■東京都1部リーグ 第十一戦 VS.FC OSSA (0-1敗戦)
2013/9/22(日) 18:30 KICK OFF
慶應BRB
FC OSSA
0 (勝点25→25) |
0 | 前半 | 1 | 1 (勝点18→21) |
0 | 後半 | 0 | ||
得点者 | 44分 FC OSSA |
警告・退場 | [警告] FC OSSA |
慶應 先発 | 番号 | ポジション | 番号 | 慶應 SUB | ||
関根 宏一郎 | 1 | GK | GK | 21 | 藤安 雄治 | |
金房拓海 | 7 | DF | DF | 2 | 水澤仁雅 | |
三上 佳貴 | 3 | DF | DF | 20 | 今村匠実 | |
冨田 賢 | 6 | DF | DF | 22 | 筒井寛樹 | |
大山 元輝 | 5 | DF | MF | 17 | 小坂井 深 | |
加美 義人 | 36 | MF | MF | 30 | 原田亮亮 | |
古賀久善 | 37 | MF | FW | 12 | 三浦 良介 | |
藤村 龍生 | 26 | MF | ||||
森田 達見 | 10 | MF | ||||
甲斐悠佑 | 18 | FW | ||||
毛利 惣治 | 14 | FW |
慶應 選手交代 | 分 | OUT | → | IN | 分 | OUT | → | IN |
HT | 藤村龍生 | → | 三浦良介 | → | ||||
58 | 加美義人 | → | 原田亮 | → | ||||
71 | 金房拓海 | → | 今村匠実 | → |
戦評
「だから一位の方が関東参入戦の組分けで少し有利になんのよ、一回戦の相手が各県の2位以下になるわけ。8三歩成る、と」
「え、でもさ、その辺の差はあって無いようなもんだし、なんていうかこっちがチャレンジャー的な立場? の方が戦いやすい時もない? あ。ゴメンそれポン。見逃さないよ。アラワシの眼」
「いいじゃん出られんだから。勝ちゃいいんだろ? 君達ぐちゃぐちゃ悩みすぎ。すいませんお姉さんナマ追加! めんどくさいんでピッチャーで! いえ、だから人数分ピッチャーで!」
前節9月1日、東京都1部リーグ3位以内に与えられる関東社会人サッカー大会(関東リーグ参入戦)の出場権を獲得し、後は優勝か2位か3位かの慶應BRB。その後荒天により公式戦や練習の中止が相次いだ関係で、9月22日の今日まで3週間、することなくて余韻に浸りっぱなし。「今日フワッと試合に入ったらやられるヨ!」のヨが既に「ヨーロレイヒー」のヨ。一里塚で武装を解いちゃった集団が、どこまでヨイショと腰を上げられるか。サッカー選手の前に人間としての資質が問われる一戦となった。さらに相手はFC OSSA。法政大体育会出身者が母体、ここまで4位は6引分けのせいで、敗戦は対早稲田の1つだけときて、細かい部分が勝敗を分ける相手。ちなみに読みはオッサである。文章から外して際立たせてみたが、深い意味はない。
試合開始。ボール支配率で上回るBRB。今日の自分達に勢いでがーっと行く術は無いと知り、コイン落としゲームさながらパスを一つずつ丁寧に通し、耐えられなくなった相手が雪崩を打つのを待つ構え。しかし相手陣地の奥までは運ぶものの、最後のところで人智を超えたウォーッと来るものが足りない。一方、負けたら昇格アウトのOSSAディフェンスにはウォーッと来るもの満載。これで落ちたろ、今度こそ落ちたろの連続チャンスをゴールライン上で防がれる。物理の法則からいえばとっくに奈落の底のはずコインが、根性としか呼べない形態で台の端。その内こちらのタネ銭が尽きて、押し戻されて、揺り動かされて、躍動されて、44 分に気持ちのこもったFKを決められて前半おしまい。0-1。
後半、ウォーッ以外の言語をそもそも知らない男、FW三浦良介を投入。右サイド裏スペースに勝負を賭けるも、肝心のチームが責任回避症候群。自分の持ち場だけ頑張りまーす、あとは蹴りまーす、僕以外の皆さんよろしくー、ボンボヤージュ! 的サッカー出現。主役のいない舞台。指導者のいない革命。2013年9月22日のBRB。オープニングのナレーションが、そろそろエンディングだってのにまだ終わらねえ、という感じで時間が過ぎ、こちらも途中投入MF原田亮ボレーシュートがまたもゴールライン上でクリアされて打つ手無し。さすがに最後の10分は騒ぎ立てたが、大きなうねりにはならず、試合もおしまい。0-1のまま。
慶應BRBは敗戦に意義を求めない。
勝ち点ゼロなら、どこまでいってもゼロ。あっちこっちひっくり返してもゼロ。延々と続く無の荒野。「この敗戦を糧に!」その甘ったるい言葉は、とんでもない格上との試合、チーム創設以来初の敗戦、百歩譲って今シーズン初の敗戦ならありか。慶應BRB 0-1 FC. OSSA。今季リーグ2敗目となる試合を通じて、チームにもたらされたものなど何もない。2敗のチームが1敗のチームより上にいるという、締まりのない順位表だけが成果。
一方で、確実に一試合分・90分の経験を刻んだ顔がズラリ。試合前に比べてその分だけの何かが加わった心身で、一人ひとりが明日を生きる。それもまたコイン落としだ。今日の一枚がスコンといいとこ転がって、明日雪崩が起きるかもしれない。来月かもしれない。10年後かもしれない。とっくにサッカー辞めた頃かもしれない。落とし方が異様に下手で、ポツンと一枚、ウンともスンとも言わないかもしれない。敗戦に意義はない。人生には、どの経験だって意味がある、のかい諸君。もしチームの勝利となって花開くことがあれば、改めてその時に言えばいい。あの日の負けには意味があったと。それまでは黙って無の荒野。
さてと。クラブハウスを後にする。全くもって冴えない一日だった。鞄を担ぎ、見上げれば秋の夜空、のはずが沖合から憤怒の大魔神登場。
「お前ら、今後の走り込みに文句は一切言わせない」
これまた何とも理屈の通じなそうな。チームに敗戦の意義はなくとも、福田雅監督の指揮するチームが負けた場合、今後の練習方針と選手達の社会人生活に与える影響は計り知れない。今日はやっぱり負けちゃダメだった、コインがえらいところに転がっちまったと、選手達がようやく気付いた瞬間である。

ふがいない敗戦に目を覚ました魔神と、目を合わせずに帰りたかったところを見つかって木の葉のように翻弄される民衆のイメージ。波風立ててくれる人がいるだけ幸せと思わなければいけない、をテーマに急遽封切り決定。週末を中心に最近は平日まで浸食しつつ絶賛上映中。