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「change before you have to〜変革せよ、変革を迫られる前に〜」(小林蓮)

2022.11.02

横幕紹介ありがとう。彼はコーチングスタッフの中で一番弱音を吐きまくる人です。パッと見のスタンスはダサすぎるのですが、実際はほとんどのことを完璧にこなして、誰よりも努力している珍しいタイプです。このギャップが彼のかっこよさなのかもしれません。あと足が速い。あんまり褒めると調子に乗るので、慈英は早く彼の縦突破を封殺してください。

初めてブログを書きます。この組織に指導者として入部した僕には、劇的なストーリーも、笑いを取れるようなエピソードもないので、自分の想いを書かせていただこうと思います。最後まで読んでいただけたら幸いです。

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「change before you have to〜変革せよ、変革を迫られる前に〜」

4年前。高校サッカー終了の笛が鳴り、僕はサッカーを辞めました。高校3年間のほとんどを怪我のリハビリに費やし、プレーができたのは半分もなかったような気がします。
未練が残りました。初めてボールを蹴った瞬間を覚えていない程幼い頃から、積み上げてきたサッカー人生で何一つ結果を残せなかった。
大学サッカーに挑戦し、この未練を晴らす選択肢もありました。ただ一方で、自分の身体と実力を客観的に評価した時に、自分にその選択肢を選ぶだけの体力は残っていませんでした。大好きなサッカーを何か得体の知れない大きな力で辞めさせられたような、そんな感覚だったことを覚えています。
それでも何とかサッカーにしがみつきたかった。辞められなかった。
僕がその時に選んだのは指導者の道でした。

正直、人に何かを教えることが好きだったわけではありませんでした。誰かを陰でサポートすることにやりがいを感じられるわけでもありませんでした。しかし同時に、自分がサッカー人として存在意義を見出せるのはこのポジションしかないという確信もありました。仮に選手を続けたとしても、いずれ大きな変革を求められる瞬間が来るだろうと。その未知の壁にぶつかる覚悟をして、選手の道を突き進む決断も尊いものだと思います。しかし、その時の僕にはそれ以上に大切にしたい価値観がありました。
「change before you have to」
サッカーと自分との間にあった選手という立場が指導者へと変革した瞬間でした。

僕が最初に指導させていただいたのはSFC中高の女子サッカー部でした。自分にはもったいない環境だったと今でも思います。レベルこそ高くはないものの、格上の相手に勝つことを目標にひたむきに努力できる素晴らしい選手が揃っていました。だからこそ、勝たせてあげられないことが本当に情けなかった。これまで自分が選手として積み上げたと思っていた戦術的思考や、組織をマネジメントする事に対しての覚悟、全てが浅く、未熟でした。
自分にできる事は学ぶことだけでした。指導者ライセンスを取得し、沢山の講演会で話を聞き、本を読み漁りました。特に戸田さんから教わったこと。サッカーの解像度が少しずつ上がっていきました。
そして勉強をした事でふと思ったことは、自分が選手として諦めた大学サッカーのステージに、指導者としてなら立つことができるかもしれないということです。1度諦めた世界、それでもサッカーにしがみついて必死に勉強したことで自分で道の入り口を作り出せたようなそんな感覚でした。当然迷いました。自分には指導できる環境があり、それを求めてくれる選手がいて、まだまだ教えたいことが沢山あった。この環境を捨てて、新しい挑戦をすることが自分にとって本当に幸せなことなのか、その時には答えを出すことができませんでした。ただ間違いなかったことは、変革は今しかできないということ。それが幸せかどうかは、その後の自分の行動で変えられることでした。なら今決断しよう、変革しようと。
「change before you have to」
自分の立つピッチが大学サッカーの世界へと変革した瞬間でした。

僕の入部当時はソッカー部に指導者として途中入部をするという前例がなく、学生コーチという役職はありませんでした。そんな中、淺海監督は新しい風を吹かせてほしいと入部を許可してくださいました。自分がこの組織に吹かせられる風とは何か、どんな変革をもたらせるか。正直この問いには未だ答えることができていません。この部に入り、自分の中の指導の概念が変わり、サッカーの捉え方が変わりました。しかし、そんな自分の中に起きた変革も、必要に迫られたものばかりだったような気がします。日々のトレーニングの中で沢山の失敗をして、試合に負けて初めて気付いたこと。監督に叱られて初めて意識にのぼったマネジメントの甘さ。どれも自分の中に苦い感情を残して強く迫られた変革でした。
組織に対しての変革は尚更だと思います。4年生になった今、引退を間近に控えて自分がこの組織にもたらした変革を明確に説明できません。特に今の4年生。令和元年の代として、変革を求められ続けてきたと思います。恐らく誰もがそれを分かっていて、変えられなかった。もっとやれたことがあったんじゃないかと後悔が残っています。
悲観的なことばかり書いてしまった気がしますが、今の自分の現在地がそこなんだと思います。この歴史あるソッカー部という組織の中で、明確な存在価値を証明できると意気込んで途中から無理矢理門を叩き、それを受け入れてもらって尚、証明できたものは微々たるものだった。1つの挫折です。ただ、その挫折を味わえたのは大学サッカーへの挑戦を決断した過去の自分と、それを受け入れてくれた全ての人のお陰です。今のこの感情と、これまでの経験があれば、この先に待つ新たな勝負の世界にも、強いプライドを持って挑むことができる。そのプライドを糧に今後も変革し続けたいと今は思えています。

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最後にお世話になった方々にお礼を言わせてください。

SFC女子サッカー部の皆
このブログを読んでくれているかは分かりませんが、皆にはお礼を言いたいです。初めて指導したのがこのチームで本当に良かった。僕にサッカーを教えるとは何かを教えてくれたのは君たちです。そして途中でチームを抜けることになってしまって本当に申し訳なかったです。教室でソッカー部に行くことを皆に伝えた時の光景は鮮明に覚えています。あの時に覚悟が決まりました。色んな感情を飲み込んで、僕の決断を肯定してくれた皆を裏切るような振る舞いは絶対にできないと、その想いが原動力になって幾つもの辛い出来事を乗り越えることができました。本当にありがとう。

選手の皆
僕がサッカーを辞めたその時に、選べなかった困難な選択をして、選手として大学サッカーの門を叩いた皆を本当に尊敬しています。だからこそ沢山の要求をしました。今シーズンは同期も含めて厳しいことを言いまくったと思います。(そこで伝えたかったほとんどのことは昨日の横幕のブログに書いてあったのでそれを読んでください。)それでも僕を指導者として受け入れてくれたこと、本当に感謝しています。ありがとう。僕らにはあと2試合、関東リーグという素晴らしい舞台が残っています。僕はこの2試合に全てを懸けます。でも、やるのは皆です。僕にはもうピッチでこの想いを表現する術はありません。どれだけの想いがそこにあっても、綺麗事では介入できない勝負の世界です。選ばれた者が立てるその舞台を存分に楽しんで欲しい。必ず勝とう。

マネージャーの皆
僕らがサッカーに熱量を注げるのは、その土台を作ってくれた皆がいたからです。いつも中々愛想良くできないけれど、本当に感謝しています。ありがとう。

スタッフ部屋の皆
僕が今こうして卒業ブログを書いているのは半分くらいは皆のおかげだと思っています。キツすぎると思って隣を見るともっとキツイ人がすぐ隣にいて、その人は平気な顔してるこの環境に、刺激を受けては救われていました。ソッカー部に入って、皆と出会えて本当に良かった。三浦の結婚式は絶対皆で行こう。

両親
20年近くサッカーを続けてきて、ようやく終わりが見えてきています。全てが終わったら、感謝を伝えさせてください。

サッカー人生、沢山の決断をしました。指導者になったこと、ソッカー部に入ったこと、その決断をして良かったと今すぐに言える程、甘い生活ではありませんでした。正直辛いことばかりでした。それでもその決断の先に今の僕がいます。今の僕にしか、あの時の決断を肯定することはできないのです。
大事な仲間と出会えたこと、絶望を経験したこと、歓喜を味わったこと、全部サッカーが僕にもたらしてくれたかけがえのないものです。僕の人生に、サッカーがあって本当に良かった。
僕をサッカーに出会わせてくれた、没頭させてくれた、見守ってくれた全ての人に感謝します。

明日のブログ担当は三浦竜佑(4年・慶應義塾高)です。
僕が知る限りで誰よりも熱い指導者です。三浦のことが大好きな人は多いと思いますが、僕もその1人です。特にコーギーみたいなお尻が好きです。
ここまで読んできた同期のブログの中にも数々の名言を残してきている彼が、最後にどんな言葉を綴るのか楽しみです。

《NEXT GAME》
11月6日(日)関東リーグ戦 第21節 vs 東海大学 @非公開 14:00キックオフ

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