オフィシャルブログ

「たかがサッカー」(松本雄太)

2021.10.20

平素より大変お世話になっております。鈴木一弘から卒業ブログのバトンを受け取りました、商学部4年の松本雄太です。

自作自演のシュートブロックが一級品のカズは、よく皆から偽善者だと言われていますが、そんなこと僕は思っていません。とにかく真面目で、相談にも親身に乗ってくれて、的確なアドバイスをくれます。コロナの自粛期間は特に彼に助けられました。ありがとう。また彼は、カメラを向けると面白いこともしてくれます。ドイツや大阪でのカズの写真・動画が沢山携帯に残っていますが、消そうか迷っています。
カズとの話はこの辺までにして、早速ブログに移らせていただきます。

最近新しい発見がありました。
首の位置を正すことで、背中のストレッチ感が高まり、その後の腹圧のトレーニングがしやすくなるのです。
大学に入り、グロインペインを患ってから、毎週初めに、必ず腹圧のトレーニングをやっています。腹圧が抜けると僕の場合すぐに体が壊れるので、いわゆる体幹トレーニングは欠かせません。腹圧を高めると同時に、広背筋も上手く機能させたい。そのため、腹圧のトレーニングをやる前の準備として背中のストレッチを行っています。今まで、フォームや呼吸を丁寧に意識しながらずっとやってきましたが、ストレッチ後の体の変化に波があると感じていました。どうしたらストレッチ効果を常に高めることが出来るか、あれこれ考え試行錯誤していましたが、なかなか自分の中での正解が見つかりませんでした。そして、引退を間近に控えた先週、ようやく首の位置(頭の位置)を矯正し、肩との位置関係を正しくすることを意識しながら、背中をストレッチすることで質が高まり、その後の腹圧のトレーニングの効果を安定させることが出来ると分かりました。(あくまで僕の場合です)
この感覚を得られた時、とても嬉しかったです。

「・・・・ん?」
卒業ブログで書くことか?誰もこんなことに興味ないだろ。高校までの僕も、大学になってこんなことに没頭し、喜びを感じることになるとは全く想像していませんでした。
でも、こんな毎日を積み上げて出来上がったのが、今の僕です。毎日自分の体と向き合い、どうしたらサッカーが上手くなるか、少しでも良いパフォーマンスを出すにはどうしたら良いかひたすら考え試行錯誤し、二歩進んでは一歩下がり、少しずつ前進してきました。少しでも自分のためになるなら、後で後悔しないためになら、何だってしてやる。常にそう考えて4年間行動してきました。こんな毎日が僕の4年間でした。

サッカーを楽せず楽しみながら、TOP昇格、関東リーグ出場を全力で目指していた大学1、2年生。ザンビアで立石(R3卒)に骨折させられて幕を開け、下田寮生活が始まった大学3年生。関東開幕戦でデビューすることが出来ました。デビュー戦前日の夜中には、同じく開幕デビューの勝俣(R3卒)と一緒に緊張でトイレに篭っていたのが懐かしい。ザンビアで怪我したり、寮に監禁されたり、蜂に刺されて入院したり、関東大学選抜としてU-24東京五輪日本代表と試合出来たり、と多くの貴重な経験が出来た怒涛の1年でした。
そして、意気込んで迎えたラストシーズン。慶應の10番として、チームの象徴として、関東でチームに多くの勝利をもたらす、はずでした。

大学1年の4月、入部して間もなく、僕の大学4年間を語る上で切りたくても切り離せない「グロインペイン」と出会いました。ただ安静に休んでいても治らない、痛みの原因がどこの機能障害なのか分かりにくい、治ったと思ったらまた痛み出す、本当に厄介な怪我です。大学1年では、半年間はサッカーが出来なかったものの、なんとか乗り越え、大学2年では1年間再発することなく満足にプレーすることが出来ました。大学3年では、たまに違和感が出るものの、なんとか騙し騙しプレーしてきました。大学4年。集大成として、自分の全てを懸けると意気込んだラストシーズンで、再発してしまいました。

毎日、最低でも5時間は体のケアに当てました。練習に行って、ジムに行って、病院でリハビリをして1日が終わる。そんな毎日を3ヶ月続けても尚、一向に良くならない。治してくれる医者があると聞き千葉まで行ったり、声を上げずにはいられない痛ーい針治療を我慢したり、仙骨枕やったり、酸欠になりかけるまでバイクで追い込んだり。オフの日なんてありませんでした。それでも本当に痛みが取れなかった。いつ治るか分からないから、復帰のタイミングも読めない。いつサッカー出来るんだろう。もういい加減待てない。ちょっと無理してやってみよう。やっぱりダメだ。もう1ヶ月休もう。気付いたら前期の関東リーグはほぼ終わっていました。引退はもうすぐだ。
仲間がきつい練習を乗り越え、確実に強くなっていたことへの焦り。自分のサッカーを応援してくれている人に対する申し訳なさ。どれだけトレーニングやケアをやっても痛みが無くならない辛さ、怒り、虚無感、何とも言い表せない感情が湧き上がってきました。ラストシーズンの前期が、今まで生きてきた22年間で間違いなく一番きつかった時期だったと思います。

でも、後悔しないために、必死でした。後悔だけはしたくありませんでした。後で後悔したくないという一心で、どんなに苦しくても、逃げ出さず、諦めず、やり抜いた。試行錯誤を繰り返し、考え行動することを辞めず、妥協を許さず、苦しみから逃げなかった。そして、少しずつプレーの強度を高めていけるようになりました。

引退を間近に控えた今、自分に出来ることは全てやったと胸を張って言えます。
4年間全力でやり切ったと自信を持てる、これが、僕の4年間の最大の成果です。

なんでそんなに頑張れるの?と言われることもありました。必死に頑張り続けられた原動力は、自分を応援してくれる人達を喜ばせたいという想いでした。幸せなことに、自分を応援してくれる人として、数多くの人の顔を思い浮かべることが出来ます。活躍を楽しみにしてくれている皆をガッカリさせないように、なんとしてもサッカーで結果を出したいと思っていました。
そんなある時、「サッカーで結果を出すことを応援しているのでなく、雄太が好きなことを後悔なくやり切ることを応援している。サッカーじゃなくても構わない」と言われたことがありました。サッカーで活躍すれば、なんでも許されると勘違いしていた僕は、その言葉に思いきり殴られた気がしました。サッカーで結果を出すことが、彼らに対する恩返しだと思って、頑張ってきましたが、「たかがサッカー」なのだとその時心の底から思いました。

僕が今まで、これだけ自由に思う存分サッカーに打ち込むことが出来たのは、沢山の人に迷惑を掛け、迷惑を掛けた多くの人々がそれを我慢してくれたからです。ソッカー部生活が終わる今になって思い返してみると、サッカーが生活の中心で全てをサッカーに捧げてきた私は、周りの人たちに、本当に多くの迷惑を掛けてきました。食事に出掛けてもなるべく定食。21時には家に帰りたいから20時には解散で。22時30分以降は電話掛けて来ないで。迷惑を掛けているにも関わらず、応援してくれているなら、これくらい迷惑を掛けても許してくれるだろうと勘違いしている。傲慢な態度だったと反省しています。
たかがサッカー。それにも関わらず、沢山の人が僕のサッカーを応援してくれました。彼らは、僕が打ち込むものがサッカーじゃなかったとしても、応援してくれたのかもしれません。サッカーに溺愛していた僕を理解してくれて、温かく見守ってくれて、皆、本当にありがとうございました。受けた恩を、これから全力で返していきます。

サッカーに打ち込むことで成長し、サッカーで掛け替えのない仲間と巡り合いました。サッカーを通じて、僕にとって本当に大切なものは何なのか、ぼんやりと分かった気がします。1つは「健康」、もう1つは「人間関係」。僕に関わってくれた、支えてくれた、かけがえのない「人」達です。なかなか直接伝えることが出来ないため、この場をお借りして、感謝を申し上げます。
愛を持って、僕にサッカーを、そして人として大切なことを教えて下さった監督、髙橋コーチ、テソンさんを初めとした社会人スタッフの方々。毎週、身体をリセットして下さる牧野さん、JINのスタッフの皆様。ちょっとした活躍でも連絡をくれる地元、高校、大学の友人達。くだらない出来事をいちいち報告してくる可愛い寮の後輩達。沢山可愛がってくれた先輩方。日吉の実家、高津家。4年間ずっと一緒にいた同期。ストイックにサッカーに取り組み、高め合えた同期。自分のためでなく組織のために尽くしてくれた同期。このブログを読んで下さっている皆様。
本当にありがとうございました。

そして、家族。
お父さん。小学6年の時、受かると思っていた、あるJのジュニアユースに「コーディネーション能力、身長、フィジカルが足りない」と言われて、落とされました。落ち込んでいた僕に、父はラダーやハードルを買い、毎週荒川の河川敷までトレーニングに連れて行ってくれました。普段、サッカーに口を出さないけれど、ずっと優しく応援してくれました。今でも相変わらず足は遅いしパワーもないが、父のお陰でアジリティだけは武器に出来ました。本当にありがとう。
お母さん。寮で生活を始めてから、週1で食べる実家の夕飯が本当に楽しみでした。食事以外でも、ありがたみを身に沁みて感じています。本当にありがとう。

4年間もう終わったみたいなことを言ってきましたが、まだ3節、大事な試合があります。最後に笑えるように、自分の全てを捧げて戦います。

次のブログは何度も大怪我を乗り越え、慶應のDFラインを引っ張ってきた小林誉貴です。僕が人生で初めて家の合鍵を託してもらったのは彼でした。付き合っていたわけではないですが、彼なしでは僕の4年間は語れません。いつもニコニコして周りを笑顔にしてくれますが、その裏で誰よりも直向きに努力する格好良いやつです。誉貴がいたから頑張れた。今は苦しいけど、最後までやり切ろう。感動超大作を期待してます。

《NEXT GAME》
10月24日(日)関東リーグ戦 第21節・第72回早慶サッカー定期戦 vs 早稲田大学
@味の素フィールド西ヶ丘  17:00キックオフ

記事一覧

月別アーカイブ