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「今日までそして明日から」(内桶峻)

2019.04.12

内桶平素より大変お世話になっております。法学部政治学科3年の内桶峻です。
初めてのブログということで、この場を借りて、この数年で私が体験してきたことについて書かせていただこうと思います。少し長くなりますが、最後まで読んでいただければ幸いです。

2016年1月11日。全国高校サッカー選手権大会決勝。たしかに私はあの日、埼玉スタジアム2002という素晴らしいスタジアムで、5万4千人の大観衆の中で試合をしていた。初めて武者震いというものを経験し、ここでプレーできる幸せを噛みしめていた。しかし、キックオフの笛が鳴った後のことからがうまく思い出せない。試合中に何が起きて、いつ自分は交代してピッチを去り、どんな試合の終わり方をしたのだっただろう。ただ、自分がひどいプレーをして、チームのみんなに迷惑をかけて、応援スタンドの方へ顔を上げることができなかったことだけは鮮明に覚えている。試合結果は0-5。涙が止まらなかった。天国と地獄とはきっとこんな状況のことをいうのだろう。そんな風にして私にとっての高校最後の試合は、最高の舞台で、最悪な終わり方をした。

次の日から私は自分の部屋に籠もり、ひたすら机に向かい続けた。センター試験が5日後に控えていた。気が抜けたらすぐにあの日の記憶が蘇ってしまいそうだったから、ひたすら勉強に集中した。学校も受験シーズンになると休みだったため、誰にも会うこともなく、あっという間に受験日を迎えた。無情にも、第一志望であった慶應義塾大学は不合格だった。だが、慶應義塾入学への強い思いを捨てることは出来ず、浪人する決断をした。卒業式を迎え、サッカー部の仲間と久々に会ったことで、みんなは大学へ進学し、自分はもう一年受験勉強をすることを実感した。このとき、初めて自分のサッカー人生はもう終わったのだと思った。

5歳の時から始め、特に大怪我をすることもなく毎日のように続けてきたサッカーから初めて距離を置いた。ボールを一人で蹴ることすら一度もなかった。今振り返ってみると、サッカーに燃え尽きていたのかもしれない。現役の時は、受験勉強を十分にできず、また、本格的に塾に通ったこともなかった私にとって、浪人期間は新鮮なことばかりだった。気のせいかもしれないが、予備校で勉強する毎日は、少し楽しかった。

浪人とは回り道だ。みんなが一足先に大学生活を始めている中で、空白の一年を過ごすことになる。しかし、回り道をするからこそ新しい発見があり、新しい出会いがある。浪人の一年間を通じて、新たな知識を多く蓄えることができ、大切な友達にも出会うことができた。もちろん、つらい日々もあり、変化のない毎日に絶望を感じ、何のために勉強しているのかがわからなくなったこともあったけれど。

様々な葛藤を抱えながら過ごした、どことなく現実離れした毎日も、気がつけば受験シーズンを迎えた。万全の準備をして迎えた二度目の受験は自分には出来過ぎなほど最高の結果に終わった。こうして、友達や先生、そして家族に支えられながら、私は、念願の第一志望であった慶應義塾大学法学部政治学科へ合格することができた。予備校の先生に合格報告したときに泣いて喜んでくれた姿を見て、つらい一年間を乗り越えたことを実感し、浪人する決断をした自分の選択は間違っていなかったのだと確信出来た。

久々に靴箱の奥からスパイクを取り出すと、そこにはまだあの日の埼スタの芝生がついていた。止まっていた時間が新たに動き出すのを感じた。

しかし、現実はそんなに甘くはなかった。ソッカー部での最初の練習は悲惨なものだった。30分走の半分程で過呼吸状態になって離脱した。本気で死ぬかと思った。練習でもミスを連発し、周囲の冷たい視線を感じながら、小学生でもしないような空振りをした。現実を受け止めることは時としてこんなにもつらいことなのか。思うようにサッカーができなくなったことを痛感し、改めて自分のサッカー人生は終わったのだと絶望した。一年のブランクは自分でも想像以上のものだった。自分より上のカテゴリーで活躍するかつての高校の同期たちの存在が信じられないほど遠くに感じた。

それでも周りの練習に必死に食らいつき、余計なプライドを捨て、自分の出来る最大のプレーを心がけた。幸運なことに私のことを評価してくれる指導者との出会いもあり、1年生の最後には新人戦全国準優勝を経験し、2年からはトップチームに昇格することができた。トップチームに上がれたことも嬉しかったが、かつてのチームメイトともう一度一緒にプレーできることがなによりも嬉しかった。

私は今でも自分がこうして体育会ソッカー部に所属していることを不思議に感じることがある。一年のブランクとともに、ある意味一区切りついていた私のサッカー人生を、またこの世界へ戻してくれたのは、一年先に慶應へ入学していた高校時代の同期たち5人だ。サッカーサークルに入ろうと思っていた私を熱心にソッカー部へ勧誘してくれたみんなのおかげで、最高な仲間と出会い、充実した日々を送れている。感謝してもしきれない。ありがとう。

限りなく長く思えた大学生活も折り返し地点を迎えた。今の私の目標は、いち早く怪我を治し、Bチームからトップチームへ昇格することだ。そして、今年がラストシーズンである4年生たちと最高の瞬間を同じピッチで味わいたい。一緒に試合に出て、勝利に貢献することで、かつては同期、今は先輩、そして今後は生涯の友達となる彼らに少しは恩返しができるはずだ。

長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
今後共、ソッカー部へのご支援ご声援の程、宜しくお願い致します。

《NEXT GAME》
4月14日(日) 関東リーグ戦 第2節 vs関東学院大学
@龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド 14:00キックオフ

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