■2018年度東京都2部リーグ 初戦vs Criacao Shinjuku Procriar(2-2引分)
2018/3/25(日) 15:15 KICK OFF
慶應BRB Criacao Shinjuku Procriar
2 | 0 | 前半 | 2 | 2 |
2 | 後半 | 0 | ||
得点者(アシスト者):自チーム分のみ | 山田融(後半10)、山田融(後半40+1) |
警告・退場 | なし |
慶應 先発 | 番号 | ポジション | 番号 | 慶應 Sub | ||
三本松 優 | 39 | GK | GK | 31 | 天野 弦 | |
李 元 | 5 | DF | DF | 6 | 金房 拓海 | |
山崎 晋平 | 12 | DF | DF | 24 | 井内 泰祐 | |
豊川 功治 | 8 | DF | MF | 7 | 小村 研人 | |
小坂 慎太郎 | 27 | DF | MF | 18 | 水野 功太郎 | |
山田 融 | 3 | MF | MF | 22 | 磨見 朋樹 | |
小比賀 奨 | 14 | MF | FW | 26 | 吉岡 康季 | |
藤村 龍生 | 25 | MF | ||||
毛利 惣治 | 9 | MF | ||||
齋藤 勇太 | 11 | FW | ||||
加瀬澤 力 | 20 | FW |
慶應 選手交代 | 分 | OUT | → | IN | 分 | OUT | → | IN |
HT | 藤村 龍生 | → | 磨見 朋樹 | → | ||||
50 | 毛利 惣治 | → | 水野 功太郎 | → | ||||
65 | 李 元 | → | 小村 研人 | → |
監督:田村裕貴
戦評
青春という名のユベントス 創造という名のクリアソン。
しゃれている場合ではない。Criacaoである。2018年の慶應BRB 開幕戦の相手はCriacao Shinjuku Procriarなのである。「くりあそん」と入れたら「Criacao」と単語登録したのが4年前。今度は「ぷろくりある」を「Procriar」と登録する一手間嬉しウェルカム2部。慶應BRBはひとまず東京都社会人2部までは戻ってきて、懐かし好敵手の育成チームとならばリーグ開幕戦ハーフラインを挟んで並ぶ立場となったのである。
さて二部。以前いたのが2012年だから6年前。もちろん変わった。CriacaoがCriacao Shinjuku になって育成チームを設けて2部まで上がってCriacao Shinjuku Procriarとなるぐらいには変わった。おまけにどうやらサプリメントを販売する株式会社まで設立との由。もう驚かない。以前、銀河系における東京都社会人サッカー熱量膨張マターが観測され始めた頃、みんなもう景気が悪くて他にやることないのかしらと思っていたが、間違っていた。プロを目指していたのだ。プロサッカー選手にはなれなくてもプロサッカー経営者になろうとしていたのだ。慶應BRBだけが旧態依然、夢よキュウタビ天皇杯とかせっせとやってて気付かなかったというだけの話なのだ。キックオフ。
Criacao Shinjuku Procriar(プロクリアル)をごくごく簡単に表すとトップチームのCriacao Shinjuku(クリアソン)に少々の年輪を重ねて、その分運動量だけちょいちょい引き換えた、というところか。ただしそもそものクリアソン運動量というのが聞いただけで嫌な汗が出てくるレベルなので、プロクリアルも前からの突撃プレスだけがかろうじてない、という程度。開始直後からボールをこねくり動かして相手をヌタヌタにしようとする慶應BRBと、ボールを呼び込んでパックして速攻一路のプロクリアルの構図で両者望むところだドンと来い15分経過。
がっぷり四つの時間帯が過ぎて、慶應BRB攻撃陣が前を向いてボールを持つ場面が若干増え始める。この波に乗っかって前半一点もらっちゃってもバチは当たらないのではないか。不遜な考えで浮かぶ足元。BRB陣内での相手FKからヘディングシュート、コースはGK正面も弾いたボールが慶應BRB選手に当たってゴールイン(公式にはプロクリアル得点)。あらー。塾生の皆さん気を取り直して行きましょー。またイチから積み上げて。一生懸命ボール動かして。38分再び失点。あらあらあらー。クリアソンらしさ満点の前半。そりゃ久々だったけどこんなに味わいたくはなかったよ。
ハーフタイム。結果後半に2点返して引き分けに終わるこのゲームの転換点。うまくいかないイライラを鎮めるのに5分。主務山村祐樹が「俺サッカーよく分かんねえけど1点入れば行ける気がする」で場を緩めるのに5分。副将山田融が「もう勝ち負けいいから次に繋がる試合しようぜ」でなんとなく方向性が固まるまで5分。あとは監督田村裕貴が全体を仕上げた二言三言とポジション変更を伝えて審判笛。
後半開始。相手監督から「3点目を取りに行け!」の声が響く。それダメ。そういうの止めて。こっちは2点差なら守り切れるかもっていう人間らしい心の隙を突きたいのにそういう的確な指示はしないで欲しい。ていうか相手監督成山一郎。敬称を付けないほうがしっくりきちゃうほど、この世界では公人。それが都リーグのチームに就任して、育成チームの試合にもしっかりベンチに入るとかその勤勉さからして止めて欲しい。
後半も展開は基本的には変わらず。ただBRB攻撃陣は前半以上にもらい方や出し方を工夫し、なんとか相手を動かしてヌタヌタにするきっかけを探す。前掛かる分ピンチも多かったがもうあんたそんなの気にしてられないっすよ。後半10分。まずはBRBの賭けが奏功。山田ミドルシュートでまず一点。ほら来た。2点差から1点取るとこっちは調子づいて相手は崩れるってやつ。ならない。クリアソンなのか成山イズムなのか相変わらずギチギチに身体ぶつけて来る。こちらもはぁそうですかでは終われないので、DF李元に替えて怪我明けMF水野功太郎投入でギアを上げる。残り10分。公式記録を読む限り、ここでプロクリアル交代選手にDF登録がいなかったのが一つのポイントだったか、ここまで敵ながら天晴れの奮闘ぶりを見せていた守備陣の動きが止まり始める。あとはBRBがきちんとしたチャンスを作れるか。この試合初めて自分達次第の時間帯。しかし本日も突撃一路・FW齊藤勇太軍曹のシュートは外れ、ここまで無得点の自分が許せないFW加瀬澤力のFKは相手GKストップ、去年の開幕戦を救った水野のシュートはオフサイド。良い感じで煮え湯が沸き始める。えーあれ飲むんすか飲まされんすか。相手二名が足を痙攣させる姿は、精神が身体を越えるCriacao Shinjuku Procriar勝利の代償なのか。ロスタイム。ゴール前混戦。こぼれた先には俺が山田だ彼がトオルだ再度ミドルシュート。ピッチ外からはボール1個分の隙間があったのか分からないような細道を駆け抜ける、慶應BRBの開幕戦と、もしかしたら2018年シーズンを救う低い弾道。決まって歓喜。その後わっしょいわっしょいのラスト2、3プレーで泥棒ゴールの目が無いわけでもなかったが、そんな高望みはいけない。2018年の慶應BRB東京都社会人2部での開幕戦は2-2引き分け。ロスタイムまでもがき続けて勝点1を拾う。苦しくて楽しい一年の幕開け。