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「虎の巻 “森友紀編”」(森友紀)

2022.11.07

平素より大変お世話になっております。今年度、選手兼学生トレーナーを務めさせていただきました、環境情報学部4年の森友紀です。

廣田紹介ありがとう。1年生の時からSFCで彼だけ自分たちと群れることなく独自のコミュニティを創り上げています。相当尖っているんだな、というのが第一印象です。そんな彼とは今ではピッチ内外を共にする良き友です。巷では話が長い、余計な質問をするなどと噂されていますが、私はそうは思っていません。この話、この質問にはきっとこういう意図があるんだな、と自分なりに解釈をして聞いています。廣田節、すごく良いと思います。
あ、ブログは長かったです。

さあ、本題に移りましょう。ソッカー部の卒業ブログです。ついに自分が書く時がやってきてしまいました。毎年先輩方が書いてくださった文章は、どれもユーモアがあり面白く、今までの熱い想いや私たちへのメッセージが記されています。言わばソッカー部の虎の巻です。私はこの虎の巻を大いに参考にして4年間やってきました。私もこの文章を読んでくださる方々に、何かを伝えられたら良いなという思いで精一杯書きたいと思います。最後までお付き合いいただけますと幸いです。

この4年間を振り返ると、様々な出来事や感情が走馬灯のように蘇ってくる。それだけ濃密な4年間だった。総じてこれからも自分の人生の土台となるであろう学びがとにかく多かった。今回は、選手としてと、1人の組織の人員、学生スタッフとして考えていたことを書こうと思う。

まずは選手として。最も大事にしていたことは、目標を持ち続け、毎日それをお風呂の中で唱え、そして、目標を達成している自分を想像し、それを達成するまで絶対に諦めないことだった。

入部当初、1番下のカテゴリーであるDチームに所属していた。みんなのような強豪チームでサッカーをしたことはなく、幼稚園、小中高とそれなりのチームでサッカーをしてきた。その中で常に1つ2つ上の学年の試合に出させてもらい、主将や副将を務めるなどの良い経験を、特に努力や苦労もせずにしてきた。そんな自分にとって、1番下のカテゴリーでサッカーをすることは今思えば当然のことだが、当時は受け入れ難かった。本当にTOPチームに上がれるのかと思う反面、どうせすぐ上がれるだろうという慢心もあった。そんな中初めて早慶戦を見た。大声援の中、必死に戦う選手たちを見て憧れを感じた。いつか自分もTOPチームに上がって早慶戦に出場し、自分がゴールを決めて勝利する、という目標ができた。それからはより一層、強い気持ちでサッカーに取り組んだ。

1年生の夏にCチームに上がることはできたが、それからカテゴリーが上がることはなく、1年目はCチームでシーズンを終えた。

もっと早くCチームに上がれたなとか、Cチームに上がってからもほとんどスタメンだったから、もしかしたら来年にはTOPチームまでいけるかも、なんて安易な思いを持っていた。と同時に、1つの不安もあった。それは、大学サッカーでは高校まで通用していた自分のフィジカルが通用しないということだった。当たり負けするし、体力も落ちているように感じたし、足も遅くなった気がした。自分の武器だと思っていたものが全て通用しないことに焦りを感じていた。

そこで1年目が終わってから、ジムに通うことにした。これが今の自分にとって非常に大切なターニングポイントだった。

筋トレは高校生の時もやっていたが、その時はサッカーに必要な筋肉などは考えず、とにかく見せる筋肉だけを我流でトレーニングした。その結果、身体はどんどんでかくなり、足がどんどん遅くなった。すごく後悔した。みんなも気を付けて。
そんな失敗もあり、ちゃんとしたジムに通い出してからは毎日が楽しかった。プロのトレーナーの方がメニューを個別に組んでくださり、それをこなしていく日々。どんどん扱う重量が重くなっていくと同時に、強くなったんだと実感する日々。1週間毎日通い、2部練の間の時間にも行っていた時もあった。

しかし、全てのIリーグにスタメンで出場しながらも、思うような結果を出すことができなかった。当時はFWやシャドーをやっていたが、得点することはもちろん、チャンスを作ることもできなかった。Bチームで迎えた3年目も同じような状況だった。試合には出させてもらえたが、結果が出せない。しかし、2年目と大きく違うところは、周りの選手がTOPチームに上がったり、頻繁にTOPチームの練習参加をしていたということだ。いつか自分にもチャンスが来ると思いながらも、どうしてあいつが、俺の方が良いだろ、と思うことがあった。邪念だ。

しかし、そんな邪念はすぐに取り除いた。ベクトルを自分に向け、自分を信じた。
Everything happens for a reason.
「何事にも理由がある」
この言葉が頭をよぎる。
何故自分は選ばれないのか、足りないところはどこだ、チーム、自分に求められていることは何か、必死に考え行動した。
自分を信じられたことにも理由があった。それはジムに通い続けていたことだった。俺はジムに行って身体作りをしている。それだけは誰にも負けない、他の人より追い込んで、強くなっている。継続していたからこそ思えた。これはいつか結果として表れてくれると。だから結果が出ない時や調子の悪い時にこそ、ジムに行くようにした。自己肯定感が高まるからだ。気付けば自分にとってジムが、憩いの場のようなものになっていた。

すると、3年生も終わりに近づいてきた頃に、初めて参加したTOPチームの練習でチャンスを掴み、その後関東リーグに出場することができた。中継ぎの廣田に代わり、抑えとして2分間の出場だけだったがすごく嬉しかった。

それから、早慶戦に出場し、自分がゴールを決めて勝利するという目標がより現実的になったことで、お風呂の時間が少し長引くようになった。何度ゴールした自分の姿を想像したことか。何度鏡の前でゴールパフォーマンスの練習をしたことか。。

結局4年目の早慶戦はメンバーには入ることができたが、出場することなく試合終了のホイッスルを聞いた。この瞬間、自分の大きな目標は達成できずに終わってしまう。4年間、このために頑張ってきたからすごく悔しかった。しかしそれと同時に、自分の努力が足りなかったんだ、もう2度とこのような経験がないように、次は抜かりない努力をしようと切り替えていた自分もいた。あのお風呂での時間、サッカーの練習をしていたら早慶戦に出られたかな、、?

冒頭に書いた選手として最も大事にしていたことを実行して、目標達成できてないやん、と思った人がいるはず。そう。今になって、もっと他に大事にするべきことがあったと思っている。ただ、この4年間で調子の良し悪しはあったが、調子を落とし続けるとか、モチベーションが下がるとか、そのようなことは一切なかった。それは間違いなく、これのおかげだ。自分のなりたい姿、憧れの姿を毎日思い浮かべることは、自分を大きく助けてくれたんだと改めて思う。

次に、この組織の一員、そして学生スタッフとして考えていたことを書く。
組織をより良くしようと考え続けること。そして、これは監督がよくおっしゃっていることだが、経営者視点を持つこと。これらが非常に重要なことだ。このソッカー部は学生主体であるし、学生一人ひとりが組織を構成している。そんな学生主体の組織にも監督をはじめとする、社会人スタッフの方々がいらっしゃるが、誰がリーダーなのか。主将か、主務か、グラマネか、学生スタッフか。私はこの組織に属する一人ひとりがリーダーだと思う。というより、リーダーにならなければならないと思う。いくら主将や主務などが、経営者視点を持って様々な施策を組織に対して講じても、経営者視点を持たない人にとってはその施策の真意が分からず、結局組織としてあらぬ方向に行ってしまう可能性があるからだ。

例えば、今年で言うとコロナ禍において、学生スタッフ中心に様々なルールを設けた。それはこのソッカー部が特に問題なく活動が続けられるようにするためであったり、大きく言えば慶應という看板に泥を塗らないためのものでもある。経営者視点を持たない人は、このルール設定に隠れた背景や狙いが分からず、不満をこぼしたり、さらにはルールを破ったりしてしまう。経営者視点を持っていればそんなことにはならないはず。

では、実際に組織をより良くしようとした時に、私が考えていたことは、伝統と改革についてだ。組織をより良くするためには、現状維持は衰退というように、成長し続けなければならない。そこで出てくるのが、伝統と改革。伝統とは、あるコミュニティで受け継がれてきた風習、技術、思考などのこと。つまり偉大な先代の方々が残してくださった、選りすぐりの知恵だ。受け継がれてきたことには理由があるし、重要だから残っている。
ただ一方で、組織をより良くするには時代や環境、属する人たちによって変化させなければならない。これが変革にあたる。例えば、昨今ハラスメント系にはより一層敏感になってきているが、それでも先輩が後輩に強く接するとか、仕事を一方的にさせたりする組織が良い組織と言えるだろうか。緊急事態宣言中などのコロナ禍のピーク時において、会食や外出を許している組織が良い組織と言えるだろうか。

大切にしてきた伝統を残しつつ、変革も行う、その塩梅が非常に難しい。私たちが1年生の時には、仕事集中のルールがもっと厳しかったし、4年生とのキョリはもっとあったと思う。決してこれらが良くない慣習だ、と言っているわけではない。しかし現実として、今そのようなルールはないし、そんな慣習も格段に薄れてきている。仕事集でのこのルールは本当に必要か、下級生と上級生とのキョリはもっと近い方が良いのではないか、そんなことを私たち含め、ここ数年の先輩方が感じてきたからこそ変わってきているものだと思う。まさに時代や環境に合わせて変革している素晴らしい事例だ。しかし、この変革が良い影響しか与えない完璧なものではなかったと思う。先輩とのキョリが近くなり、コミュニケーションも取りやすい。縦の繋がりもより一層見えてきたことは非常に良いことだが、それ故どこか厳しさは感じなくなってきた。だから今年で言うと、粗相が頻発してしまったり、組織としての綻びが出てきたのだと思う。偏にこれにもっと早く気付いて行動することができなかった私や4年生の責任だと思う。

そして組織を構成している人たちを知るために、私は人の思いを大切にしてきた。特に130人程、大人数が在籍しているソッカー部のような組織では、人の思いを大切にすることは難しい。十人十色でそれぞれが個別具体的な感情、背景を持っている。それを1つにまとめて組織として同じ方向を向かせて活動していくことは当たり前のように見えて、至難の業だ。しかし実際問題として、組織として何か1つに決めなくてはいけないことは沢山ある。目標決めや、学生スタッフの選出などはまさにそれだ。そこで用いられる方法として民主主義的な多数決がある。この多数決で決めることは果たして良いことなのかと常々思う。例えば主将を決める時に、Aさん派が50人、Bさん派が49人で多数決によりAさんを主将することに決まったとする。ではBさん派の49人が今後の活動において同じ方向を向いてくれるだろうか。中にはいるだろうが、全員がそのようになることは難しい。そこで大切にしていたことが「納得感」である。多数決である程度決めるのは仕方ないが、しっかり反対派の人たちとも話をして、彼らの話を聞き、解決策を見つけたり、落とし所を考えたりすることが重要だ。この行動そのものが全員で同じ方向を向いて進もうという意思表示でもあり、それが納得感を生む。そして一体感を生む。この話し合いなしに進めていくと、いつか大きな亀裂が生まれるだろう。大所帯になればなる程、人の思いを大切にすることが難しくなってくるが、このソッカー部なら絶対にできる。最も一体感のある強い組織をこれからも創り上げていってほしい。

長々と書きましたが、要は選手としても組織の一員としても、ベクトルを自分に向け続け、自分が何をするべきか、何ができるのか、思考を止めないでほしいということです。ソッカー部には、サッカーをする環境だけでなく、多くの人との関わりや伝統など、学べるものは多岐に渡って存在します。もちろんサッカーでプロになっていった偉大な先輩方も多くいらっしゃるこのソッカー部では、とにかく刺激が多いです。この4年間で何を学ぶかは人それぞれで良いと思います。後輩たちには存分にソッカー部を味わってもらいたいです。

こんな堅苦しい文章を書いて驚いている人がいるかもしれません笑
沢山考えました。普段は普段で嘘偽りないです。笑
こんな一面もあったんだと思っておいてください!

最後になりましたが、この場をお借りして感謝を伝えさせていただきたいです。

社会人スタッフの方々へ
非常にお忙しい中、誰よりもソッカー部にご尽力いただき、また私たちと真剣に向き合ってくださり、ありがとうございます。未熟だった私も、社会人スタッフの方々のお陰で少しは成長できたと思います。ソッカー部での学びや感謝を忘れず、これからも成長していきたいと思います。

同期へ
沢山笑わせてくれてありがとう。刺激を沢山くれてありがとう。色々あったけど、同期であることを忘れないでほしい、なんて言ってないけど、大好きです。必ず残留させよう。

後輩へ
僕からのメッセージは散りばめました。全て僕個人の思いなので鵜呑みにせず、残りのソッカー部生活を実りあるものにしていってください。

両親へ
まずは3歳の時から今まで、何不自由なくサッカーを続けさせてくれてありがとう。年々両親の偉大さを感じてきています。サッカーの応援に来れば、もっと走ってとか、もっと強いシュート打てないの?とか、すぐには変えられない能力的なところを言われ、苛立ちを隠せない時がありましたが、後々冷静になってから、第3者から見るとそこが足りないところなのかと内省し、貴重な意見として参考にしていました。もっと成長しようと思えた原動力でした。少しずつ恩返ししていきます。

サッカー人生の大きな区切りです。今まで関わってくださった方々に感謝を申し上げます。ただ、これからの人生はまだまだ続きます。新しい夢に向かって、さらに頑張っていきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

次回のブログは主務の宮本景(4年・同志社高)です。
この部活の心臓です。彼なしにこの部活は成り立っていません。普段は面白い?ギャグで笑いをドッカンドッカン取っていきます。そんな彼が抱いてきた思いや苦悩の一角を私は見てきました。その全てを、得意の関西弁で赤裸々にこのブログで熱く語ってくれると思うと、非常に楽しみです。

《NEXT GAME》
11月12日(土)関東リーグ戦 最終節 vs 日本体育大学 @日本体育大学横浜・健志台キャンパスサッカー場 11:00キックオフ

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