」「合理的ハードワーク」「自己と仲間の成長を追求する」
これを体現し続けて、背中で魅せることしかないと結論付けた。
1つの試合、1日の練習、1回の球際、1本のパス、1歩のラン。
妥協することなく、拘り続ける。これが、俺がこれまで見てきた先輩たちの背中だ。
受け継いだ魂を体現し、「今」に全身全霊を注げ。
覚悟を決めて慶應義塾体育会ソッカー部の門を叩いた者であるならば、全員がチームに必要なことを考えろ。
想いを背負って目の前の1試合に全てを懸けて闘え。
どんな敵にも勝利して全力でガッツポーズしろ。
それがソッカー部の魂なのだから。
1年間、上手くいくことも苦しいこともあるかもしれない。
それでもその結果に一喜一憂せず、隣にいる仲間と自分たちのソッカーを信じて貫き通そう。
そして全員で必ず、「3部初代王者」を達成しよう。
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平素より大変お世話になっております。
今年度、主将を務めさせていただきます、商学部4年の山本献と申します。
関東リーグ開幕を目前に控える今、現在の自分の気持ちを率直に綴らせていただきました。
関東リーグ開幕戦、チーム全員の総和で必ず「下田」で勝利を飾れるよう最高の準備をします。
開幕戦のプレッシャーをワクワクに変え、声援や期待をエネルギーに変え、慶應に関わる全ての人の心を動かせるような慶應らしい闘いをします。
応援宜しくお願い致します。
今後共、ご支援ご声援の程宜しくお願い致します。
《NEXT GAME》
4月2日(日) 関東リーグ戦 第1節 vs 共栄大学 @慶應義塾大学下田グラウンド 14:00キックオフ