アイデンティティー(黄将健)
2015.07.15
今回のブログでは、少し自己紹介をしたいと思います。なぜ、4年生にもなってこのように自己紹介をするのでしょうか。それは、私のアイデンティティーは慶應にいる仲間と少し異なるからです。チームメートにも、少しくらいは自分のアイデンティティーを知っていてもらいたいという思いがあります。今まで私のことを知らない人がたくさんいるなと思うことが度々ありました。
塾ソッカー部には、関東をはじめ多くの地方から人が集まってきます。1年生から4年生になるまで、色々な先輩や後輩、同期に出会いました。その仲間たちと、練習後ジョギングをしたり、一緒に食事をしたり、お風呂に入ったり、多くの場でたくさんのコミュニケーションを取ってきました。その中で、自分の名前のことや国籍のことや出身地について話すことも多かったです。「ちゃんごんは卒業したら向こうに帰るの?」「ちゃんごんくんはいつから日本に来たんですか?」「ちゃんごんくんはハーフですか?」「ちゃんさんは軍隊行かなくていいんですか?」今まで、こういった質問が何百回とあり、聞く側は1回かもしれませんが(中には同じことを短期間で何回も聞く人もいました笑)、聞かれる度に、私は何回も同じことを答えてきました。これがかなりめんどくさいんです(笑)。なので、もうこのような質問はされないように、このブログを通して、自己(アイデンティティーについて)紹介をしたいと思います。
私は、今まで(日本と朝鮮半島での悲しい歴史的背景がある)在日コリアン3世として、大阪市の生野区で生まれ育ちました。その町には人口約13万人のうち、5分の1以上が私と同じアイデンティティーを持つ同胞です。コリアンタウンがあり、韓国料理屋や焼き肉屋さんがとても多い町です。私の父と母も在日コリアンです。ですが、私は家族で話す時も母語も日本語です。私の国籍は大韓民国です。しかし、特別永住権を持っているので、徴兵制度は対象外です。
私は小学校、中学校と9年間、朝鮮学校に通い民族教育を受けました。「みんなは一人のために、一人はみんなのために」とハングルで刻まれた教室で、朝鮮の歴史や文化を学びました。今では、それが財産となり原動力にもなっています。また、9年間でハングルも習得し、日常会話程度はできるので延世大学との定期戦でも役立っています(笑)。
中学卒業後は朝鮮高校には上がらず、近畿大学附属高校に入学しサッカーと勉学に励みました。そして今に至ります。自己紹介はここまでですが、少しでも自分についてわかっていただけたら、ありがたいです。
特に、自分のアイデンティティーを誇張したり、人に押し付けたりする思いは、全くありません。塾ソッカー部に属せば、私は塾ソッカー部の一選手であり、社会に出れば一人の人間として行動をしなければいけません。
しかし、私には慶應の仲間にはない魂が宿り、みんなにはない血が流れています。それをどんな時でも、少しでもチームに還元したいと思っています。私たちの目標である、関東リーグ制覇に大きく貢献できるように、直向きにハングリーにアグレッシブに死に物狂いで頑張ります。
今後ともご声援の程、よろしくお願いします。
≪NEXT GAME≫
第20回東京都サッカートーナメント 学生系の部 1回戦 vs東洋大学
7月18日(土) 15:00kickoff @国士舘大グラウンド