BRB・一貫校からのお知らせ

■東京都1部リーグ 第八戦 VS.CERVEZA FC東京 (0-2敗戦)

2013/7/21(日) 18:10 KICK OFF 大井第二球技場

慶應BRB

CERVEZA FC東京

0
(勝点19→19)
0 前半 0 2
(勝点13→16)
0 後半 2
得点者  74分 CERVEZA FC東京
85分 CERVEZA FC東京
 警告・退場  [警告] 慶應 古賀久善
[警告] CERVEZA FC東京
[警告] 慶應 古賀久善
[退場] 慶應 古賀久善
慶應 先発 番号 ポジション 番号 慶應 SUB
関根 宏一郎 1 GK GK 21 藤安 雄治
今村 匠実 20 DF DF 2 水澤 仁雅
冨田 賢 6 DF DF 32 佐潟 隆平
三上 佳貴 3 DF DF 7  金房 拓海
大山 元輝 5 DF MF 8 市川 慎士
加美 義人 36 MF MF 13 太田 大輔
古賀 久善 37 MF FW 17 小坂井 深
久保 雅史 11 MF
藤村 龍生 26 MF
森田 達見 10 FW
三浦 良介 12 FW
慶應 選手交代 OUT IN OUT IN
81 藤村 龍生 小坂井 深
81 三浦 良介 太田 大輔

戦評

CERVEZA FC東京。その名には東京の社会人サッカーこの10~15年が重なる。チーム設立は1984年。広告を中心に業界のお付き合い関係でチーム結成。サッカーも楽しいけど、その後のお酒も楽しいよね、という集団が選んだ名前はCERVEZA MAS O MENOS。直訳すれば「ビール(CERVEZA)、適当に(MAS O MENOS)」。ピッチの上で見せるサッカーもまた、さぞかしこの後飲むビールはうまかろう、という要所で締めるスタイル。一方で当時の慶應BRBも、月に何回か大学仲間で集まって、いい汗かいてお互いの腹の弛み具合を笑い合う集団。自然と両チームは同じリーグに属し、勝ったり負けたり、飲んだり飲まなかったり、おいFCホッピー!お前ら飲み過ぎてんじゃねえぞ! 何ですか? あー、どなたでしたっけ、例のほら、社会人にもなって大学名に守ってもらってる甘えん坊集団の、と軽口を叩いたりと、それはそれは牧歌的な時代を謳歌していた。

2000年代。様相は変わる。社会人サッカーの半端無いレベル向上。景気が悪いと人はサッカーしかやることがないのか。技術もさることながらその運動量たるや。「前からガンガンプレッシャー掛けていこう!」なんて、昔だったら口にした奴に「マエからガンちゃん」とでもあだ名が付けられそうな話が大まじめに語られる時代。ここで両者は袂を分かった。甘えん坊集団は、Jリーグ100年構想ってこんなストイックなの? もっとなんかこう、芝生に寝転んでボールがコロコロコロみたいなもんじゃなかったの? などと現実から目をそらしたまま最下部リーグへ。ホッピーの方は、ようしやってやる、若くて動けるだけのチームにゃ負けられねえ、東京の激務サラリーマンとしてどこまでやれるかやってやる。そして、俺達適当じゃねえ、MAS O MENOSじゃねぇ、でもビールは大事。CERVEZAはとても大事、という話があったのかは不明だがCERVEZA FC 東京と改名し、この名前をこよなく愛する集団が、人数不足、グランド不足、資金不足、多忙、結婚、出産、育児、転勤、異動、嘲笑、「お前いつまでそんなことやってんの」深夜自分への問い、社会人チームに降りかかるあらゆる苦難を、意地と丸いボールへの思いでくぐり抜け、今や堂々東京の一部リーグ常連。そのCERVEZAに、自らの名前を取り戻すべく2010年に再立ち上げし、今度は「前からガンガン」のムシロ旗を立ててエッサホイサの百姓一揆スタイルで駆け上がった慶應BRBが挑む。CERVEZAの慶應ソッカー部出身者5名、BRBのCERVEZA会社同僚3名。両者の公式戦は、確認出来る限りでは1997年以来。15年ぶりの再会は、東京都一部リーグの首位争い。それぞれの歴史とスタイルを背負い、一回りたくましくなった選手達が、ピッチ入場を今や遅しと待っている。前置きがようやく終わろうとしているのだ。

慶應BRBは、いつもと変わらず前からガンガンのハイプレッシャーが生命線。FW三浦良介がどこの部族の何の儀式かと跳ね回り、両サイドMF久保雅史と藤村達生はものすごーく視野の狭い人のように相手の足元だけを見つめて寄せ切る、こぼれたボールにはMF加美義人、古賀久喜が嬉しそうに体を投げ出し、奪ったボールは10番森田達見へ。しかしここまでリーグ最少失点のCERVEZAも、中央のDF梅澤誠司、志田野雄一郎、MF菅井順平ら、大学サッカーで鳴らした強面がどんと構え、容易にはゴール前侵入を許してくれない。最大のチャンス、藤村のパスで抜け出したDF大山元輝のシュートも慶應出身GK・山本晃司に防がれてハーフタイム。攻めきれなかった慶應BRBと、受けきったCERVEZAの45分間。

後半はCERVEZAが盛り返して互角の展開。東京都一部リーグ首位争いとして、世界の誰に対しても恥じ入ることのないぶつかり合い。その中で慶應BRBの誤算はCERVEZAの運動量が落ちなかったこと。むしろ交代もうまく使って20分過ぎからは活性化の兆しすら。対する慶應BRBは、この日FW登録5名中3名が負傷で、サブメンバーにFWがゼロ。「今こそこいつだと頭に浮かんだ長身FWは別の場所にいた。本部なのかスタンドなのかは教えてあげない」とは試合後の福田雅監督の弁。結局流れを変えることは出来ず、逆に耐える展開。それでも中央DF三上佳貴、冨田賢の二枚が崩れることはなく、GK関根宏一郎も的確なセーブを見せて、流れからの失点リスクはほぼ封じきった印象。ま、0-0でもいいか。一応こっちが首位だし。それこそがCERVEZAが仕掛けた罠。残り時間がちらついてきたら発火するよう講じられていた罠。後半32分。CK。集中力で上回る相手の動きを捕まえきれず、MF上村俊介に決められる。0-1。すかさずBRBもMF太田大輔、小坂井深の同時投入で化学反応を促すが、逆にバタついたのは我が軍。41分に我慢しきれずPK献上。難なく決められ、退場のおまけまで付いて勝負あり。その後右サイドで奮闘したDF今村匠実の際どいシュートなどもあったが、結局無得点。2010年から続いたリーグ戦ピッチ上での無敗記録はここでCERVEZAにより途絶え、首位争いでも並ばれた。

感情を隠さないCERVEZA。彼らは知っている。今こそが歓喜の時だと。準備を重ねてきた一戦を、描いた通りのプランで仕留める。以前の小手先での勝利では湧いてこなかった、腹の底からの咆哮。もちろん慶應BRBも知っている。今は悔しがる時だと。準備もした、犠牲も払った、試合出る奴出ない奴みな持ち場で奮闘した、残り15分でCKとPKとでやられた。同じく以前のヘラヘラした敗戦では得られなかった、体が強張るような悔しさ。CERVEZAに歓喜の輪。じっと見つめるBRB選手有り。喜べライバル。もっともっと喜べ。その分俺達は強くなる。この棒のような悔しさを呑み込んで強くなる。